薩摩中霧島壁とは?メリットやデメリット・施工方法を徹底解説
薩摩中霧島壁は、消臭効果と調湿効果が高く、快適な住環境を実現できます。
内装材は、さまざまな種類があるため、どれを選ぶべきか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
内装材は、部屋の雰囲気や生活環境に影響する重要な項目となるため、性能やコスト面を確認して慎重に選ぶべきです。
薩摩中霧島壁のメリットとデメリットを確認して、内装材選びの参考にしましょう。
本記事では、薩摩中霧島壁を導入するメリットとデメリットを詳しく解説します。
薩摩中霧島壁の施工方法やお手入れ方法もあわせて解説するため、ぜひ最後までご覧ください。
薩摩中霧島壁とは
薩摩中霧島壁とは、高千穂シラス株式会社が開発し生産・販売する内装材です。
九州南部のシラス台地の「シラス」を原料とし、豊かな風合いと安らぎ感を演出します。
シラスは、鹿児島湾北部を火口とする姶良(あいら)カルデラが噴火して発生した「火山噴出物」であり、「マグマセラミック」と呼ばれるマグマが岩石になる前に粉末化したものです。
高千穂シラス株式会社のホームページでは、薩摩中霧島壁の特長を次のようにご紹介しています。
- ペットやタバコなど、室内にこもるイヤな臭いをすばやく消臭
- 室内の湿度をコントロールし、冷暖房効率アップ
- 結露の発生を防止
- 化学物質ゼロ、殺菌・空気清浄化作用で健康を保持
- シラスならではの素材感で豊かな風合いを演出
参照元:商品紹介 商品ラインナップ 高千穂シラス~100%自然素材の健康・省エネ建材
天然シラス(マグマセラミック)を60%以上使用している薩摩中霧島壁は、化学物質を一切使用せず、殺菌・空気清浄化作用を発揮します。
またシラスには、高い消臭効果と調湿効果が備わっており、クリーンで快適な住環境を維持しやすいです。
薩摩中霧島壁は、内装専用の塗り壁材なので、塗り壁特有のデザイン性とシラスならではの素材感を楽しめます。
薩摩中霧島壁の特長は、自然素材特有の風合いと高い機能性の双方をあわせもっていることです。
珪藻土や漆喰の違い
薩摩中霧島壁の原料であるシラスは、細かい微粒子の中に無数の孔が開いた多孔質な構造をしています。
小さな孔に湿気や臭いを閉じ込め、必要なときに放出するため、高い調湿効果と消臭効果を発揮します。
さらに天然素材特有の風合いを楽しめるため、「珪藻土や漆喰と同じような壁材?」と思われることも多いです。
しかし薩摩中霧島壁は、珪藻土や漆喰とは次のように異なる特長があります。
項目 |
薩摩中霧島壁 |
珪藻土 |
漆喰 |
原料 |
シラス |
珪藻の化石 |
消石灰 |
混合材 |
100%自然素材 |
化学物質系のケースもあり |
化学物質系のケースもあり |
着色 |
無機顔料 |
有機顔料を使用しているケースもあり |
有機顔料を使用しているケースもあり |
下地処理 |
石膏ボードの場合は下地不要 |
下塗り材が必要 |
下塗り材が必要 |
ひび割れ |
ひび割れに強い |
硬貨時に発生しやすい |
施工環境により発生しやすい |
消臭 |
消臭効果が非常に高い |
消臭効果あり |
消臭効果あり |
調湿性 |
高い |
高い |
高い |
断熱材 |
高い |
高い |
高い |
コスト(クロスの価格と比較した際の倍率) |
約3倍 |
約2倍 |
約4倍 |
珪藻土や漆喰も調湿性や断熱性が優れていますが、消臭効果は薩摩中霧島壁が圧倒的に高いです。
さらに、薩摩中霧島壁は化学物質を一切使用していないのに対して、珪藻土や漆喰は混合材や着色・下地処理に化学物質を使用する可能性があります。
薩摩中霧島壁は、ひび割れへの耐性が非常に強いため、長年使用していても劣化を感じにくいです。
薩摩中霧島壁を導入するメリット
薩摩中霧島壁を導入するメリットは、次のとおりです。
- 自然素材100%の壁
- 消臭効果が高い
- 調湿効果が高い
- 色と質感が良い
- 空気清浄効果がある
- 有害物質を吸収する
- 断熱性が高い
- エアコン消費を抑えられる
薩摩中霧島壁は、優れた機能性を備えた内装材なので、導入することでさまざまなメリットを得られます。
各メリットを確認して、薩摩中霧島壁の導入を検討しましょう。
自然素材100%の壁
薩摩中霧島壁は、自然素材100%の壁です。
珪藻土や漆喰の場合は、主原料だけでは固まらないため結合剤や接着剤などを混ぜる必要があります。
混合材の種類によってはコストも変動し、化学物質を含んでいるケースも珍しくありません。
