雨水タンク設置には要注意!後悔しないために知るべき7つのポイント
雨水タンクを設置する際に、慎重に使用用途や対策を考えておかないと後悔するかもしれませんよ。
クオホームの本田です。
雨水タンクは、雨水を貯めて生活に再利用できるエコなアイテムですが、定期メンテナンスや使用用途の制限などデメリットも多いのはご存知でしょうか?
「雨水を再利用できるなら水道代が安くなっていいじゃないか」と思う気持ちもわかりますが、ちょっと待ってください。
この記事では、雨水タンクの導入に後悔しないよう押さえておくべきポイントを7つ紹介します。
もちろんメリットもあるので、後悔しないための対策と併せてお読みいただき、雨水タンクを導入すべきか検討してください。
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雨水タンクとは?
雨水タンクとは、雨水を貯めておくタンクのことです。
屋根から雨どいを伝って流れる雨水を、タンクに流し込むことで雨水を貯蔵します。雨水を貯めて、散水や災害用の貯水として再利用することが目的です。
雨水タンクを設置することで、節水効果や地下水の過剰な汲み上げを防ぐ効果が期待できます。
雨水タンクは主にポリエチレン製のものが多く、他にもガーデニングに最適な陶器製のものや酒樽を再利用した木製のものまであります。
容量も50〜100リットル程度のサイズなど幅広く、使用用途や設置場所に合う最適なものを選べます。また、建物の屋根に設置されるタイプや地下に埋め込まれるタイプなど、設置方法もさまざまです。
雨水の再利用ができる雨水タンクは、環境に優しく持続可能な水の利用方法として注目されているアイテムです。
しかし、慎重に考えて導入しないと後悔するかもしれないため、要注意です。
雨水タンクで後悔する理由7つ
雨水タンクを設置することで、地表や地下の雨水管に流れるはずだった雨水を、自宅で再利用できます。
しかし、雨水タンクを設置して後悔したケースは多く、導入前に「なぜ後悔したのか」理由を把握しておくことが大切です。
雨水タンクで後悔する可能性としては、主に次の7つです。
- ボウフラが発生する
- 強風で倒れる
- 使用用途が限られる
- 場所をとる
- 初期費用の回収に時間がかかる
- メンテナンスが面倒
- 寿命がある
それぞれの後悔した理由を解説しますので、雨水タンクを導入すべきか検討しましょう。
ボウフラが発生する
雨水タンクに溜まった水を長期間放置すると、ボウフラが発生します。ボウフラは蚊の幼虫なので、夏には大量の蚊が発生し被害を受けてしまうでしょう。
雨水タンクにボウフラが発生すると、衛生面に悪影響を及ぼすだけでなく、周囲へ不快感をもたらします。
雨水タンクを掃除せずに放置していて、開けてみると大量のボウフラが発生していて、後悔した方は多いようです。
強風で倒れる
雨水タンクの中に水が一定量入っていないと、強風で倒れてしまいます。
特に雨水タンクの中身が空っぽだったり、雨水が少量しか貯まっていなかったりすると、強風が吹いた際に倒れやすくなります。
雨水タンクを設置する際に、適切な固定や補強をしないと、タンクの破損や周囲への被害が生じる可能性があります。
日常的に風が強い地域や近年、台風の影響を受けやすい地域は導入の検討は慎重に。
使用用途が限られる
雨水タンクを設置して後悔する理由の1つが、使用用途が限られることです。
あくまで雨水タンクなので水道水と同じように、料理や飲料水としては使用できません。また、庭の掃除や洗車に活用しようと思っても、雨水が貯まっていないと水圧が弱く、ホースから散水できないデメリットがあります。
さらに雨水タンクの掃除頻度や貯まるスピードによっては、雨水が腐ってしまうので掃除や庭木への散水として使用することもためらわれます。
雨水タンクを設置しても使用用途が限られてしまえば、使うことも少なくなり後悔してしまうでしょう。
場所をとる
雨水タンクはサイズにもよりますが、設置するためには一定の場所が必要で、思っていたより場所をとり邪魔になるかもしれません。
