気密測定とは?費用・C値・手順を解説

気密測定姫路

家を建てるとき、「冬でも暖かい家にしたい」「エアコンが効きやすい家にしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。しかし、どれだけ高性能な断熱材を使っていても、家にすき間が多ければ、暖かい空気や冷たい空気は外へ逃げてしまいます。

そこで重要になるのが、住宅のすき間を数値で確認する気密測定です。気密性能は見た目では判断しにくく、完成してから「足元が寒い」「部屋ごとの温度差が大きい」「冷暖房費が思ったより高い」と感じて初めて気づくこともあります。

気密測定では、専用の機器を使って住宅全体のすき間量を測定し、C値という数値で気密性能を確認します。住宅性能を重視する家づくりでは、断熱性能だけでなく、このC値を実測で確認することが大切です。

この記事では、気密測定とは何か、費用相場、C値の見方、測定の手順、数値が悪かった場合の改善方法まで、家づくり初心者にもわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、気密測定の必要性がわかり、施工会社に何を確認すればよいのか、C値をどのように見ればよいのかが整理できます。

快適で省エネな住まいを目指すなら、間取りや設備だけでなく、見えないすき間をきちんと測ることが大切です。気密測定を正しく理解し、納得できる性能の家づくりにつなげていきましょう。

【この記事を読んで理解できる要点はこちら】
・気密測定とは、住宅のすき間の量を専用機器で測り、家の気密性能を数値で確認する検査です。

・C値は住宅の気密性能を表す指標で、数値が小さいほどすき間が少なく、気密性が高い家だと判断できます。

・気密性能が高い家は、室温が安定しやすく、冷暖房効率や快適性、省エネ性の向上につながります。

・気密測定の費用は数万円程度が目安ですが、測定回数、出張費、報告書の有無、漏気箇所の確認内容によって変わります。

・家づくりでは、気密測定の有無、目標C値、測定タイミング、数値が悪かった場合の補修対応を施工会社に確認することが大切です。

1. 気密測定の基礎知識

1-1. 気密測定とは何か

気密測定とは、住宅にどれくらい「すき間」があるかを専用の機器で調べる検査のことです。家は見た目には壁や床、天井でしっかり囲まれているように見えますが、実際には配管まわり、窓まわり、コンセントまわり、床と壁の取り合いなどに細かなすき間が生じることがあります。

このすき間が多いと、室内で暖めた空気や冷やした空気が外へ逃げやすくなります。その結果、冷暖房の効きが悪くなったり、部屋ごとの温度差が大きくなったりするため、快適な住まいをつくるうえで気密性能はとても重要です。

気密測定では、送風機を使って建物の内外に圧力差をつくり、どれくらい空気が漏れるかを測定します。JIS A 2201では、送風機を用いて建物内外に圧力差を生じさせ、住宅などの気密性能を試験する方法が定められています。([kikakurui.com](https://kikakurui.com/a2/A2201-2017-01.html?utm_source=chatgpt.com))

測定結果は主に「C値」という数値で表されます。C値は、住宅全体のすき間の合計面積を床面積で割った数値で、値が小さいほどすき間が少なく、気密性が高い住宅だと判断できます。([logoshome.jp](https://www.logoshome.jp/blog/house-knowledge/c-value-air-tightness/?utm_source=chatgpt.com))

つまり気密測定は、住宅の「なんとなく暖かい・寒い」を感覚で判断するのではなく、数値で確認するための検査です。高気密住宅を目指す場合は、図面上の性能だけでなく、実際に施工された建物で測ることが大切になります。

1-2. 気密測定が住宅で重要視される理由

気密測定が重要視される理由は、住宅の快適性に直結するからです。どれだけ高性能な断熱材を使っていても、家にすき間が多ければ外気が入り込み、室内の温度は安定しにくくなります。

