平屋の天井高は何mがベスト?高い天井のメリット・デメリットを解説
平屋を建てる際には、部屋数や間取りだけでなく天井高を決める必要があります。
天井高によって部屋の雰囲気は大きく変わるため、天井の高さを慎重に決めなければなりません。
平屋を建てる際には、「天井高を何mの高さで設計するべきか」を決めるために、天井を高く設計するメリットとデメリットを確認しておきましょう。
この記事では、平屋の天井は何mがベストか、天井を高くするメリットとデメリットの双方を解説します。
平屋の天井高を決める際に確認しておくべきポイントもあわせてご紹介しますので、最後まで読んで平屋を建てる際の参考にしてください。
平屋の天井高は自由に設計できる?
結論から言うと、平屋の天井高は自由に設計できます。
2階建てや3階建てなど上階がある住宅では、建物の高さから天井高の上限が決められてしまいます。
しかし平屋であれば上階がないため、天井高は自由に設計できます。
平屋の天井高を決めるために、天井の高さに関する次のポイントを確認しておきましょう。
- 法律で定められた天井高
- 平均的な天井高
それぞれのポイントを確認して、平屋の天井高を何mにするべきか決める際の参考にしてください。
法律で定められた天井高は2.1m
法律で定められた天井高の下限は2.1mです。
建築基準法施行令の第二十一条の「居室の天井の高さ」で、天井高について次のように定められています。
「居室の天井の高さは、二・一メートル以上でなければならない。
2 前項の天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。」
引用元:建築基準法施行令 | e-Gov法令検索
つまり勾配天井など天井の高さが異なる設計を採用する場合は、天井の高さを2.1m以上に設計する必要があります。
平均的な天井高は2.4〜2.6m
平均的な天井高は2.4〜2.6mとされています。
法律で定められた天井高が2.1mなので、0.3〜0.5m天井までの距離が遠いです。
天井高2.4〜2.6mであれば、空間面積・内装デザイン・家具の配置や大きさによって、圧迫感や開放感が左右されます。
そのため、部屋の大きさや配置する家具の大きさに応じて、快適に感じる天井高で平屋を設計しましょう。
平屋の場所別ベストな天井高
平屋の中でも、キッチンやリビング・玄関など場所によってベストな天井の高さは変わります。
場所別のベストな天井高は、次のとおりです。
- キッチン
- リビング
- 寝室
- 浴室・トイレ
- 玄関
それぞれ場所別のベストな天井高を確認して、平屋を建てる際の参考にしてください。
キッチン
キッチンの天井は、家事のしやすさと空間の開放感のバランスが良い高さにすべきです。
一般的な天井高である2.4〜2.5mで、問題ありません。
天井が高すぎると、匂いや汚れがつく可能性があるため、掃除や換気がしにくいです。
開放感を求める場合でも、2.7m程度の高さで天井高を設計するのが良いでしょう。
リビング
リビングは、家族が団らんするスペースになるので、開放感や高級感を演出するために、できるだけ高く天井を設計することを推奨します。
家族の団らんや来客の応対など、複数の人々が滞在する場所なので、居心地の良い大空間にするべきです。
一般的には2.4〜2.6m程度の天井高があれば、リビングを広く感じられ開放感を演出できます。
よりリビングを開放的な空間にしたい場合は、2.7〜3.0m程度の天井高にしましょう。
寝室
寝室の天井を高くしすぎると、心理的に落ち着かず睡眠を阻害される可能性があります。
高すぎず低すぎない、一般的な天井高である2.4〜2.5m程度の高さが望ましいです。
また、天井高が高すぎると冷暖房効率も悪くなってしまいますから、快適に眠れる空間をデザインした方が良いですね。
浴室・トイレ
浴室やトイレの天井高は、リラックスできる2.2〜2.4m程度が向いています。
天井が高すぎる場合、暖かい空気によって湿気が天井付近に集まるため、カビが発生する可能性を高めてしまいます。
対して天井が高すぎると、換気効率が悪く圧迫感を感じる空間になるため要注意です。
快適な室内環境を維持するために、一般的な天井高より低めに設計することをおすすめします。
玄関
玄関の天井高は、開放感を演出するために高く設計すると印象がガラッと変わります。
玄関は「家の顔」とも呼ばれる家の印象を決める場所であり、開放的でおしゃれな空間に仕上げたいものです。
天井が高いほど、空間が縦に広がり開放感を演出できます。
家に入ってからの第一印象を良いものにするために、天井高2.7m程度が望ましいです。
天井高が低い場合は、玄関が窮屈に感じてしまうため、一般的な2.4〜2.6m程度の天井高は確保しましょう。
平屋で天井高3mはどのくらいの高さ?
