構造用合板とは?強度等級や厚み別の用途もご紹介

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これから家を建てられる方や、リフォームをお考えの方。住宅を造るための建材の知識がないと、必ず損をします。本記事では、構造用合板について解説していきます。構造用合板は木造住宅の壁、床、屋根など、あらゆる場所に使われています。物が悪いとシックハウスの原因になったり、建物が傾く原因になったりします。

 

 

 

 

構造用合板とは?

 

 

 

 

構造用合板とは建物の構造上重要な壁や床などに使われる合板です。壁に使えば筋交いの代わりになり、地震に強い壁になります。具体的に耐震診断で使われる壁倍率という値が、9.0mmの構造用合板を使うことで、3.0以上出すことができます。3.0という数値は、30×90mmの筋交いをたすき掛けで入れた時と同じ値です。

外壁部に筋交いを入れなくて良くなると、断熱材での気密が取りやすくなります。そうすることで、壁内結露の予防ができます。ちなみに、構造用合板でしっかりと壁倍率を出すためには、特定の釘を一定間隔で打つことが規定されています。この釘ピッチは使う釘や工法によって変わってきます。

構造用合板ですが、最近ではホームセンターでも売っています。同じ売り場でベニヤ板とコンパネという商品を見たことはないでしょうか。それぞれ全く別物なので、構造用合板との違いを解説していきます。

ベニヤ板との違い

ベニヤ板とは木材をかつらむきにした単層の板のことです。厚さは0.6mmから3mm程度の薄いものが多く流通しています。用途としては、内装の仕上げ材として使われたり、家具で使われることがあります。

構造用合板は、このベニヤを積み重ねて作られています。厚さは9mmから28mmが主に流通しています。用途としては建物の下地材に使われます。基本的に仕上げ材として使われることは少ないです。サイズはベニヤ板と構造用合板は同じで、910×1820mmの3尺×6尺が基本となっています。

コンパネとの違い

コンパネと構造用合板は同じベニヤ板を重ねて作る合板です。

違う箇所は主に用途とサイズがあげられます。コンパネはコンクリートパネルのことでありコンクリートの型枠に使われる合板で、コンクリートを流し込むために耐水性が高いことが特徴です。片面にウレタン塗装されているものも多くあります。塗装されているから価格が高くなります。サイズは900×1800のものが多く、型枠を組む上で必要な枚数の計算がしやすいように端数がない数値になっています。

構造用合板は、建物の構造部分に使われる合板です。JAS規格という認証を受けるために、強度やホルムアルデヒドの放出量などの規定をクリアしています。また、サイズは910×1820mmなので、コンパネより一回り大きいサイズです。

構造用合板の種類

 

 

 

構造用合板を種類を分ける時、3つの項目で分けることができます。

  • 樹種
  • 接合部分の耐久性
  • ホルムアルデヒドの放出量

 

  • 樹種

樹種の項目では、大きく二つに分けることができます。「スギやヒノキなどの針葉樹」と「ラワンやシナなどの広葉樹」です。針葉樹の構造用合板は木目が荒々しく、きれいではないので主に下地に使われています。価格は比較的安いです。広葉樹の構造用合板は、木目がきれいだったり目立たないものが多いです。また広葉樹の方が助手として硬いので、強度が高くなります。そのため価格は比較的高いです。

  • 接合部分の耐久性

ベニヤ板を接合する時の接着剤の耐久性で、特類・1類・2類と分類されます。特類は一番水分に強く、常時湿潤状態でも問題なく使えます。そのため、そのままの状態で外壁や屋根の下地に使います。1類はある程度の湿気に耐えられ、防水シートなどで直接ぬれないようにしてから壁や屋根の下地に使われます。2類は水分に弱く、屋外での使用はされません。主に屋内家具などに使われます。

  • ホルムアルデヒドの放出量

ホルムアルデヒドの放出量は、F☆からF☆☆☆☆の4段階のランクがつけられ、星の数が多いほどホルムアルデヒドの放出量は少なくなります。ホルムアルデヒドはシックハウスの原因となるので、現在住宅で使われているのはF☆☆☆☆がほとんどです。

構造用合板の強度等級

 

構造用合板構造用というだけあって強度等級が規定されています。強度等級には1級と2級があり、違いは規定されている強度試験などの種類です。1級には曲げ剛性試験、曲げ強度試験に加え面内せん断試験が義務とされています。しかし、2級は曲げ剛性試験のみです。住宅で使うには2級でも問題はありません。2級の方が価格が安いので、採用されることも多くなります。

壁倍率が高い方は1級の方が高いです。そのため、1級の方が強度は高いので、壁があまり多く取れない時や、お金に余裕があるので安全な住宅にしたい時は使われます。

構造用合板の用途を厚み別に紹介

住宅などに使われる構造用合板ですが、厚みによって使う用途が変わります。重さや強度を考慮しているので、9.0mm、12.0mm、15.0mm、24mm、28mmについて解説していきます。

9.0mm

9.0mmは薄く軽いので、壁の下地材に使われることが多いです。また、釘ピッチを守ることで壁倍率は3.0以上になり、十分な強度が発揮されます。床や屋根の下地材として使えますが、上からかかる荷重には不安があります。より厚いものを選ばれることが多いです。

12.0mm

12.0mmは壁、床、屋根の下地によく使われます。9.0mmでは構造的に不安な時や、 15.0mmでは重量が気になる時などに使われ、非常に汎用性は高いです。9.0mmよりも重さはあるので釘ピッチは狭くなります。

15.0mm

15.0mmは床の下地材に使われることが多いです。床に使用する際に、合板は根太の上に貼られます。その合板の上にフローリングが取り付けられます。また、壁や屋根にも使われることはあります。しかし、厚みが増すごとに重量も重くなっていくため、壁では施工しにくく、屋根は少しでも軽くしたほうがいいので、採用されることは少ないでしょう。

24mm

24mmは床の下地材に使われます。床の下地にする時、準耐火性能のある構造用合板だったら根太を使わない工法で床を作ることができます。構造用合板を厚くすることで構造用合板の価格は上がります。しかし、根太を並べるという手間を省くことで、工事の工程を短縮できます。

28mm

28mmは24mmと同じく、床の下地材に使われます。28mmの方が、重厚感のある安心できる床を作ることができます。また、24mmも性能が良い床の下地になります。

まとめ

住宅を建てる際に壁、床、屋根の下地に多く使われる構造用合板ですが、性能を理解し正しく使われているかチェックしないと住みづらい住宅になってしまいます。ハウスメーカーや工務店の方に家づくりを任せるのではなく、自分も参加していくことで、より良い家づくりができます。そのためにも、どのような建材が使われているか。どのような建材があるのか、勉強するようにしましょう。

 

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