特に冬場は、すき間から冷たい空気が入り込むことで足元が冷えやすくなります。反対に夏場は、暑い外気や湿気が室内に入りやすくなり、エアコンを使ってもなかなか快適な状態にならないことがあります。

また、気密性が低い住宅では計画換気がうまく働きにくくなります。本来、換気は決められた給気口から新鮮な空気を取り入れ、排気口から汚れた空気を出す仕組みですが、すき間が多いと空気の流れが乱れやすくなります。

さらに、すき間から湿った空気が壁の中に入り込むと、内部結露の原因になることもあります。内部結露は目に見えにくいため、長い期間気づかないうちに構造材や断熱材へ悪影響を与える可能性があります。

そのため気密測定は、単なる性能チェックではなく、快適性、省エネ性、換気、建物の耐久性を確認するための大切な工程です。住宅会社の説明だけでなく、実測値で確認することで、安心して住み始めることができます。

1-3. 断熱性能との違い

気密性能と断熱性能は混同されやすいですが、役割は異なります。断熱性能は「熱を逃がしにくい性能」、気密性能は「空気を漏らしにくい性能」と考えるとわかりやすいです。

断熱性能が高い住宅では、壁や屋根、窓などを通して熱が移動しにくくなります。一方、気密性能が高い住宅では、建物のすき間から空気が出入りしにくくなります。どちらも快適な室温を保つために欠かせません。

たとえば、高性能なダウンジャケットを着ていても、ファスナーが開いていれば冷たい風が入って寒く感じます。住宅も同じで、断熱材がしっかり入っていても、すき間が多ければ本来の断熱性能を発揮しにくくなります。

住宅性能を表す指標として、断熱性能にはUA値やQ値、気密性能にはC値が使われます。C値は「どれだけすき間が少ないか」を表す指標であり、UA値やQ値とは見ている性能が異なります。([logoshome.jp](https://www.logoshome.jp/blog/house-knowledge/c-value-air-tightness/?utm_source=chatgpt.com))

したがって、良い家を判断するときは断熱性能だけを見るのではなく、気密性能もあわせて確認することが大切です。断熱と気密がそろって初めて、冷暖房効率のよい快適な住まいに近づきます。

1-4. 気密測定でわかること

気密測定で最もわかりやすく確認できるのは、住宅全体のすき間の量です。測定結果としてC値が出るため、その住宅がどの程度の気密性能を持っているのかを数値で判断できます。

また、測定中に空気が漏れている場所を探すことで、施工上の弱点を見つけることもできます。よくある漏気箇所には、サッシまわり、配管貫通部、コンセントボックス、床下点検口、天井点検口などがあります。

特に工事途中の段階で気密測定を行うと、壁や天井を仕上げる前に漏気箇所を補修しやすくなります。完成後では見えなくなる部分も多いため、中間測定は施工精度を高めるうえで効果的です。

さらに、施工会社の気密施工に対する姿勢も見えてきます。気密測定を標準で行っている会社は、数値で性能を確認する意識が高く、現場管理にも力を入れている可能性があります。

このように気密測定は、単にC値を出すだけではありません。実際の施工品質を確認し、必要に応じて改善するための重要な手がかりになります。

1-5. 気密測定を行うタイミング

気密測定を行うタイミングは、大きく分けて「工事途中」と「完成後」の2つがあります。どちらにも意味があり、理想的には両方のタイミングで測定するのが安心です。

工事途中の測定は、断熱材や気密シート、配管まわりの処理などが確認できる段階で行います。この段階なら、空気漏れが見つかった場合でも補修しやすいのが大きなメリットです。

完成後の測定は、実際に住み始める状態に近い建物全体の性能を確認するために行います。引き渡し前に数値を確認できれば、施主としても納得感を持って住まいを受け取ることができます。

新築住宅では、中間測定と完成測定の2回を行うと、施工中の改善と最終性能の確認の両方ができます。特に中間測定は、仕上げ前に漏気箇所を補修しやすい点で有効です。([dannetsu-nagano.com](https://dannetsu-nagano.com/column/34/?utm_source=chatgpt.com))

