コンクリートテラスのメリット・デメリット|設置する際の注意点を解説
コンクリート打ちっぱなしのコンクリートテラスは、設置費用を抑えて家に屋外スペースを設けられます。
ウッドテラスやタイルテラスとは異なり、コンクリートの基礎部分をそのまま利用するため、無骨な風合いを楽しめます。
家にテラスを設置しようか悩んでいる方は、コンクリートテラスの特徴を確認して、導入するべきか検討しましょう。
本記事では、コンクリートテラスのメリットとデメリットを詳しく解説します。
コンクリート以外のテラスとの違いや設置する際の注意点をあわせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
コンクリートテラスとは
コンクリートテラスとは、コンクリート打ちっぱなしの基礎部分を利用した屋外スペースです。
従来のテラスは、基礎部分のコンクリートに木材やタイル、自然石を敷いて施工します。
しかし、コンクリートテラスはあえて基礎部分のまま仕上げて、コンクリート特有の無骨な風合いを楽しみます。
家にテラスがあれば、子どもがビニールプールで遊んだり、バーベキューを楽しんだりと、さまざまな用途で使用することが可能です。
テラスを設置するべきか悩んでいる方は、コンクリートテラスの特徴を確認しておきましょう。
そもそもテラスとは
そもそもテラスとは、地面より1段高い位置に作られた屋外スペースです。
土地を盛り上げて1階の床と同程度か少し低く設計するケースが多く、屋外にあるリビングの延長スペースとして活用できます。
そのため、リビングの面積が限られている場合でも、コンクリートテラスで寛いだり食事を楽しんだりと、リラックススペースとして利用できます。
家にテラスを設置するべきか悩んでいる方は、次のポイントを確認しておきましょう。
- テラスのメリット
- テラスのデメリット
- バルコニーとベランダ・デッキとの違い
テラスのメリット
テラスのメリットは、次のとおりです。
- リビングの延長として利用できる
- 屋外スペースとして利用できる
- 家をおしゃれに見せられる
- 庭の手入れが楽になる
まずテラスは、リビングからアクセスできることが多く、第2のリビングとして活用できます。
お客さまを招いて食事する際に、大人数の場合はリビングだけでは収まらない可能性があります。
テラスがあれば、屋外まで食事の席を広げて、大人数でバーベキューやパーティーを楽しめるのです。
また花火やビニールプールなど、室内ではできないような遊びができるため、子どもの遊び場としても最適です。
テラスにテーブルやチェアを設置すれば、家におしゃれなカフェスペースを設けられます。
庭の雑草問題に悩まされる方も多いですが、テラスは床面を舗装しているため、雑草が生えるスペースを減らせます。
テラスのメンテナンスは、掃き掃除程度で十分綺麗にできるので、庭の雑草処理に比べて手入れが楽です。
テラスのデメリット
テラスのデメリットは、次のとおりです。
- メンテナンスが必要
- 周囲の環境への配慮が必要
- 素材に注意が必要
テラスは定期的に手入れしないと、スキマから雑草が生えてしまいます。
屋外に設置されているため、雨風の影響を受けて劣化しやすい特徴があります。
また、テラスは道路や近隣住宅からの視線が気になるため、プライバシーを確保する対策が必要です。
テラスでの会話やバーベキューの煙などが近隣トラブルへつながるため、騒音・悪臭問題に注意しなければなりません。
テラスに使用する素材によって、メンテナンス性やデザイン性が変わるため、手入れがしやすく家のテイストと合うものを選びましょう。
バルコニーとベランダ・デッキとの違い
テラスと混同されやすい屋外スペースとして、次のようなものがあります。
屋外スペースの種類 | 定義 |
バルコニー | 2階以上に設置される屋根がない屋外スペース。天井に設置されるケースもある |
ベランダ | 建物から外に迫り出した屋外スペース。屋根やひさしがある |
デッキ | 室内の延長として設けられる1階部分の屋外スペース。木製やタイルなどが主流 |
