新住協とは?Q1.0住宅など高断熱住宅建築に役立つ技術・情報を解説
クオホームの本田です。
今回は「新住協」についてお話していきます。
建築業界には「全国建設業協会」や「日本建築協会」「日本建設業連合会」など様ざまな団体があります。
中でも新住協は多くの工務店が所属しており、名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
実は姫路エリアで工務店を営む弊社クオホームも、新住協の会員です。
新住協とは何かと言いますと、一言でいうと「超省エネの高断熱住宅を目指しましょう」という団体です。
これから家を建てる人、建て替えする人は、省エネ基準の底上げによって今後「省エネ」「高断熱」という性能は避けて通れなくなってくるでしょう。
そういった意味でも、新築検討している人はぜひ読んで参考にしてください。
また次の動画では、断熱材の話以外に「新住協がどのような団体か?」についても触れていますので、時間がある方はぜひ視聴してみてください。
YouTuber:新住協はグラスウールの断熱材がオススメなのですか?
新住協とは?
新住協とは、仙台に本部を置く民間の高断熱技術研究機関です。正式名称は「⼀般社団法⼈ 新⽊造住宅技術研究協議会」で短縮して「新住協」と呼ばれています。
といっても、なんのことかさっぱりわからないですよね。
簡単に言うと、新住協は、従来の半分以下の燃費で暮らせる「超省エネの高断熱住宅」を目指している団体です。
この超省エネの高断熱住宅=「Q1.0住宅」と呼んでいるのですが、また詳しくは後述します。
新住協のホームページでは、燃費を半分以下に抑えるために、エネルギー効率が良い高断熱住宅建築に関する技術・情報を開示しています。
日本には「全国建設業協会」や「日本建築協会」など多くの建設業団体がありますが、組織内だけで技術や理念を共有している団体がほとんどです。
しかし、新住協は多くの人々に技術や情報を知ってもらうために、組織内だけでなくオープンに情報開示をしています。
新住協の技術開発
新住協は、高断熱住宅建築に役立つ技術を開発しています。代表的な新住協の技術開発を4つ紹介しますので、それぞれの概要を確認しておきましょう。
新住協が開発した4つの技術は、次の通りです。
- 新在来木造構法
- Q1.0住宅
- QPEX
- 耐震断熱同時改修
それぞれの技術を把握して、高断熱住宅建築に役立ててみてください。
新在来木造構法
新在来木造構法とは、室温を外に逃がしにくい「断熱性能が高い構法」で、1984年に室蘭工業大学の助教授「鎌田紀彦」先生が開発しました。
まず従来の在来木造構法の話をすると、気密性を確保することが難しい構造になっています。
というのも、壁内に隙間が生じて空気が自由に移動するため、空調機器で管理した室温が室外に逃げてしまうからです。
下の画像が従来の在来木造構法です。丸で囲ってる部分が、空気が抜けてる箇所になります。
上の様な構造だと、室内の断熱性を確保できず、冷暖房の効きが悪い住宅になります。
次に、新在来木造構法です。
新在来木造構法では、壁の上下に気流止めを設置して空気の流れを抑止できます。(画像、丸の部分)
壁の中で空気が流れない構造を作り上げることで、壁内の結露や室温の漏れを防止可能です。
新在来木造構法であれば、隙間風や結露による木材の腐食を防いで、断熱性が高く長持ちする家を建てられます。
Q1.0(キューワン)住宅
Q1.0 (キューワン)住宅とは「超省エネの高断熱住宅」のことです。
具体的には、従来の半分の燃費で快適な室温を保てる高断熱高気密住宅を指します。
「Q1.0 」というのは、家からどれくらいの熱量が室外に逃げているのかを測定する「熱損失係数=Q値」のこと指していて、北海道の高断熱住宅の暖房エネルギー消費を半分以下に抑えようとしたときに、Q値が1.0前後になりますよ、ということからQ1.0住宅と名付けられました。
具体的な性能・構造で言うと、断熱性能を向上させるため、断熱材を厚くして窓の気密性・断熱性を高めて、日光熱を取り入れやすい窓を採用しています。
壁や窓から熱が逃げない工夫をして、日光熱を取り入れやすい窓を採用することで、冬でも暖かい室温を維持できるのです。
また、暖房だけでなく冷房の消費エネルギーを半分にできるよう、高断熱・高気密に特化した住宅を建築します。
Q1.0住宅は、最小限の空調機器で快適な生活を実現できるため、消費エネルギー量を半分以下に抑えられる「省エネ住宅」です。
QPEX
QPEX(キューペックス)は、住宅の設計・立地・外気温や日射量を基に、住宅の熱性能を計算するツールです。
全国864地点の拠点から得た気象データを基に、精密なシミュレーションを行って住宅の熱性能を計算できます。
QPEXで外皮性能・消費エネルギーを計算する際には、次の項目をもとに算出しています。
- 住宅エリア、工法、立地条件、断熱方法
- 平面、立面など各部位の面積
- 天井・壁・床・土間床の材料、厚み
- 開口部のサイズ、窓・ガラスの種類
新住協に加入している工務店であれば、QPEXを設計ツールとして使っている可能性もありますので、気になる場合は聞いてみるといいでしょう。
耐震断熱同時改修
新住協では断熱性能を上げるために、高性能GW(グラスウール)を圧縮して壁内に設置します。※断熱構成は会社によって異なりますので各自ご確認ください!