ただし、測定のタイミングは施工会社の工程や建物の仕様によって異なります。契約前や着工前の段階で、いつ気密測定を行うのか、費用に含まれているのかを確認しておくと安心です。

1-6. 気密性能が暮らしに与える影響

気密性能は、毎日の暮らしの快適さに大きく関わります。気密性が高い住宅では、冷暖房で整えた空気が外へ逃げにくく、室内温度が安定しやすくなります。

温度が安定すると、冬の朝に布団から出たときの寒さや、廊下・脱衣所の冷え込みを感じにくくなります。家全体の温度差が小さくなることで、日常生活のストレスも軽減されます。

また、冷暖房効率が高まりやすいため、エアコンを強く運転し続けなくても快適な室温を保ちやすくなります。結果として、光熱費の負担を抑えやすくなる点も魅力です。

さらに、すき間風が少ない家は、外のほこりや花粉、湿気の侵入も抑えやすくなります。換気計画が適切に機能すれば、室内の空気環境を整えやすくなります。

このように気密性能は、快適性、省エネ性、健康的な空気環境、建物の長持ちに関係します。数字だけを見るのではなく、暮らしの質を左右する性能として考えることが大切です。

2. 気密測定の費用とC値の見方

2-1. 気密測定の費用相場

気密測定の費用は、一般的に1棟1回あたり数万円程度が目安です。住宅会社の標準仕様に含まれている場合もあれば、施主が希望したときだけオプション費用として発生する場合もあります。

相場としては、1回あたり4万円から10万円程度と紹介されることが多く、測定業者の所在地や出張距離によって追加費用が発生することもあります。([iestyle-ibaraki.com](https://iestyle-ibaraki.com/column/column-911?utm_source=chatgpt.com))

別の目安として、1棟1回あたり5万円前後とされるケースもあります。ただし、地域や測定内容、依頼先によって費用は変わるため、実際には見積もりで確認する必要があります。([n-home.co.jp](https://www.n-home.co.jp/column/2024_05_02air-tightn-measure/?utm_source=chatgpt.com))

中間測定と完成測定の2回を行う場合は、その分費用が増える可能性があります。しかし、工事途中で改善できるメリットを考えると、単なる追加費用ではなく、住宅性能を確かめるための投資と考えられます。

費用を確認するときは、測定回数、出張費、報告書の有無、再測定費用、漏気箇所の確認まで含まれるかをチェックしましょう。金額だけでなく、どこまで対応してくれるかを見ることが大切です。

2-2. 費用に差が出る主な要因

気密測定の費用に差が出る理由の一つは、測定業者の移動距離です。近くに測定業者が少ない地域では、出張費が加算されることがあります。

もう一つの要因は、測定回数です。中間測定だけを行う場合と、中間測定・完成測定の両方を行う場合では、当然ながら総額が変わります。

また、報告書の内容によっても費用が変わる場合があります。単にC値を伝えるだけなのか、測定条件や写真、改善提案までまとめた報告書を作成するのかで手間が異なります。

現場で漏気箇所を探す作業が含まれるかどうかも重要です。気密測定は数値を出すだけで終わる場合もありますが、実際には漏れている場所を見つけ、補修につなげることに価値があります。

そのため、安さだけで依頼先を決めるのはおすすめできません。測定の目的が「性能確認」なのか「改善まで含めた品質管理」なのかを明確にして、内容に見合った費用かどうかを判断しましょう。

2-3. C値とは何か

C値とは、住宅の気密性能を表す代表的な数値です。正式には「相当隙間面積」と呼ばれ、建物にどれくらいすき間があるかを床面積あたりで示します。

計算式は「住宅全体のすき間面積 ÷ 気密測定床面積」です。単位は一般的に「cm²/m²」で表され、1平方メートルあたり何平方センチメートルのすき間があるかを示します。([35s.co.jp](https://35s.co.jp/chukyotvh/hcolumn/44/?utm_source=chatgpt.com))

