建ぺい率60%容積率200%で建てられる家の大きさは?緩和や制限のケースも
こんにちは。クオホームの本田です。
視聴者さまより建ぺい率、容積率についてご質問がありましたので、それについてお答えしていきたいと思います。
今から土地を買う予定なのですが、いろいろ土地情報を見ています。その中で、建ぺい率、容積率という言葉があるのですが、それがいったい何なのか。
というご質問がありました。
これから土地を探す人は必ず知っておいていただきい知識なので、今回は「建ぺい率と容積率」というものを
- 土地50坪
- 建ぺい率60%
- 容積率200%
の場合の例をあげてお話していきますね。
建ぺい率60%、容積率200%で建てられる家の大きさは?建ぺい率とは?
数字だけ知りたい人のためにまず答えから言いますと、建ぺい率60%容積率200%で建てられる家の大きさは
「上空からみたときの面積が30坪まで、かつ延床面積60坪までの家」となります。2階建てでも3階建てでも同じです。
では答えを知った上で、なぜこのような計算になるのか見ていきましょう。
まず、建ぺい率というのは、簡単に言うと、土地の敷地を上から見た時に、建物が何パーセント建てられるかという事です。最近、西播エリア(姫路)で多いのが、建ぺい率50%ないし60%という形になっていると思います。
50坪の土地の建ぺい率が60%だとすると、普通に計算すると50坪×60%=30坪になります。このように30坪の家しか建てられないというふうに、勘違いされる方が結構いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、そうではありません。50坪の土地に60%の建ぺい率だとすると、上から見たときの面積が30坪が上限になりますよという事になります。こちらの50坪の土地に2階建てを建てたい場合、1階30坪・2階30坪の総二階になります。総二階ですと、上から見た時も上限の30坪に収まります。
上から見た時の面積なので、総二階の場合は、60坪の家が建てられるという事になります。ですので、50坪の土地に対して60%の建ぺい率でしたら、上から見た時の面積が30坪で収まれば建築可能だという事になります。
建ぺい率が緩和されるケースがあります
建ぺい率は場所や条件によっては緩和を受けることできます。
通常用途地域によって定められた建ぺい率60%が建ぺい率70%になる事があります。
1、防火地域内の耐火建築物
防火地域に指定されたエリア、すなわち仮に建物が燃えたとしても隣に延焼しないように建物がもえにくい構造にする必要がある地域です。防火地域内で耐火建築物として施工すると建ぺい率の緩和を受ける事ができます。
2、特定行政庁が指定した角地の場合
敷地が2面の道路に面した土地だと10%の緩和割増をを受ける事ができるようになり、建ぺい率70%まで建てる事が可能になります。
逆に建ぺい率が制限されるケースも
土地に接する道路(家の前の道路)の幅が一定基準以下の場合は建ぺい率が制限されるケースがあります。
具体的には”セットバック”といって、土地の一部(道路に面する部分)を、道路として提供しなくてはいけません。
もし土地の概要や条件部分に「43条2項道路」というような但し書きがあったりする場合は、それに該当します。
その際には不動産屋さんとしっかり話し合わないといけません。
なぜ道路を提供しなくてはいけないのかというと、昭和25年11月23日に施行された建築基準法によって、法律で定められたからです。
それ以前に作られた道路はいたるところに存在しますので、決してレアケースということでもありません。知識として入れておきましょう。
建ぺい率の調べ方
建ぺい率は、土地情報に記載してあります。「建ぺい率60%」のように記載があると思いますので、見ていただけたらすぐにわかります。
容積率とは?意味と計算方法
容積率というのが何かというと、体積の話です。容積率は、だいたい150%・200%という数字が多いかなと思うのですが、ここでは一般的に多い容積率200%でお伝えしていきます。
容積率の計算方法
50坪の土地に対して200%ですと、単純に計算すると100坪ですよね。では、100坪の建物が建てられるのでしょうか?