平屋の天井高を決める際に「開放的な空間にしたいので、できるだけ高くしたい」と考える方もいるでしょう。
天井高を3mに設計した場合、かなり開放的な空間を実現できます。一般的な天井高が、2.4〜2.6mなので、天井高2.7m以上あれば空間を広く感じられます。
天井高3mの空間は縦の広がりを感じやすいため、開放的でおしゃれな空間に仕上げやすいです。
そのため、玄関やリビングなど開放感を演出したい場合を天井高3mにすれば、広くおしゃれな空間にできます。
平屋で天井高を高くするメリット
平屋で天井高を高くするメリットは、次のとおりです。
- 開放感を演出できる
- 高級感を演出できる
- 間取りを自由に設計できる
- 採光を取り入れやすい
天井高を高くするべきか悩んでいる方は、上記のメリットを確認しておきましょう。
開放感を演出できる
平屋で天井高を高くするメリットは、開放感を演出できることです。
高い天井は視覚的な広がりを生み出すため、空間を開放的に演出する効果があります。
屋根の形状を生かした勾配天井にして天井高を高くすれば、開放的でおしゃれな空間に仕上げられます。
リビングの天井を高くすれば、来客などで人が多く集まっても部屋を窮屈に感じにくいです。
高級感を演出できる
平屋で天井高を高くするメリットは、高級感を演出できることです。
天井が高いとシャンデリアなどの豪華な照明や、背の高い家具を配置できるため、豪華な雰囲気を演出できます。
ホテルでも天井が高いと高級感を感じられ、おしゃれなインテリアや照明などが似合う部屋を実現できます。
間取りを自由に設計できる
平屋で天井高を高くするメリットは、間取りを自由に設計できることです。
天井に余裕があるとスキップフロアやロフトを作れるため、収納スペースや趣味の小部屋を設けられます。
ロフトは収納スペースとしても活用できる空間なので、部屋に物を置きたくない方や小さな子どもがいる方におすすめです。
またスキップフロアやロフトは、空間にメリハリをつくっておしゃれな印象を与えられます。
採光を取り入れやすい
天井を高くして高い位置に窓を設置すれば、採光を取り入れやすいです。
高い位置から差し込む日差しは、部屋全体を明るくしてリラックス効果を生み出せます。
採光を取り入れて明るい部屋にすれば、開放感を感じられるため、より部屋を広く過ごしやすい空間にできます。
平屋で天井高を高くするデメリット
平屋で天井高を高くするデメリットは、次のとおりです。
- コストがかかる
- 掃除やメンテナンスの手間がかかる
- 光熱費が高くなる
天井が高いとメリットだけでなくデメリットが存在します。天井を高くするメリットとあわせてデメリットを確認して、平屋の天井高を決めましょう。
コストがかかる
天井高を高くすると、コストがかかります。
具体的には、天井を高くするため多くの建築材を使用し、構造材や断熱材などの材料費がかかってしまうのです。
さらに高い天井を支えるために、強固な構造設計が求められるため、設計と建築の双方の面でコストが発生します。
また天井高にあわせて背の高いインテリアや家具・カーテンなどを導入するにも、高額なコストがかかってしまいます。
掃除やメンテナンスの手間がかかる
平屋に天井高を高くするデメリットは、掃除やメンテナンスの手間がかかることです。
高い天井に取り付けられた照明器具は、脚立などを利用しなければ掃除やメンテナンスが困難です。
さらに天井や窓の誇りや汚れを掃除するにも、天井が高すぎると長いホウキや専用の清掃機材を用意しなければなりません。