場所をとらないために小さめのタンクを購入しても、貯められる雨水の量が限られてしまい、使用用途が限定されます。
雨水タンクで後悔しないためには、購入前にサイズ感を確認しておくことが大切です。
初期費用の回収に時間がかかる
雨水タンクは初期費用の回収に時間がかかることがあります。
雨水タンクを購入・設置する費用は3万〜10万円ほどの費用がかかり、水道水を節水しても初期費用の回収には時間がかかります。
ここでちょっと計算してみます。
水道は1リットル約0.2円。水道局によると1日に使用する一人当たりの平均水道使用量は230リットル。
=1日46円の計算になります。
これが4人家族だと、46円×4人×1ヶ月(30日)で5,520円。
雨水タンクの水を毎日50リットル使ったと仮定した場合、節約できる水道代は1ヶ月300円。年間3600円になります。
36,000円の雨水タンクを買った場合は、回収に10年かかるんですね。そして後述しますが、雨水タンクの寿命は10年が目安なので、トントンです。
視点を変えて、毎日庭の水やりをした場合の計算をしてみます。
1平米につき約5リットルとした場合、10坪(33平米)の庭への水やりは165リットル。
1ヶ月(30日)で4,950リットル使うことができます。
節約できる水道代は年間11,880円です。
毎日165リットル使うとなると、最低でも500リットルは欲しいところ。
そうなると商品によってピンキリですが、回収には4〜5年は見ておいた方が良さそうです。
あなたのご家庭で普段どれくらい水を使うか?はしっかり検討したほうがいいでしょう。
メンテナンスが面倒
雨水タンクを活用するには、ボウフラの発生や水の腐食を防ぐために日頃のメンテナンスが欠かせません。
定期メンテナンスをしなければボウフラが発生し、雨水を再利用できなくなります。しかし、日頃から定期的にメンテナンスを行うのが面倒で「雨水タンクを購入しなければよかった」と、後悔してしまうのです。
寿命がある
雨水タンクの寿命は10年が目安です。
初期費用+設置してから活用できる使用用途を比較検討した際、コスパが悪いと感じるケースも出てきます。
10年で初期費用を回収できるのか?地域差による雨量や使用頻度を考慮した上で、導入検討した方が良いでしょう。
雨水タンクの活用例
雨水タンクで後悔し得る理由はさまざまですが、一概にすべての人に向いていないアイテムではありません。
雨水タンクで貯めた水は、さまざまな事柄に活用できるため設置するメリットもあります。雨水タンクの活用例を確認して、設置すべきか判断する検討材料にしてください。
雨水タンクの活用例は、次の通りです。
- 庭木への散水
- 庭の掃除水
- トイレの洗浄水
- 洗車用の洗浄水
- 猛暑日の打ち水
- 災害用の貯水
それぞれの活用例を参考に、雨水タンクで貯めた水の活用方法を考えてみましょう。
庭木への散水
雨水タンクで貯めた水を庭木の散水に活用することは、環境にも経済にも優れた方法です。
雨水は天然の水であり、塩素や添加物が含まれていないため、植物にとって優しい水となります。庭木の植物に雨水タンクで貯めた水を散水すれば、地域の貴重な水資源を節約しながら植物の健康を促進できます。
また散水に使用する水道代も節水できるため、経済的にも優しい活用方法です。
毎日植物に散水するガーデニングが好きな人にとっては、雨水を再利用できる雨水タンクは植物の健康と家計を守るアイテムとなるでしょう。
庭の掃除水
雨水タンクから取り出した水を庭の掃除に使うことで、家庭用水道水を節約できます。庭の清掃や洗浄には、高品質の飲料水を使う必要はありません。
雨水は洗浄に適しており、植物や土壌にやさしいため、庭の清掃に適した水です。そのため雨水タンクで貯めた水を庭の掃除水に活用すれば、家計への経済的な負担を軽減できます。
なお、貯水量が少ない時にはホースの水圧が弱くなる可能性があるので、使用時には注意が必要です。