バルコニーは、2階以上の高さに設置される屋根がない屋外スペースです。
基本的に、ベランダと同じく建物の外に突き出している構造ですが、インナーバルコニーの場合は建物の内側に入り込んでいます。
また建物の屋上や屋根部分に設置するルーフバルコニーやスカイバルコニーもあり、広い面積を確保することも可能です。
ベランダはバルコニーに屋根やひさしがついた構造で、雨の日に洗濯物を干しても濡れる心配があまりありません。
デッキは、バルコニーと混同されやすく、庭の1階部分に基礎を設置し木製やタイルなどの床材で舗装します。
バルコニーが庭の延長として活用されるのに対して、デッキはリビングの延長として設けられるケースが多いです。
下記の記事では、バルコニーとベランダの違いを詳しく解説しているので、屋外スペースを決める際の参考としてチェックしておきましょう。
【関連記事】バルコニーとベランダの違いとは?それぞれのメリット・デメリットを解説
コンクリートテラスのメリット
コンクリートテラスのメリットは、次のとおりです。
- 設置費用が安い
- 耐久性が高い
- メンテナンスフリー
それぞれのメリットを確認して、自宅にコンクリートテラスを導入するべきか検討しましょう。
設置費用が安い
コンクリートテラスは、他のテラスに比べて設置費用が安いです。
ウッドテラスやタイルテラスでは、コンクリートの基礎部分を施工した後に、木材やタイルを敷くコストが発生します。
対して、コンクリートテラスは、基礎部分のコンクリートを剥き出しの状態で仕上げるため、上に敷く床材のコストを削減できます。
設置費用を安く抑えたい方は、コンクリートテラスがおすすめです。
耐久性が高い
コンクリートテラスは、耐久性が高く劣化しにくい特性があります。
ウッドデッキは、木材が雨風によって腐食し、定期的に補修したりペンキを塗りなおしたりとメンテナンスが必要です。
対して、コンクリートテラスは素材の耐久性が高いため、雨風の影響を受けません。
メンテナンスフリー
コンクリートテラスのメリットは、耐久性が高いだけでなくメンテナンスの手間がかからないことです。
コンクリートには傷みや腐りが起こらず、汚れを見つけたら水をかけてゴシゴシ洗うだけで、綺麗な状態を保てます。
コンクリートは吸水率が高く、雨で濡れてもすぐに乾くため、特別な手入れは必要ありません。
テラスを導入する際に、コンクリートテラスを選べば、掃除や手入れにかかる手間とコストがかかりません。
長年住んでいく中で、定期メンテナンスはコストと労力を消費するため、メンテナンスフリーの素材を選ぶことで楽に生活できます。
コンクリートテラスのデメリット
コンクリートテラスのデメリットは、次のとおりです。
- 太陽の照り返しが強い
- 乾燥や温度変化に弱い
メリットだけでなくデメリットを確認した上で、コンクリートテラスの導入を検討してください。
太陽の照り返しが強い
コンクリートテラスのデメリットは、太陽の照り返しが強いことです。
太陽熱をコンクリートが吸収するため、テラスの温度が高温になります。
またテラスに隣接している居室も、コンクリートからの強い輻射熱により、温度が上昇します。
そのため、コンクリートテラスに隣接している部屋では、冷暖房効率が低下するため注意が必要です。
乾燥や温度変化に弱い
コンクリートテラスは、乾燥や温度変化に弱いデメリットがあります。
乾燥や凍結によってコンクリートがひび割れるため、家を建てるエリアによっては、コンクリートテラスが向いていない可能性があります。
コンクリートテラスを採用する際は、乾燥や凍結のリスクを考えて、設置する方角を検討してください。
コンクリート以外のテラス3選
コンクリート以外のテラスは、主に次の3種類です。
- ウッドテラス
- タイルテラス
- ルーフテラス
それぞれの特徴を確認して、自宅にどのタイプのテラスを導入するべきか検討しましょう。
ウッドテラス
ウッドテラスは、木材で造られたテラスを指します。
木の温もりを感じられ、ナチュラルな質感でカフェのような空間を実現できます。