たとえばC値が1.0cm²/m²であれば、床面積1m²あたり1cm²のすき間があるという意味です。数値が小さいほど、建物全体のすき間が少なく、気密性能が高いと判断できます。

C値は設計図だけでは正確にわかりません。実際の現場でどれだけ丁寧に施工されたかによって結果が変わるため、気密測定による実測が必要です。

つまりC値は、住宅会社の施工精度を確認するための重要な指標でもあります。カタログ上の性能ではなく、実際に建てられた家の完成度を数字で確認できる点に大きな意味があります。

2-4. C値の目安と評価基準

C値は小さいほど高気密と評価されます。一般的には、C値1.0cm²/m²以下を一つの目安として高気密住宅と説明されることが多くあります。([n-home.co.jp](https://www.n-home.co.jp/column/2024_05_02air-tightn-measure/?utm_source=chatgpt.com))

ただし、C値の目標は住宅会社や建物の仕様によって異なります。C値0.5以下を目指す会社もあれば、1.0以下を基準とする会社もあります。

数値を見るときは、単に「高気密です」という説明だけでなく、目標C値と実測C値の両方を確認することが大切です。目標値が明確であれば、施工会社の品質管理の姿勢も判断しやすくなります。

また、同じC値でも家の形状や換気設備、窓の数、施工条件によって難易度は変わります。そのため、数値だけを比較するのではなく、どのような条件で測定されたかも確認しましょう。

C値は住宅性能を判断する大切な材料ですが、それだけで住まいの良し悪しがすべて決まるわけではありません。断熱性能、換気計画、施工品質、間取りとのバランスをあわせて見ることが重要です。

2-5. C値が小さい家のメリット

C値が小さい家の大きなメリットは、すき間風が少なく室温が安定しやすいことです。冬は暖かい空気が逃げにくく、夏は冷やした空気を保ちやすくなります。

室温が安定すると、エアコンの負担も軽くなりやすくなります。冷暖房を過剰に使わなくても快適に過ごせるため、省エネ性の向上にもつながります。

さらに、計画換気が機能しやすくなる点もメリットです。意図しないすき間から空気が出入りしにくくなることで、給気口と排気口を通した空気の流れを整えやすくなります。

また、壁の中に湿った空気が入り込みにくくなるため、内部結露のリスクを抑える効果も期待できます。建物を長く健全に保つためにも、気密性能は重要です。

ただし、気密性を高めるほど換気計画の重要性も増します。高気密住宅では、適切な換気設備を組み合わせることで、快適で健康的な空気環境を維持しやすくなります。

2-6. C値を見るときの注意点

C値を見るときは、まず実測値かどうかを確認しましょう。住宅会社が提示する数値には、過去の平均値やモデルハウスの測定値が使われている場合があります。

自分の家の性能を知るには、実際に建てる住宅で測定した数値が必要です。同じ会社が建てても、現場や職人、間取り、施工条件によって結果が変わることがあります。

次に、測定時の状態を確認することも大切です。換気口など本来ふさぐべき部分を適切に目張りしているか、逆にふさいではいけない部分までふさいでいないかで、結果の信頼性が変わります。

意図して設けた換気口などは測定時に目張りする一方、建具やコンセントまわりなどの意図しないすき間をふさいでしまうと、見かけ上よい数値になってしまいます。。([note.com](https://note.com/forwardto1985/n/nd696bd546439?utm_source=chatgpt.com))