開放感を演出するために大開口や天窓を設置した場合は、定期的に掃除をしなければ窓が汚れてしまうため、採光を取り入れにくくなります。
平屋を建てる際には、掃除やメンテナンスの手間を考えて、生活のしやすい天井高にしましょう。
光熱費が高くなる
天井高を高く設計すると、光熱費が高くなるデメリットがあります。
天井が高いと空間が広くなりますが、冷暖房を部屋全体に行き届かせるために、多くのエネルギーが必要です。
冷暖房消費が多くなれば光熱費が余分にかかるため、天井の高い部屋はエネルギー効率が低いです。
天井高を高く設計する場合は、部屋の断熱性・気密性を上げたり効率的な冷暖房システムを導入したりと、光熱費を抑える対策をしましょう。
平屋の天井高を決める際に確認しておくべきポイント
平屋の天井高を決める際には、次のポイントを確認しておきましょう。
- 予算を決めておく
- 掃除やメンテナンスを想定しておく
- 部屋ごとの天井高を考える
それぞれのポイントを確認しておくことで、自分に合った天井高を見極められます。平屋を建てる際に、自分の好みやライフスタイルにあわせた天井高を決めるために、それぞれのポイントを確認しておきましょう。
予算を決めておく
平屋の天井高を決める際には、初期費用やランニングコストをふまえた予算を決めておくことが大切です。
天井を高くするためには多くの建築材が必要になるため、初期費用が高くなります。さらに日常生活でも、広い空間に冷暖房を効かせるためには、多くのエネルギーを消費します。
高い天井の部屋は空調負荷を増やして、光熱費が高くなる傾向にあるため、ランニングコストが高いです。
また住宅の維持費用をふまえた長期的なランニングコストを想定して、予算を決める必要があります。
予算内で平屋を建てるためにも、予算に合った天井高を決めましょう。
掃除やメンテナンスを想定しておく
平屋の天井高を決める際のポイントとして、掃除やメンテナンスを想定しておくことが大切です。
天井高を高く設計すると、掃除やメンテナンスがしにくく手間と労力がかかります。しかし天井高を低くすると、掃除やメンテナンスはしやすいですが、部屋を窮屈に感じてしまいます。
平屋を建てた頃は高い天井を掃除できても、高齢者になってからも掃除やメンテナンスが難しくなる可能性が高いです。
そのため長期的なライフスタイルを想定して、掃除やメンテナンスの手間を考えて天井高を設定しましょう。
部屋ごとの天井高を考える
平屋の天井高を決める際には、部屋ごとの天井高を考える必要があります。
リビングや玄関など人が多く集まり、開放感を演出したい場所では、高い天井が向いています。
反対にトイレや寝室など、広い空間ではリラックスできない場所は、低い天井高がおすすめです。
平屋の中でも部屋ごとの用途に合った天井高を考えて、生活のしやすい空間を実現しましょう。
天井高を高くして開放的な平屋を建てよう!
平屋を建てる際には、天井高を高くして開放的な空間をつくりましょう。
天井高を高く設計すると、開放感や高級感を演出しやすく部屋を広く見せられます。またスキップフロアやロフトなど、間取りを自由に設計できるため、おしゃれな平屋をつくりやすいです。
ただ平屋の天井を高くすると、建築コストが余分にかかり光熱費も高くなるため注意が必要です。
平屋の天井高を決める際には、予算や掃除・メンテナンスの手間を想定して、部屋ごとの天井高を考えましょう。
クオホームでは家を建てる際にかかるお金の話やその他有益な情報を無料メルマガで配信しています。以下のバナーより簡単に登録・解除できますので、よかったら購読お願いいたします。