柾目(まさめ)or板目|フローリングに使うならどちらか?見た目や機能性など

WRITER
この記事を書いている人 - WRITER -

木目には大きく分けて「柾目(まさめ)」と「板目(いため)」の2種類があります。

フローリング、特に無垢フローリングは木目によって部屋の印象が大きく変わるため、自分好みの木目を選ぶことが大切です。

これから家を建てようと考えている方は、柾目について知識を深めておくと良いです。

この記事では、柾目とは何かについて、木目の種類と併せて詳しく解説します。柾目のメリット・デメリットや、板目との使い分け方も紹介しますので、最後まで読んで家づくりの参考にしてください。

柾目(まさめ)とは?木目の種類について

フローリングや家具の木目は、木材をどのように加工するかで変わるものです。主な木目の種類としては、次のようなものが挙げられます。

  • 柾目
  • 板目
  • 虎斑(とらふ)
  • 杢目(もくめ)

日常生活でよく見かける木目から珍しい種類の木目まで、さまざまです。家づくりの参考として、木目の種類を把握しておきましょう。

柾目(まさめ)

柾目(まさめ)は、直線上に木目が並ぶ美しい見た目が特徴的です。

「柾」と呼ばれる木材の中心部分を中央にして均一な幅で板を削り出す加工方法で、柾目特有の直線的な木目を実現します。

柾目は木材の中心を削り出すことでしか生まれないため、1本の丸太から取れる量が限られています。そのため希少価値が高く、柾目を使ったフローリングや家具は価格が高いです。

板目

板目は、曲線上の木目が特徴的な市販の家具やフローリングでも多く普及している木目です。

板目は丸太の外側から板を削り出し、たけのこ模様の様な木目になります。そのため、柾目に比べて1本の丸太から取れる範囲が多く、低コストで入手できます。

また、削り出した木の断面により木目が異なるため、曲線的で不揃いな木目が特徴的です。

虎斑(とらふ)

虎斑(とらふ)は、木目として珍しい種類の模様です。名前の通り、虎の毛皮のような縞模様が浮かび上がり、一見するとすり傷のようにも見えます。

虎斑は、オークやナラの柾目に現れる特徴があり、限られた木材からのみ取れる貴重な木目です。

そのため、板目や柾目より高い価格で取引されます。

杢目(もくめ)

杢目(もくめ)は、丸太を大根の桂剥きのように樹皮に近い部分をカットして、生成される木目です。

板目のように曲線的な木目ですが、樹皮に近い外殻部分を使用するため、個性的で広い間隔の木目になります。

杢目は、樹皮に近い部分からしか取れないため、希少価値が高いです。

また、丸太の外周が杢目板のサイズとなるので、幅広の継ぎ目がない木目を採用したい方に向いています。

柾目のメリット

家を建てる際にフローリングや壁をどの木目で施工しようか悩んでいる方は、木目の代表的な種類の柾目と板目の特徴を比較しておきましょう。

まずは柾目のメリットから紹介します。

  • 美しい木目で部屋を彩る
  • 希少価値が高く高級感を演出できる
  • 収縮や反りが出にくい
  • 調湿効果がある

それぞれのメリットを確認して、柾目の魅力を把握しましょう。

美しい木目で部屋を彩る

柾目のメリットは、美しい木目で部屋を彩れることです。柾目は、美しい木目が特徴であり、家具や建材に使用すると部屋全体の雰囲気を引き立てます。

直線的な木目がシンプルで美しく、洗練されたデザインを実現します。

部屋の印象をシンプルに抑えたい方は、スッキリとした印象を与えてくれる柾目がおすすめです。

希少価値が高く高級感を演出できる

柾目は希少価値が高く、高級感を演出できる木目です。先ほども紹介した通り、柾目は丸太の中心部分を切ることで取れる木目なので、1本の丸太から取れる部分が限られています。

柾目を取るには十分に成長した木を使用する必要があり、まだ若い木では柾目が取れないことから希少価値が高くなっています。そのため、板目より柾目の方がコストが高いです。