実際はそうではありません。
100坪の家を建てようと思ったら、1階50坪、2階50坪の家を建てる事になります。
しかしその土地が、建ぺい率が60%の場合、先ほどお話した「上から見た時に30坪」でなくてはいけません。ということは、100坪の家は建てる事はできません。
50坪の土地に対して200%の容積率で建てられる家は、建ぺい率が60%の場合ですと、1・2階合計60坪の家が上限となる、という事です。
3階建てにしたい場合は、1階30坪、2階18坪、3階12坪のように、トータルで60坪であれば建てられます。(実際には、高さ制限があったりもするので、必ず3階建てにできるかは場所次第です。)
家を建てる際は、建ぺい率も容積率もクリアしないといけないので、それを、超えていなければ大丈夫ですよという考え方です。
- 建ぺい率=建物を上から見た時の面積が土地に対して何パーセントあるかを示したもの。
- 容積率=1・2階を合計した体積。
容積率は延床面積ともいうのですが、1階と2階の面積の合計というイメージです。
この二つを、両方クリアした建物を建てましょうというところが、建ぺい率と容積率というお話になってきますので、その辺を勘違いしないで探してください。
容積率の緩和がされるケースもあります
建ぺい率だけでなく、容積率も緩和されるケースがあります。具体的には以下のとおりです。
- 吹き抜け・・・床のない部分に関しては延床面積に含まれません。
- ロフトや屋根裏収納・・・天井高が140cm以下の場合、ロフトの床面積の1/2までの計算。
- 地下膣・・・延床面積の1/3までの計算で良い。
- ベランダやバルコニー・・・幅が2mを超えなければ、床面積に入らない。
- ビルトインガレージ・・・延床面積の1/5まで。
など。ただし、上記は1例のため、建てる地域や自治体によっては緩和されない場合もあるかもしれません。そこは工務店さん、ハウスメーカーさんにしっかり確認とってください。
容積率の調べ方
容積率も、建ぺい率と同じように土地情報に記載があります。万が一なかった場合は土地情報を管理している業者さんに連絡してみてください。
ではそもそもですが、建ぺい率と容積率はどのような基準で決まっているのか?を解説していきたいと思います。
用途地域とは?意味と調べ方
土地情報をもらうと物件資料の中に用途地域というのが記載されているとおもいます。
用途地域とは、好きなところに好き勝手に建物や商業施設を建ててしまうと町並みや秩序が乱れてしまうために、ある程度行政がルールを決めて分類している地域の事を言います。
具体的には以下のような区分があります。
- 第1種低層住居専用地域
- 第2種低層住居専用地域
- 第1種中高層住居専用地域
- 第2種中高層住居専用地域
- 第1種住居専用地域
- 第2種住居専用地域
- 準住居地域
- 近隣商業地域
- 商業地域
- 工業用地域
- 準工業地域
- 工業地域
これが何かといいますと、「商業施設を建ててもいいですよ」「低層住居なら建ててもいいですよ」といったような、どの地域にどんな建物なら建てて良いか?を区分したものになります。
この用途地域が定められていることで、街並みや秩序が保たれているんですね。
参考例として姫路市の土地情報を掲載しておきます。
赤枠で囲ったところに記載されていますが、この土地は【第一種住居地域】になります。その下に【建ぺい率60%容積率200%】と記載されていますね。つまり、この土地は「上から見て30坪かつ、延床面積60坪までの住居が建てられますよ」ということになります。
家を建てるなら建ぺい率と容積率以外にも知っておくべきこと
家を建てるにあたり、気にすべきは広さだけではありません。
建ぺい率と容積率以外に
- 射線制限
- 日影規制
- 絶対高さ制限
- 高度地区制限
といった制限があります。
「なんで容積率200%以内なのに建築審査に通らないんだ!」といったトラブルにならないよう、説明しますね。
日影規制
日影規制(ひかげきせい・にちえいきせい)は、日影を作ってほかの建物に迷惑をかけないよう設けられた規制です。
マンションなどの高層建築物だけでなく、一般的な住居も対象で、用途地域ごとに高さの制限が設けられています。
つまり、建ぺい率や容積率をクリアしていても、日影規制によって理想の家が建たないこともあります。
射線制限
射線制限も日影規制と同様で、日光や風通しなどを確保できるように設けられた制限です。
隣の家がやたら高さのある建物を建ててしまったがために、日光が全然入らなくなった…ということでは困ります。
それを防ぐための制限です。
絶対高さ制限
こちらも高さの制限になります。
主に第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域において、住宅の高さが規制されることです。
原則、10mまたは12mの高さを超えて建築できないようになっています。
3階建てであればぎりぎり建てられますが4階建てはまず無理でしょう。容積率内であってもです。
高度地区制限
地区によっては、さらに高さの制限が設けられている場合があります。
最低高さ制限と最高高さ制限のふたつがあり、最低高さ制限は「一定の高さより低い建物は建築禁止」とされています。
これに関しては、一般的な住居を建てる場合にはほぼ気にしなくて良いでしょう。
基本的に高さにも制限があることを覚えてもらえればOK
4つの規制を紹介しましたが、広さ以外に、高さにも制限があるということを覚えておいてもらえればいいと思います。
具体的には地域にもよりますから、土地を紹介してくれる不動産やさんに聞いてみると、教えてくれると思います。
土地探しに悩んでいる方の疑問を解決します
土地探しに苦労されてる方も結構多いと思います。
以下の記事では
- 土地探しの準備
- 土地探しをどこに依頼するか
- 土地の現地確認する時の注意点
- 希望の土地情報を素早くもらう方法
などを含めた、土地探しに必要な5つのポイントについて解説しています。
ぜひ確認してみてください^^
また土地探しの基本を知りたい方はこちらのメールマガジンにご登録ください↓