C値は小さいほどよい指標ですが、測定方法が適切でなければ意味が薄れます。数値だけでなく、測定条件、報告書、改善対応の有無まで確認することが重要です。

3. 気密測定の手順と実施時のポイント

3-1. 気密測定の事前準備

気密測定を行う前には、まず測定日を施工会社や測定業者と調整します。工事途中で行う場合は、気密層が確認でき、かつ補修しやすいタイミングを選ぶことが大切です。

次に、窓や玄関ドアが正しく閉まる状態になっているかを確認します。サッシや建具が未調整のままだと、本来の気密性能とは異なる結果になる可能性があります。

換気口やレンジフード、浴室換気扇など、測定時に目張りが必要な部分も事前に確認します。どこをふさぐかは測定ルールに関わるため、測定業者と施工会社が共通認識を持っておく必要があります。

また、図面や床面積の情報も必要になります。C値は床面積をもとに算出するため、正確な面積情報がないと正しい結果を出しにくくなります。

施主としては、測定の目的、測定回数、立ち会いの可否、結果の報告方法を事前に確認しておきましょう。準備が整っているほど、測定結果を家づくりに活かしやすくなります。

3-2. 使用する機器と測定方法

気密測定では、主に送風機、圧力計、測定用パネルなどを使用します。一般的には、窓や開口部に測定装置を設置し、建物内外に圧力差をつくって空気の漏れ量を測ります。

測定用の送風機を回すと、室内の空気を外へ出したり、反対に外から空気を入れたりできます。このとき建物内外の圧力差を確認しながら、どれくらいの空気が移動したかを測定します。

JIS A 2201では、送風機を用いて建物内外に圧力差を生じさせる方法として、室内を加圧する方法と減圧する方法が示されています。([kikakurui.com](https://kikakurui.com/a2/A2201-2017-01.html?utm_source=chatgpt.com))

測定中は、必要に応じて手や煙、専用機器などを使い、空気が漏れている場所を探すこともあります。漏気箇所を特定できれば、その場で補修できる可能性があります。

つまり気密測定は、機械で数値を出すだけの作業ではありません。現場で空気の流れを確認し、施工の弱点を見つけるための実践的な検査でもあります。

3-3. 気密測定当日の流れ

気密測定当日は、まず測定業者が現場の状態を確認します。窓やドアが閉まっているか、目張りが必要な箇所が処理されているかをチェックします。

次に、測定装置を窓などの開口部に設置します。装置が正しく固定されていないと正確な測定ができないため、すき間ができないよう慎重に取り付けます。

準備が整ったら送風機を作動させ、建物内外に圧力差をつくります。その状態で空気の流量を測定し、住宅全体のすき間面積を算出します。

測定結果が想定より悪い場合は、漏気箇所を探して補修することがあります。中間測定であれば、気密テープやウレタン、コーキングなどで改善しやすい場合があります。

最後に、測定結果としてC値や総相当隙間面積などが報告されます。可能であれば施主も立ち会い、どのように測定されたのかを確認すると理解が深まります。

3-4. 測定結果の見方

測定結果を見るときは、まずC値を確認します。C値が小さいほど、床面積あたりのすき間が少なく、気密性能が高い住宅だと判断できます。

次に、総相当隙間面積も確認しましょう。これは住宅全体のすき間を合計した面積で、建物全体としてどれくらい空気が漏れる可能性があるかを把握できます。

測定結果は、住宅会社が設定した目標値と比較することが大切です。たとえば目標C値が1.0以下で、実測値が0.6であれば、目標を十分に満たしていると判断できます。

一方、目標値を超えてしまった場合は、どこから空気が漏れているのかを確認する必要があります。数値が悪いこと自体よりも、その原因を把握し改善できるかが重要です。

測定結果を見る際は、C値、測定日、測定条件、目張り箇所、補修内容、再測定の有無をセットで確認しましょう。数字の良し悪しだけでなく、結果の信頼性まで見ることが大切です。

