チャタテムシの駆除方法|予防法や発生する原因と場所を徹底解説
チャタテムシは、1〜2mmほどの小さく目立たない虫で、発生しても気づきにくいです。
しかしチャタテムシは、アレルギー反応などの被害をもたらすため、大量発生する前に予防する必要があります。
放っておくと、乾燥食品や畳などが被害にあうので、チャタテムシが発生した際には早急に駆除しましょう。
本記事では、チャタテムシの駆除方法について予防法を交えて解説します。
チャタテムシが発生する原因と場所をあわせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
チャタテムシとは
そもそもチャタテムシとは、見た目がダニに似た小さな虫です。
サイズが1〜2mmほどと、肉眼では見えにくく家の中に発生してもすぐには気づきません。
ダニは0.2〜0.4mmとチャタテムシより小さく、肉眼で確認することは難しいため、目に見えるようならチャタテムシの可能性が高いです。
しかしチャタテムシが家の中に発生すると、住民や食品・畳などに被害をもたらすため、早急に駆除する必要があります。
チャタテムシは、カビを食べるため湿気が多く、日当たりの悪い場所に発生しやすいです。
家の中でチャタテムシの発生を抑制するには、エサとなるカビを防止し、部屋の風通しやに当たりを改善する予防法が効果的です。
チャタテムシによる被害
チャタテムシは、ダニやシラミのように吸血せず、毒性もありません。
しかし、チャタテムシが発生すると、次のような被害が起きる可能性があるため要注意です。
- 喘息や鼻炎などのアレルギー症状
- ダニの二次被害
それぞれの被害を確認して、チャタテムシが発生しないよう駆除しましょう。
喘息や鼻炎などのアレルギー症状
チャタテムシ自体に毒性はありませんが、喘息や鼻炎などのアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
アレルギー喘息を持っている人の約20%がチャタテムシにアレルギー反応を引き起こすため注意しましょう。
またチャタテムシは小麦粉を食べるため、パンやパスタなどに混入する可能性があります。
アレルギー体質の中が、チャタテムシの混入した食品を食べると、喘息や鼻炎などの症状を引き起こす可能性があるため注意しなければなりません。
子どもやペットがチャタテムシを誤って食べないよう、見かけたら早めに駆除しましょう。
ダニの二次被害
チャタテムシは、ダニのエサとなるので、ダニによる二次被害が厄介です。
ダニは吸血によって、皮膚炎や痒みを引き起こすため、発生すると日常生活で不快に感じる機会が増えるでしょう。
またチャタテムシにアレルギー症状が起きない場合でも、ダニアレルギーを持っていると喘息や鼻炎が起きてしまいます。
日本人の2人に1人はダニアレルギーと言われており、チャタテムシを食べに来たダニによって、症状を引き起こされる可能性があります。
チャタテムシの駆除方法
チャタテムシが発生すると、不愉快なだけでなくアレルギー症状やダニの二次被害が起きるため、早めの対処が求められます。
チャタテムシが発生した際には、次の駆除方法を実践しましょう。
- 燻煙剤で駆除する
- 殺虫スプレーで駆除する
- アルコールスプレーで駆除する
- 乾燥機や天日干しで駆除する
それぞれの駆除方法を確認して、自分に合った方法でチャタテムシを駆除してください。
燻煙剤で駆除する
チャタテムシを駆除する際は、1匹ずつ処理するのではなく、燻煙剤を使うことをおすすめします。
チャタテムシは繁殖力が強く、1匹ずつ駆除してもすべてのチャタテムシを駆除することは難しいです。
バルサンなどの燻煙剤は、殺虫成分のある煙を部屋の中で噴出し、隠れている害虫をまとめて処理できます。
燻煙剤を使用する際は、布団や押し入れ、戸棚の中など、湿気がこもってチャタテムシの住処になりそうな場所の扉は開けておきましょう。
燻煙剤の煙が逃げないように、扉や窓を密閉して使用してください。
燻煙剤をかけ終わった後は、掃除機をかけてチャタテムシの死骸を処理しましょう。
なお燻煙剤の効果は、1カ月ほどで切れてしまうため、1度目の使用から2週間程度を目途に2度目の駆除を行いましょう。
チャタテムシの卵には、燻煙剤の効果が発揮されないため、こまめに駆除を実施することで部屋中の害虫を処分できます。
燻煙剤によって使用できる範囲が異なるため、部屋の広さに合ったものを選びましょう。
殺虫スプレーで駆除する
手が届きにくい場所にいるチャタテムシは、殺虫スプレーで駆除できます。