対して、薩摩中霧島壁は主原料が天然素材のシラスであり、混合材も化学物質を使用せずすべて天然素材で製造しています。
化学物質を含まない健康的な室内環境を実現したい方にとって、薩摩中霧島壁は最適な内装材です。
消臭効果が高い
薩摩中霧島壁は、消臭効果が高く悪臭や生活臭を室内に残しません。
主原料のシラスは、細かい微粒子の中に無数の孔が開いた多孔質な構造をしており、臭いや湿気を孔に吸収する機能を持っています。
例えば、タバコやペットのアンモニア臭であれば、約30分で完全消滅するほど高い消臭効果を発揮します。
薩摩中霧島壁で施工すると生活臭が気にならないため、小さな子どもやペットがいる家庭におすすめです。
調湿効果が高い
薩摩中霧島壁は、臭いだけでなく湿度もシラス内の孔に吸収できるため、調湿効果が高いです。
室内の湿度に応じて湿気を吸湿・放湿し、常に快適な湿度を実現します。
梅雨時季やジメジメとした夏には、室内の湿気を吸湿し、乾燥が続く冬には壁内から湿気を放出します。
そのため、結露の発生を抑制し、アレルギーやアトピーの原因となるダニやカビの発生を予防することが可能です。
また結露は家の腐食や劣化につながる問題となるため、薩摩中霧島壁の調湿硬貨によって、家を長持ちさせられます。
薩摩中霧島壁を導入するメリットは、高い調湿効果により快適な室温を維持し、家を長持ちさせられることです。
色と質感が良い
薩摩中霧島壁を導入するメリットは、色と質感が良いことです。
自然素材特有の質感と塗り壁の風合いを楽しめ、こだわりのある内装デザインに仕上げられます。
薩摩中霧島壁には、10色のカラーバリエーションがあり、仕上げパターンは全5種類あります。
「カラーバリエーション」
引用元:色調・仕上げ 商品ラインナップ 高千穂シラス~100%自然素材の健康・省エネ建材
「仕上げパターン」
引用元:色調・仕上げ 商品ラインナップ 高千穂シラス~100%自然素材の健康・省エネ建材
自分好みの色とパターンで壁を施工できるため、仕上がりの満足度が高いです。
空気清浄効果がある
薩摩中霧島壁は、悪臭や有害物質を無害化する空気清浄効果が魅力的です。
主原料のシラスに含まれる酸化チタンは、光があたると電荷分解が起こり、スーパーオキサイドイオンとOHラジカルを生成する作用があります。
2種類の物質は強力な酸化力を持ち、近くの有機物から電子を奪って分子結合を分断します。
分子結合を分断する酸化還元反応によって、悪臭や有害物質を無害化することが可能です。
薩摩中霧島壁を施工した部屋は、空気清浄機を設置せずに、常に空気を綺麗な状態へ浄化できます。
さらに、シラス主成分の珪酸塩鉱物はマイナスイオンを放出する効果があるため、空気清浄機を設置しなくても、常にクリーンで清潔な空気環境を実現できます。
有害物質を吸収する
薩摩中霧島壁は、天然素材100%で製造されているだけでなく、有害物質を吸収することが可能です。
湿気や臭いだけでなく、家具や建材から放出されるVOC物質も吸着し、再放出しません。
そのため、アトピーや過敏症に悩まされる方でも、ストレスを軽減して快適な生活を送れます。
断熱性が高い
薩摩中霧島壁は、断熱性が高く年中快適な室温を維持しやすいです。
多孔質で無数の空気層を持つ薩摩中霧島壁は、室内外の空気が逃げにくい構造をしているため、優れた断熱性能を持っています。
家の断熱性を向上させれば、外気温の影響を受けずに、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を維持できます。
そのため、寒冷地や寒暖差が激しい地域に家を建てたい方に、薩摩中霧島壁がおすすめです。
エアコン消費を抑えられる
薩摩中霧島壁は、優れた断熱性・調湿性を備えているため、エアコン消費を抑えられます。
日本の夏は蒸し暑く、温度だけでなく湿度対策が重要です。
薩摩中霧島壁の調質効果によって、夏のジメジメした湿気を吸湿し、体感気温を約2度下げられます。
また優れた断熱性を備えているため、猛暑の日でも室内に外の熱気を伝えません。
さらに調湿効果と消臭効果を兼ね備えている薩摩中霧島壁であれば、洗濯物を部屋干ししても、生乾き臭の心配がありません。
洗濯物をカラッと室内干しで乾かすため、梅雨や雨の日でも安心です。
薩摩中霧島壁を導入するデメリット
薩摩中霧島壁を導入するデメリットは、次のとおりです。
- コストが高い
- 手触りが硬くザラザラしている
薩摩中霧島壁は、さまざまな優れたメリットを備えていますが、反面デメリットも存在します。