希少価値が高い柾目を使用することで、部屋に高級感を演出しこだわりのマイホームを実現できます。

収縮や反りが出にくい

柾目は水分を通しやすい性質があり、収縮や反りが出にくい素材です。板目は木材に縦の繊維が入っていることから、水を通しにくい性質を持ちます。

そのため古くから家の屋根材として使用されて、雨風を防いできました。

対して柾目は直線的な木目になり、板目と比較して水を通しやすいです。そのため、水分が木材を通り抜ける性質があり、湿気による収縮や反りが出にくい特徴があります。

柾目には収縮や反りが出にくいメリットがあり、家具や家財の破損や劣化を防げます。

調湿効果がある

柾目は水を通りやすい性質を持っているため、調湿効果が期待できます。

米ぬかや化粧箱など、水分が付着しやすい家具に使用されてきました。
水分を板材に通す性質を持つ柾目は、室内の調湿効果があります。

柾目は小さな水分変化に対応できるため、室内の湿度を一定に保つことが可能です。

柾目のデメリット

柾目のメリットを確認した次は、デメリットも併せて確認しておきましょう。柾目はシンプルでスタイリッシュな雰囲気を実現できますが、次のようなデメリットも存在します。

  • 強度が弱い
  • 値段が高価

家づくりに柾目を使うべきか悩んでいる方は、柾目のデメリットも確認して採用を検討してください。

強度が弱い

柾目のデメリットは、縦方向の力に弱いことです。柾目は縦方向に木目が並んでいるため、横方向の力には強いですが、縦方向の力には弱い特性があります。

柾目の家具や家財を使用している際に、木目に対して縦の力が加わると破損するリスクが高いです。

なお、縦方向の木目に合わせて縦に木材をカットしている場合、縦の力が加わりやすく壊れやすくなります。

柾目は板目に比べて強度が弱いデメリットを理解し、使用用途を検討してください。

値段が高価

柾目のデメリットは、値段が高価なことです。柾目は希少価値が高い木目なので、板目より高価な価格設定がされています。

柾目の価格目安は板目の約3倍なので、フローリングなど多く木材を使う箇所をすべて柾目にすると、コストが高額になります。

柾目を使用したい場合は、使用範囲と予算を考えて板目と併用する選択肢も検討してください。

板目のメリット

柾目にメリット・デメリットが存在するように、板目にもメリットとデメリットがあります。
柾目はスッキリとしたシンプルな印象に仕上げられますが、板目には異なる魅力があるのです。

柾目と板目どちらを選ぶべきか比較検討するために、板目の魅力も把握しておきましょう。板目のメリットは、次の通りです。

  • 耐水性が高い
  • 強度が強い
  • 値段が安価
  • 自然特有の不揃いさを楽しめる

それぞれのメリットを把握して、板目を採用すべきか検討してください。

耐水性が高い

板目のメリットは、耐水性が高いことです。

柾目は水を通しやすい特性を持ちますが、板目は水ハケが良く耐水性が高い特性があります。

そのため外壁材・外壁材・門扉材などの雨に濡れる場所には、柾目より板目を使用することが多いです。

万が一、床に水をこぼした際にも、フローリングを板目で施工しておくことで簡単に水を拭き取れます。

強度が強い

板目は柾目に比べて、強度が強いです。

板目に使用される木は、秋から冬にかけて強度が上がる「冬日」によって成長しており、強度が高い特徴があります。

柾目は横方向からの力に弱いですが、板目は縦と横どちらの方向からの力に耐えられる強度を誇ります。

値段が安価

板目のメリットは、値段が安価なことです。

板目は柾目の3分の1程度の価格で購入でき、家づくりの予算を大幅に抑えられます。

施工面積が広い箇所の木材は、柾目より板目を採用して予算を抑えましょう。

自然特有の不揃いさを楽しめる

板目の魅力は、自然特有の不揃いな木目にあります。

ランダムに配置されるたけのこ型の模様は、自然特有の風情を楽しめます。あえてランダムな模様で家具やアンティークアイテムを仕上げることにより、自然の風合いを強調できるのです。