加工がしやすく曲線的なデザインも再現でき、タイルテラスより費用を安く抑えやすいです。
ただし、ウッドテラスは耐久性が低く、雨風によって劣化しやすいため、定期メンテナンスが欠かせません。
防腐剤や塗装を塗りなおす手間がかかるため、メンテナンスの手間を減らしたい方は、他のテラスが向いています。
タイルテラス
タイルテラスは、タイル素材で造られたテラスです。
さまざまな色彩のタイルによって、華やかでおしゃれな空間を演出できます。
ウッドテラスより耐久性が高く、メンテナンスも楽に行える点がメリットです。
しかし、日差しが強い夏場には、タイルが高温になり裸足では火傷するリスクがあります。
雨が降った後には、タイルが濡れて滑りやすくなっている点もデメリットです。
ルーフテラス
ルーフテラスは、屋根の上や屋上に造られたテラスです。
屋上部分をテラスにできるため、他のテラスより広い面積を確保できます。
ルーフテラスは、2階以上の高さになるため、開放的な空間を演出しやすいです。
バーベキューや子どものビニールプールなど、広さを活用したさまざまな用途で使用できます。
ただし、適切な防水処理を施さなければ、雨漏りの原因となるリスクがあります。
コンクリートテラスを設置する際の注意点
コンクリートテラスを設置する際の注意点は、次のとおりです。
- 防犯・プライバシー対策を実施する
- 掃除しやすい設計にする
- 災害対策をする
- 安全性を確保する
それぞれの注意点を確認して、コンクリートテラスを導入する際に対策しましょう。
防犯・プライバシー対策を実施する
コンクリートテラスは、1階部分に設置されるため周囲の家や道路から丸見えです。
テラスを経由して室内に侵入されるリスクがあるため、防犯・プライバシー対策を実施しましょう。
テラスで子どもが遊んでいると、道路に飛び出す可能性があるため、柵やフェンスを設置してください。
柵やフェンスを設置すれば、周囲からの視線を遮り、不審者の侵入を防げます。
フェンスに加えて防犯カメラを設置すれば、より防犯性を強化できます。
掃除しやすい設計にする
コンクリートテラスは、掃除しやすい設計にしましょう。
テラスは屋外に設置するため、雨風によって汚れやすいです。
掃除する際の動線を意識して、リビングや玄関からアクセスしやすい設計でテラスを設置しましょう。
また、床面に防水加工を施したり雨水が捌けやすい設計にしたりと、日々のメンテナンスが楽になる工夫を施しましょう。
災害対策をする
コンクリートテラスを設置する際は、災害対策をすることが大切です。
地震の際には、テラスがひび割れたり屋根が破損したりするリスクがあります。
台風の際には、テラスに置いているテーブルやチェアが飛ばされるリスクがあるため、対策が必要です。
テラスに隣接する窓ガラスをフェンスで補強し、家の前を通行する人に危害が加わらないようにテラスの設計を工夫しましょう。
安全性を確保する
コンクリートテラスを設置する際は、安全性を確保する必要があります。
特に子どもがいる家庭では、テラスから足を踏み外して転落したり、道路に飛び出したりと事故のリスクが高いです。
柵やフェンスで転落しないよう対策したり、怪我をしないよう庭に芝生を敷いたりと、安全性を確保しましょう。
メンテナンスフリーのコンクリートテラスでスタイリッシュな空間を
コンクリートテラスを導入すれば、庭にスタイリッシュな屋外スペースを設けられます。
ウッドテラスのように床面が腐食する心配がなく、メンテナンスフリーで使用できるため、日々の手入れを楽にしたい方におすすめです。
またウッドテラスやタイルテラスに比べて、設置費用が安く抑えられます。
ただし、太陽熱を吸収しやすいため、夏場はテラスが高温になりやすいです。
テラスに隣接する部屋まで照り返しの熱が伝わるため、冷暖房効率が低下します。
コンクリートは、乾燥や温度変化に弱いため、家を建てるエリアによってはコンクリートテラスではなく、他のテラスが向いています。
コンクリートテラスのメリットとデメリットを理解した上で、自宅に導入するべきか検討しましょう。