3-5. 数値が悪かった場合の改善方法

気密測定で想定より悪い数値が出た場合、まず行うべきことは漏気箇所の特定です。どこから空気が漏れているのかわからなければ、効果的な補修はできません。

よくある漏気箇所は、窓まわり、配管まわり、電気配線の貫通部、床と壁の取り合い、天井点検口などです。これらは施工時の処理が甘いと空気の通り道になりやすい部分です。

補修には、気密テープ、コーキング材、発泡ウレタン、専用部材などが使われます。ただし、やみくもにふさぐのではなく、部位に合った材料と方法で処理することが大切です。

工事途中であれば、壁や天井を仕上げる前に補修できるため、改善の余地が大きくなります。完成後は見えない部分が多くなるため、補修できる範囲が限られることがあります。

数値が悪かった場合でも、原因を見つけて適切に補修し、再測定で確認できれば問題を改善できます。大切なのは、測定結果を責める材料にするのではなく、よりよい家に仕上げるための情報として活用することです。

3-6. 施工会社に確認したいポイント

気密測定について施工会社に確認するときは、まず「気密測定を標準で行っているか」を聞きましょう。標準仕様に含まれている場合と、オプション扱いの場合では費用や対応が変わります。

次に、目標C値を確認します。「高気密です」という表現だけでは判断しにくいため、具体的にC値いくつ以下を目指しているのかを聞くことが大切です。

また、測定のタイミングも確認しましょう。中間測定を行うのか、完成測定だけなのか、両方行うのかによって、漏気箇所を改善できるチャンスが変わります。

さらに、測定結果が目標値に届かなかった場合の対応も重要です。補修を行うのか、再測定をするのか、その費用は誰が負担するのかを事前に確認しておくと安心です。

最後に、測定報告書をもらえるかも確認しましょう。C値、測定条件、測定日、担当者、補修履歴が記録として残れば、引き渡し後も住宅性能を確認する資料として役立ちます。

まとめ

気密測定とは、住宅にどれくらいのすき間があるのかを専用の機器で確認する検査です。家は完成すると壁や床、天井に囲まれているため、一見するとすき間がないように見えます。しかし実際には、窓まわり、配管まわり、コンセントまわり、床と壁の取り合い、天井点検口など、細かな部分から空気が出入りしていることがあります。こうしたすき間は目で見ただけでは判断しにくく、住み始めてから「冬に足元が寒い」「エアコンの効きが悪い」「部屋ごとの温度差が大きい」といった不満につながることがあります。だからこそ、気密測定によって住宅のすき間を数値で確認することが重要です。感覚ではなく実測値で確認することで、その家が本当に快適に暮らせる性能を持っているのかを判断しやすくなります。

気密性能は、断熱性能とあわせて考えるべき住宅性能です。断熱性能は「熱を逃がしにくくする力」、気密性能は「空気を漏らしにくくする力」といえます。どれだけ高性能な断熱材を使っていても、建物にすき間が多ければ、せっかく暖めた空気や冷やした空気が外へ逃げてしまいます。これは、厚手の上着を着ていてもファスナーが開いていれば寒さを感じるのと同じです。住宅も同じように、断熱と気密がそろって初めて本来の性能を発揮します。特に高断熱住宅を建てる場合、気密性能が低いと断熱材の効果を十分に活かせません。そのため、断熱材の種類や厚みだけでなく、実際にどれくらいすき間が少ない家になっているのかを確認することが大切です。

気密測定で確認される代表的な数値が「C値」です。C値は、住宅全体のすき間面積を床面積で割った数値で、一般的には数値が小さいほど気密性能が高いと判断されます。たとえばC値が小さい家は、すき間風が入りにくく、室内の温度が安定しやすくなります。反対にC値が大きい家は、外気の影響を受けやすく、冷暖房効率が下がりやすくなります。ただし、C値は図面だけで決まるものではありません。実際の施工精度によって大きく変わるため、完成した住宅や工事途中の住宅で測定しなければ正確にはわかりません。つまりC値は、住宅会社の設計力だけでなく、現場でどれだけ丁寧に施工されたかを示す重要な指標でもあります。