トイレの洗浄水
雨水タンクで貯めた水の活用例として、トイレの洗浄に使用できます。実は家庭で使用する水道水の使用量で最も多い用途が、トイレの洗浄水です。
トイレの洗浄水には多くの水が必要ですが、雨水を使用すれば水道料金を節約できます。
雨水タンクで貯めた水は飲料水と活用するには衛生的に問題がありますが、トイレの洗浄水としてはまったく問題がない品質です。
洗車用の洗浄水
洗車には大量の水が必要です。そこで雨水タンクに貯まった水を使うことで、経済的かつ地球環境に配慮した洗車が可能です。
「雨水を洗車に使うと車が汚れるのでは?」と、雨水の汚れを心配する方もいますが、雨水が汚いのは降り出しの直後だけです。
雨水は蒸留水と呼ばれるほど綺麗な水で、車のボディや窓ガラスを優しく洗浄できます。
雨水タンクを設置して洗車用の洗浄水として活用すれば、節水しながら車を綺麗にメンテナンスできます。
猛暑日の打ち水
雨水タンクで貯めた水を猛暑日に庭や屋外に使い、打ち水として活用すれば暑さ対策が可能です。
打ち水による冷却効果で周囲の温度を下げ、快適な環境を作れます。猛暑日には高温多湿の日が続き、水道水の使用量が増えますが、雨水を使えば水道料金の節約が可能です。
雨水タンクで貯めた水を打ち水として活用することで、夏の水不足対策・猛暑対策としての効果が期待できます。
災害用の貯水
災害用の備蓄水として雨水タンクを活用することで、万が一、震災や風災が原因で断水した際でも生活の安全確保が可能です。
地震大国であり毎年台風被害による影響を受ける日本では、自然災害により水道が途絶する可能性があります。
雨水タンクを設置して雨水を貯めておくことで、生活水の確保が可能です。
災害時には水道供給が途絶えることがあるため、雨水タンクに貯水しておけば安心して生活ができます。
雨水タンクを設置する3つのメリット
雨水タンクは後悔するケースもありますが、さまざまな活用方法があるアイテムです。
雨水タンクを設置するメリットを3つ紹介しますので、活用例と併せて確認しておきましょう。
- 災害時の備えができる
- 節水意識が生まれる
- 雨水を有効活用できる
それぞれのメリットを解説します。
災害時の備えができる
自然災害や水道管の破損などによって水道供給が途絶えた場合でも、雨水タンクに貯めた水を利用すれば生活水を確保できます。
雨水タンクを設置しておけば、長期間の断水があっても生活水に困らず安心して生活ができます。
災害時の備えとして、雨水タンクを設置しておく防災対策も1つの手です。
節水意識が生まれる
雨水タンクを設置するメリットとして、節水意識が生まれることが挙げられます。
雨水タンクを設置して自然の雨水を再利用すれば、日常的に使用する水も無駄遣いせず節水する意識が生まれます。
普段の生活で使う水を雨水タンクから供給できるため、貴重な水資源を節約可能です。節水への意識が高まり、持続可能な生活スタイルを追求できるのではないでしょうか。
雨水を有効活用できる
雨水タンクを設置するメリットは、流れるはずだった雨水を有効活用できることです。
雨水タンクに貯めた雨水は、庭の散水や植物の水やり・洗車・トイレの洗浄水など、さまざまな用途に有効活用できます。
雨水は天然の水であり、高品質な飲料水と同等の水質であるため、家庭用水道水の代替としても利用可能です。
雨水の有効活用により、地域の水資源保全にも貢献できます。雨水タンクを設置する際には、貯めた雨水で何ができるのか活用方法を検討しておきましょう。
雨水タンクで後悔しないための対策
雨水タンクのメリット・デメリットを知った上で、どうしてもタンクを設置したい方は、後悔しないための対策を実施しましょう。
雨水タンクで後悔しないための対策は、次の通りです。
- ボウフラ対策を実施する
- 設置費用・設置方法を確認する
- タンクのサイズ・貯水量を確認する
- 助成制度を活用する
- 使用用途と費用対効果を考える
それぞれの対策方法を解説しますので、雨水タンクを導入して後悔しないために実施してください。