クローゼットの裏や家具のスキマなど、ピンポイントで殺虫したいときに殺虫スプレーがおすすめです。
ただしチャタテムシが大量発生しているときは、殺虫スプレーで完全に駆除することは難しいため、燻煙剤を使用してください。
また、殺虫スプレーを使用する際は、窓を開けて人体へ影響しないよう対処する必要があります。
小さな子どもやペットがいる家庭では、できるだけ害の少ない殺虫スプレーを選んでください。
アルコールスプレーで駆除する
燻煙剤や殺虫スプレーは、食品に使用できないため、キッチンに潜むチャタテムシを駆除しにくいです。
チャタテムシは、小麦粉やパスタに発生するケースもあるため、食品にかけても害がないアルコールスプレーで駆除しましょう。
アルコールスプレーは、駆除効果が高い上に殺菌・消毒効果があります。
米びつや調理器具、食材など殺虫スプレーをかけられない場所のチャタテムシを駆除する際は、アルコールスプレーを使用しましょう。
また、消毒用エタノールを含んでいるアルコールスプレーの場合、カビの除去効果も期待できるため、チャタテムシの発生を予防できます。
乾燥機や天日干しで駆除する
チャタテムシは、衣服や布団に潜む可能性があるため、乾燥機や天日干しでの駆除が効果的です。
乾燥機の中が60度以上になれば、成虫だけでなく卵も駆除できます。
衣服に付着した場合は乾燥機、布団に潜んでいるチャタテムシを駆除したい場合は、天日干しで処理しましょう。
乾燥機や天日干しは、人体に影響がない駆除方法なので、子どもやペットがいる家庭でも実践しやすいです。
チャタテムシが発生する原因と場所
チャタテムシを駆除するために、発生しやすい場所や時期を押さえておきましょう。
チャタテムシが発生する場合は、次のケースが多いです。
- エサとなるカビに集まる
- エサとなる小麦粉や乾物に集まる
なぜチャタテムシが発生するのか、原因を理解しておけば、適切に予防できます。
チャタテムシが発生する原因と発生しやすい場所と時期を解説するので、チャタテムシを予防する際の参考にしてください。
エサとなるカビに集まる
チャタテムシの主なエサはカビです。
湿度が高い環境では、壁や家具、窓枠などにカビが発生しやすく、それがチャタテムシを引き寄せます。
特に押し入れやクローゼット、結露が起きる窓周りは要注意です。
カビはホコリや湿気がたまった場所で繁殖するため、部屋の換気を心がけることで、チャタテムシの発生を抑制できます。
また、カビ取り剤や除湿機を活用すると、エサとなるカビを抑制できるためチャタテムシが発生しにくいです。
カビは、目に見えないものも存在するため、表面が清潔に見えても注意しなければなりません。
特に、湿気がこもりやすい秋冬の室内環境では、注意を払いましょう。
エサとなる小麦粉や乾物に集まる
チャタテムシはカビ以外にも、小麦粉やパン粉、乾麺、シリアルなどの食品に含まれるデンプンや有機物を好みます。
キッチンの戸棚や食品庫は、湿気がこもりやすく、エサとなる食品が豊富なためチャタテムシが発生しやすいです。
開封後の食品は湿気を避けるため、密閉容器や乾燥剤を使って保存しましょう。
小麦粉やパン粉は、常温ではなく冷蔵庫で保存することで、チャタテムシの発生を抑制できます。
チャタテムシは、室温28度・湿度75度で繁殖しやすいため、冷蔵庫の中には発生しません。
チャタテムシを予防するために、開封後の食品はすぐに使い切るよう意識し、戸棚や食品庫を定期的に掃除しましょう。
発生しやすい場所
チャタテムシは湿気が多く、エサが豊富な場所を好みます。
家の中で、次の場所はチャタテムシが発生しやすいです。
- 洗面所
- キッチン
- 押し入れ・クローゼット
- 和室
上記の場所は湿気がこもりやすく、カビや食品のカスが発生しやすいため注意が必要です。
特に押し入れやクローゼットは通気が悪く、収納物が湿気を吸いやすいため、定期的な換気や除湿が求められます。
また、窓周りや浴室・洗面所など、結露が生じる場所も注意してください。
これらの場所は、湿気の影響で見えないカビが生えていることが多く、チャタテムシの発生源になる可能性があります。
和室は、畳の上にカーペットを敷いていると、畳とカーペットの間に湿気が溜まり、チャタテムシの発生源となる可能性が高いです。
チャタテムシは、畳だけでなくふすまや障子にも発生するため、和室をこまめに掃除し除湿しておく必要があります。
また、チャタテムシは古い家だけでなく、新築でも発生する可能性があるので注意しましょう。
新築の家は木材に含まれる水分が多いため、湿度が高くなりやすいのです。
新築でも湿気を溜めないよう、こまめな換気と除湿を徹底しましょう。