シンプルで洗練された部屋より、個性的なデザインに富んだ部屋を実現したい方は、ランダムなデザイン性で部屋を彩れる板材を選びましょう。

板目のデメリット

板目には多くのメリットが存在するように、デメリットも存在します。板目のメリットとデメリットを比較検討して、家づくりの素材として使用すべきか検討しましょう。

板目のデメリットは、次の通りです。

  • 収縮や反りが出やすい
  • 同じ模様で揃えられない

板目を採用する際は、それぞれのデメリットを理解しておいてください。

収縮や反りが出やすい

板目は柾目に比べて、収縮や反りが出やすいデメリットがあります。

柾目が収縮や反りが出にくい素材であるのに対して、板目は木材に水を通しにくく湿度変化の影響を受けやすい素材です。

そのため木材が収縮や反りが出やすいので、濡れた場合はすぐに水分を拭き取ったり木材を乾燥させたりと対策しましょう。

同じ模様で揃えられない

板目はランダムで不揃いな木目が特徴的で、同じ模様の木材を繋げたいときに不向きです。

フローリングや家具を同じ模様で揃えたい際は、板目より柾目が向いています。板目は1枚ずつ異なる木目が出るので、同じ模様で揃えることは難しいです。

柾目と板目の使い分け方

柾目と板目それぞれのメリット・デメリットを把握したら、「自分がどのような家に住みたいか」理想の雰囲気を考えてみましょう。

同じ間取りでも木材を柾目にするか板目にするかが違うだけで、家の印象が大きく変わります。
次のイメージから、自分の希望に合うものを選んでみましょう。

  • スッキリとしたモダンな印象にしたい
  • 味わい深い和の印象にしたい
  • 耐久性を重視したい
  • 低コストで家を建てたい

それぞれの要望を叶えるには、柾目と板目どちらが向いているか解説しますので、木材選びの参考にしてください。

スッキリとしたモダンな印象にしたいなら柾目

家を建てる際に、スッキリとしたモダンな印象にしたいなら柾目が向いています。

柾目は縦方向の統一感のあるシャープな印象の木目で、スッキリとした印象の部屋を実現できます。

また柾目は、落ち着いた雰囲気を実現できるので、モダンな家を建てたい方にもおすすめです。

味わい深い和の印象にしたいなら板目

家を建てる際に、味わい深い和の印象にしたいなら板目が向いています。

板目は自然特有のランダムな模様が味わい深く、和の印象を与えてくれるでしょう。不揃いで曲線的な木目で設計された家は、和の印象が強い趣きのある空間になります。

耐久性を重視したいなら板目

耐久性を重視したいなら板目がおすすめです。

板目は強度が強いため、柾目より壊れにくい特性があります。柾目では耐えられない横方向の力にも耐性がある板目であれば、破損しにくい家具やフローリングとなります。

低コストで家を建てたいなら板目

コスト重視で家を建てたいなら、板目を選びましょう。板目は柾目の3分の1の価格で購入できるため、家の建築費用を大幅にコストカットできます。

できるだけ予算を抑えて家を建てたい方は、低コストで購入できる板目がおすすめです。

柾目と板目の違いを知って自分好みの家を建てよう!

木材の木目が変わるだけで、部屋の印象は大きく変化します。

パッと画像やサンプルで見ただけでは、無垢フローリングとしてずらっと並んだときの印象が想像と違った…ということもあるかもしれません。

柾目にしてみたけどシンプルすぎて味気ない…

板目がおしゃれだと思って採用してみたけど木目がたくさんあるのがちょっと…

といった後悔をしないためにも、無料見学会などで実際に床を見てみるのをおすすめします。

弊社の無料メルマガでは家を建てる際にかかるお金の話から、お役立ち情報などさまざまな情報を発信しています。解除もすぐにできますので家の新築やリフォームなど、家づくり関連で悩んでることがある場合にはぜひ一度ご購読ください。

こちらの記事も参考になります:無垢床(無垢フロア)の特徴、メリット、デメリットについて考える

この記事を書いている人 - WRITER -

人気記事Top3 - Popular Posts -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です