気密測定の費用は、一般的には1回あたり数万円程度が目安になります。ただし、測定業者の所在地、現場までの距離、測定回数、報告書の有無、漏気箇所の確認作業を含むかどうかによって費用は変わります。住宅会社によっては標準仕様に含まれている場合もありますが、オプションとして別途費用がかかる場合もあります。費用だけを見ると負担に感じるかもしれませんが、気密測定は住宅の快適性、省エネ性、施工品質を確認するための大切な工程です。特に中間測定を行えば、仕上げ工事の前に漏気箇所を見つけて補修しやすくなります。完成後に問題が見つかるよりも、工事途中で改善できる方が効果的です。その意味で、気密測定の費用は単なる検査代ではなく、長く快適に住むための安心材料と考えることができます。

気密測定を行うタイミングとしては、工事途中の「中間測定」と、完成後の「完成測定」があります。中間測定は、断熱材や気密シート、配管まわりの処理などが確認できる段階で行うため、もし空気漏れが見つかっても補修しやすい点が大きなメリットです。一方、完成測定は、実際に住み始める状態に近い建物全体の性能を確認するために行います。理想的には、中間測定で施工上の弱点を見つけて改善し、完成測定で最終的な性能を確認する流れが安心です。ただし、すべての住宅会社が2回測定しているわけではありません。そのため、契約前や着工前の段階で、気密測定を実施するか、いつ測定するか、費用に含まれているか、目標C値はいくつかを確認しておくことが重要です。

気密性能が高い住宅には、暮らしの中で実感しやすいメリットがあります。まず、冷暖房で整えた空気が外へ逃げにくくなるため、室温が安定しやすくなります。冬は足元の冷えやすき間風を感じにくくなり、夏は冷房の効きがよくなりやすいです。また、部屋ごとの温度差が小さくなれば、リビングだけでなく廊下や脱衣所、寝室なども過ごしやすくなります。さらに、冷暖房効率が高まることで、エアコンを強く運転し続ける必要が少なくなり、光熱費の負担を抑えやすくなる点も魅力です。気密性能は、単に数値を競うためのものではありません。毎日の快適性、家計への影響、健康的な室内環境、建物の長持ちに関わる、住まいの基本性能の一つです。

ただし、C値を見るときには注意も必要です。住宅会社が提示するC値が、自分の家で実際に測定した数値なのか、過去の平均値なのか、モデルハウスの実績値なのかを確認しなければなりません。同じ会社が建てた家でも、間取り、窓の数、現場の施工状況、担当する職人によって結果は変わります。そのため、本当に知るべきなのは「自分の家の実測値」です。また、測定時にどこを目張りしたのか、どのような条件で測ったのかも大切です。本来ふさぐべき換気口などを適切に処理することは必要ですが、ふさいではいけない施工上のすき間まで隠してしまえば、見かけ上だけ良い数値になってしまいます。C値は小さいほどよい指標ですが、測定条件や報告書の内容まで確認してこそ意味があります。

気密測定を家づくりに活かすためには、施工会社との事前確認が欠かせません。確認したいポイントは、気密測定を標準で実施しているか、目標C値を設定しているか、中間測定と完成測定のどちらを行うか、測定結果が悪かった場合に補修や再測定をしてくれるか、測定報告書を受け取れるかです。特に「高気密です」という言葉だけでは判断せず、具体的な目標値と実測値を確認することが大切です。気密測定は、住宅会社を疑うためのものではなく、よりよい家に仕上げるための確認作業です。測定によって弱点が見つかれば、改善できる可能性があります。これから家を建てる人は、間取りやデザイン、設備だけでなく、気密測定の有無やC値の考え方にも目を向けましょう。快適で省エネな住まいを実現するためには、見えないすき間を数値で確認し、納得できる性能の家に仕上げることが大切です。