引っ越し直後から除湿機や湿気取りを活用し、家具や収納の配置も風通しを意識すると、チャタテムシの発生を予防できます。
発生しやすい時期
チャタテムシは、湿度が高い時期に発生しやすいです。
特に梅雨や夏場は、気温と湿度が高いため、カビが繁殖しやすく、チャタテムシが大量発生するリスクがあります。
対して、冬場でも加湿器の使用や結露により室内の湿度が高い場合には、チャタテムシが発生する可能性があるため、一年を通じた湿度管理が必要です。
適切な湿度は40〜60%程度とされており、チャタテムシやカビの発生範囲外となるため、発生リスクを大幅に軽減できます。
チャタテムシの被害を予防するために、年間を通して換気と除湿を徹底しましょう。
チャタテムシ発生予防に効果的な方法
チャタテムシ発生予防に効果的な方法は、次のとおりです。
- 室内を除湿・換気する
- エタノールでカビを除去する
- 結露対策を実施する
- ダンボールや古紙を整理する
- 食品を密閉保存する
- 玄関や庭を掃除する
チャタテムシが発生する前に上記の予防を徹底して、快適な住環境を維持しましょう。
室内を除湿・換気する
チャタテムシの発生を予防するには、室内を除湿・換気することが大切です。
湿気が多いとカビが発生しやすくなり、チャタテムシを引き寄せます。
湿気を溜めないよう定期的に換気を行い、室内の湿度をコントロールしましょう。
特に梅雨や雨の日が続く季節は湿気が溜まりやすいので、除湿機やエアコンの除湿機能を活用しましょう。
また湿気が溜まりやすい箇所に、サーキュレーターや扇風機で風を当てると、空気の流れを作り除湿できます。
エタノールでカビを除去する
チャタテムシのエサであるカビを除去することで、発生を予防できます。
エタノールが含まれる消毒用アルコールは、カビの発生を抑制できるため、チャタテムシの発生予防に効果的です。
具体的な方法は、カビが発生しやすい場所を、布やペーパータオルにエタノールを含ませて拭き掃除してください。
さらに、カビが発生しやすい窓枠や浴室のタイル目地などにも定期的にエタノールをスプレーしておくと、カビを除去できます。
ただし、エタノールは揮発性が高い化学物質なので、使用する際は換気を徹底してください。
結露対策を実施する
カビやチャタテムシの発生を予防するために、結露対策が効果的です。
窓や壁の断熱性能を向上させれば、外気温の影響を受けにくく結露の発生を予防できます。
また結露防止シートを窓ガラスに貼ったり、サーキュレーターで空気を循環させたり、結露の発生を抑制する対策が有効的です。
結露が発生した場合は、早めにエタノールで拭き掃除することで、カビの発生を抑制できます。
ダンボールや古紙を整理する
チャタテムシは、ダンボールや古紙に発生しやすいため、部屋の中に保管する際は注意が必要です。
ダンボールや新聞紙、雑誌などの古紙類は湿気を吸いやすく、チャタテムシの温床になりやすいです。
使わないダンボールや古紙は定期的に処分し、保管する際には湿気の少ない場所を選びましょう。
また、保管する際は床に直接置かず、すのこや棚を活用して風通しを確保してください。
食品を密閉保存する
小麦粉や乾麺、シリアルなどの乾物はチャタテムシのエサとなりやすいです。
そのため、乾物を開封した後は、密閉容器に移し替え、食品を湿気から守りましょう。
密閉容器に乾燥剤を入れて保管しておくと、湿度を管理してチャタテムシの発生を抑制できます。
密閉が不十分な容器では、湿気やチャタテムシが入り込む可能性があるため、しっかり閉じられる密閉容器を選びましょう。
玄関や庭を掃除する
チャタテムシは屋外から侵入する場合もあるため、玄関や庭の掃除も発生予防に効果的です。
特に落ち葉やゴミは湿気を溜め込みやすく、害虫の発生源となるため、こまめに片付けましょう。
また、玄関マットや靴箱も湿気を溜めやすいため、除湿や換気が必要です。
チャタテムシを駆除して快適な住環境を維持しよう
チャタテムシを駆除して快適な住環境を維持するには、湿気対策が必要です。
高断熱住宅に住めば、結露によるカビを抑制して、チャタテムシの発生を予防できます。
チャタテムシの発生を予防するには、室内を除湿・換気し、エタノールでカビを除去することが効果的です。
また、チャタテムシが発生してしまった場合は、燻煙剤や殺虫スプレーを使って駆除しましょう。
燻煙剤を使用できない食品周りは、アルコールスプレーをかけてチャタテムシを駆除してください。
快適な住環境を維持するために、チャタテムシの被害にあわないよう、こまめな掃除と換気を徹底しましょう。