メリットとデメリットの双方を確認して、薩摩中霧島壁を導入するべきか検討しましょう。
コストが高い
薩摩中霧島壁は、一般的なクロスと比較してコストが高いです。
価格相場はクロスの約3倍ほどかかるため、家全体の壁を薩摩中霧島壁にすると、高額なコストが発生します。
薩摩中霧島壁は、天然素材100%で製造されているため、安価な化学物質を使用した壁材より、どうしてもコストが高くなってしまうのです。
また仕上がりが職人の腕に左右されるため、施工コストも高い傾向にあります。
薩摩中霧島壁を導入する際は、予算と相談して無理のない範囲で導入を検討しましょう。
手触りが硬くザラザラしている
薩摩中霧島壁を導入するデメリットは、手触りが硬くザラザラしていることです。
塗り壁特有の凹凸や質感が魅力的ですが、仕上がりは硬めで表面がザラザラしています。
触って壁が崩れる心配はありませんが、小さな子どもが壁にぶつかると擦りむく可能性があります。
危険と言うほどではありませんが、滑らかな壁を望んでいる方は、ザラザラとした質感が気になるかもしれません。
薩摩中霧島壁の施工方法
薩摩中霧島壁の導入を検討している方は、施工方法を確認しておきましょう。
石膏ボード下地で施工する場合と、リフォームの場合で施工方法を解説するため、導入を検討する際の参考にしてください。
石膏ボード下地の場合
石膏ボード下地の場合、次の手順で施工します。
- 下地処理
- 塗りつけ
- 仕上げ
まず ジョイント部分をシラス壁専用下地処理材である「LNのり」で「LNテープ」を貼ります。
次にLNテープとボードの隙間にある空気を抜くため、指でよく押さえて貼り付けます。
なお天井に施工する場合は、シーラー処理が必要です。
下地処理が完了した後は、約2mm厚で湿らしこすりを施します。
次に追い塗りで5mm厚まで塗りつけ、専用の刷毛やローラー・コテでテクスチャーをつけて仕上げます。
リフォームの場合
薩摩中霧島壁をリフォームで取り付ける場合の、施工手順は次のとおりです。
- タッカー留め
- シーラーをかける
- シラス壁塗りつけ
- 仕上げ・パターン付け
まずは、クロスのジョイント部や入隅・開口部塗りなどをタッカーで留めます。
次にシーラーを全面に2回塗りすれば、薩摩中霧島壁を塗りつける準備が完成です。
シラス壁を塗りつけるため、 2mm厚ほどの湿らしこすりを施した後、追い塗りで5mm厚まで塗りつけます。
最後に、専用の刷毛やローラー、コテでテクスチャーをつけて仕上げます。
薩摩中霧島壁のお手入れ方法
薩摩中霧島壁のお手入れは、素人でもできる簡単なものです。
まず次の道具を用意します。
- はたき
- 消しゴム
- メラニンスポンジ
- 雑巾
- 霧吹き
薩摩中霧島壁は静電気が発生しにくい素材なので、ホコリがつきにくいです。
ホコリが気になる場合は、掃除機やはたきで直接掃除してください。
軽い傷や汚れは、柔らかい布や消しゴム、メラニンスポンジでこすることで落とせます。
シミは霧吹きで水を塗布し、汚れを浮かせてから雑巾で叩けば、徐々に落ちていきます。
小さな子どもがいる家庭では、壁の手あかや落書きが気になりますが、消しゴムでこするだけで簡単に消すことが可能です。
ただしクレヨンや絵の具のように、油性のものは落としきれないため注意しましょう。
薩摩中霧島壁の価格相場
薩摩中霧島壁の価格相場は、次のとおりです。
項目 |
価格相場 |
設計参考価格 |
6,760円/㎡ |
1袋あたり |
13,490円 |
1㎡あたり |
2,698円/㎡ |
なお上記の価格は2022年12月1日時点の情報です。
詳しくは、下記のオンラインショップより直接購入、お問い合わせできるため、必要があればチェックしておきましょう。
参照元:薩摩中霧島壁 | 高千穂シラス オンライン・プロショップ
薩摩中霧島壁を導入すれば健康的で快適な住まいの実現につながる
薩摩中霧島壁は、シラスを原料としている自然素材100%の内装材です。
高い消臭効果と調湿効果を兼ね備えており、空気清浄効果によりクリーンな室内環境を維持できます。
また断熱性が高く、エアコン消費を抑えられるため、光熱費の削減にもつながります。
年中快適な室温と湿度、クリーンな空気で生活できるため、過敏症やアトピー・アレルギー体質の方でも安心です。
家の内装選びで悩んでいる方は、薩摩中霧島壁も選択肢の1つとして考えると、選択の幅が広がります。
自分好みの住環境を実現するため、内装材選びは慎重に行いましょう。