ボウフラ対策を実施する
雨水タンクで後悔する理由の多くは、ボウフラの発生です。雨水タンクで後悔しないために、ボウフラ対策を実施しましょう。
対策としては蚊が卵を産み付けられないように、タンクに網の蓋をすることです。雨水を通しても蚊が侵入できないサイズの網を設置しておけば、ボウフラの発生を抑制できます。
また、タンクの側面から中の水を排出できるドレン付きのタンクは、古い水を排出して綺麗な状態を維持できます。
タンク内にゴミ除去フィルターがある雨水タンクを購入すれば、簡単にお手入れができてボウフラ対策がしやすいです。
雨水タンクで後悔しないように、ボウフラ対策を実施して定期メンテナンスを徹底しましょう。
設置費用・設置方法を確認する
雨水タンクで後悔する理由として、初期費用を回収しにくいことが関係しています。
雨水タンクを設置して後悔しないように、事前に設置費用と設置方法を確認しておきましょう。
タンクの購入費用と設置費用で数万円の出費が生じるため、初期費用の回収に時間がかかってしまうのです。
現在はネットショッピングで安い雨水タンクも販売されており、業者に依頼せずDIYで雨水タンクを設置する方法もあります。
DIYでの設置にはスキルと知識が必要ですが、ものによっては自分で設置できるものもあるため、初期費用を抑える方法としておすすめです。
ただ初期費用を抑えるために安すぎて品質の悪い雨水タンクを購入すると、すぐに壊れてしまったり使いにくかったりする可能性があります。
雨水タンクを購入する際は、口コミやレビューを参考に予算内で購入できるタンクを探しましょう。
タンクのサイズ・貯水量を確認する
雨水タンクで後悔しない対策は、タンクのサイズ・貯水量を事前に確認しておくことです。
雨水タンクで後悔した理由には「強風で倒れる」「場所をとる」が挙げられます。事前にタンクのサイズ・貯水量を確認しておくことで、強風で倒れないほど貯水できるタンクを購入できます。
さらに雨水タンクのサイズと設置する場所の寸法を確認しておけば、設置してから「場所をとる」ので後悔する心配はありません。
雨水タンクを購入する際は、タンクのサイズ・貯水量を確認して、エリアの降雨量と設置場所の空き状況と相談して、最適なものを選びましょう。
助成制度を活用する
雨水タンクで後悔しないように、管轄の自治体に助成制度がないか確認しておきましょう。
雨水タンクは自然の資源を再利用するため、自治体によっては助成制度があるかもしれません。
助成制度を活用すれば、雨水タンクの設置費用を軽減し初期費用を回収しやすくなります。
しかし雨水タンクの助成制度を活用するには、事前の申請や助成対象の条件などが決められている可能性があるので、事前に確認しておきましょう。
使用用途と費用対効果を考える
雨水タンクの導入検討には、使用用途と費用対効果を考える必要があります。
ガーデニングや洗車など、頻繁に雨水を再利用する方であれば、雨水タンクの設置をおすすめできます。
しかし、たまにしか雨水を利用せずメンテナンスにかかる手間や初期費用の方が割高になるのであれば、雨水タンクを購入しない方が良いでしょう。
雨水タンクを購入する前に、使用用途と費用対効果を考えて「本当に必要か?」を再度検討してください。
後悔しないよう雨水タンクは本当に必要か?をしっかり考える
雨水タンクで後悔しないために「本当に必要か?」をしっかり考えましょう。
雨水タンクは雨水を再利用できるため、エコで節水意識が芽生えます。しかし、使用用途が限られており、ボウフラ対策や事前確認が必要なので「自宅に雨水タンクが必要か」を検討することが大切です。
雨水タンクは災害時の貯水やガーデニングの散水、洗車にも活用できるので、人によってはメリットの多いアイテムとなります。
自分がどのような用途で雨水タンクの水を使用するのか、しっかりと費用対効果を考えてから購入を検討してください。
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