部屋の壁の中に気流止めとして断熱材を補填することで、同時に耐震性能を上げることが可能です。
改修リフォームで住宅の断熱性を高めるためには、壁を壊して断熱性の厚みを増やします。
壁を壊さずに断熱性を高めたい場合は、床や天井に断熱性を補填しなければなりません。
断熱性能と耐震性能を同時に向上させる改修リフォームは、作業を行う職人の技術が求められます。
豊富な経験を積んだ新住協会員であれば、耐震断熱同時改修が可能です。
新住協の会員数と支部情報
新住協には全国で800社以上の工務店・設計事務所が会員登録しています。
弊社クオホームも新住協の会員で、高断熱高気密住宅を推奨している工務店です。
会員同士では、断熱性能を高める技術・情報を共有しているため、より高い技術を習得できます。
新住協は、北海道や東北など寒冷地を中心に、活動の幅を広げてきました。現在では北は北海道、南は九州まで支部が存在します。
新住協の支部は、以下の通りです。
- 札幌支部
- 旭川支部
- 函館支部
- 胆振支部
- 十勝支部
- 北海道その他
- 青森支部
- 岩手支部
- 秋田支部
- 宮城支部
- 山形支部
- 福島支部
- 新潟支部
- 長野支部
- 関東支部
- 東京支部
- 中部東海支部
- 関西支部
- 中四国九州支部
参考:新住協|新住協会員
クオホームは、関西支部の会員として姫路エリアで工務店を営んでいます。
新住協会員の技術で住宅を建てたい方は、支店情報から近くの工務店を探してみてください。
新住協が目指すQ1.0住宅を建てるメリット
新住協が目指すQ1.0住宅を建てると、次の3つのメリットを得られます。
- 年中快適な生活ができる
- ヒートショックを防げる
- 光熱費を節約できる
それぞれのメリットを確認して、Q1.0住宅建設を検討してみてください。
年中快適な生活ができる
高断熱高気密住宅であるQ1.0住宅は、冷暖房の効率があがります。
冬は暖かく夏は涼しい室温を保つため、年中快適な生活ができます。
壁や天井・床に気流止めの断熱材を設置することで、室内の空気を逃しません。
冬に暖房とストーブ、ホットカーペットなどさまざまな暖房器具を駆使する寒冷地方でも、最小限の空調設備で家全体を快適な気温にできます。
夏も同様にエアコンの冷気を逃さず、家全体を涼しい気温に保てるため快適です。
年中快適な気温で生活したい方は、Q1.0住宅の建設を検討してみましょう。
ヒートショックを防げる
Q1.0住宅を建てれば、冬のヒートショックを防げます。
ヒートショックとは、部屋を移動する際の温度差によって、心筋梗塞や脳梗塞が起きる現象です。また、血圧低下によるめまいからの転倒リスクもあります。
暖かい部屋から寒い脱衣所に移動した際などに、ヒートショックが起きるリスクが生じます。
特に高齢者や心臓の悪い方が暮らす世帯では、ヒートショックの予防が必要です。
断熱性能が高いQ1.0住宅であれば、家中の気温を快適に保てるため、ヒートショックを防げます。
冬場にヒートショックによる事故を防ぐために、Q1.0住宅を検討してみてはいかでしょうか。
光熱費を節約できる
Q1.0住宅を建てることで、光熱費の節約が期待できます。
断熱性・気密性が高いQ1.0住宅では、最小限の空調設備で室温をコントロールできるため、電気代を削減可能です。
ストーブやホットカーペット、扇風機など冷暖房以外の空調機器を使えば、更に光熱費は高額になります。
近年、ウクライナとロシアの戦争によって燃料費が高騰し、国内の電力不足が続いている日本では、光熱費はどんどん上昇しています。
暮らしにかかる固定費を削減するために、光熱費の節約が必要です。
最小限のエネルギー消費で快適な生活ができるQ1.0住宅は、現在の電力不足問題を解消する打開策となります。
耐震断熱共に水準以上の家
クオホームは、耐震・断熱性能ともに水準以上のレベルを担保しています。
次世代省エネルギー基準で断熱等級4のレベルですが、クオホームでは断熱等級6のHEAT20のG2グレード相当の断熱性能を担保している住宅ばかりです。
断熱等級には1〜7までレベルがあり、数字が大きくなるほど断熱性能が高くなります。
断熱等級 | 等級別の断熱性能目安 |
等級7 | HEAT20のG3グレードと同程度の断熱性能。冷暖房にかかるエネルギー消費を40%カットできるレベル |
等級6 | HEAT20のG2グレードと同程度の断熱性能。冷暖房にかかるエネルギー消費を30%カットできるレベル |
等級5 | エネルギー収支をゼロにする「ZEH」基準と同程度の断熱性能。 |
等級4 | 次世代省エネルギー基準の断熱性能。壁や天井・床だけでなく窓も断熱材を使用しているレベル |
等級3 | 新省エネルギー基準の断熱性能。一定水準の断熱性能があるレベル |
等級2 | 旧省エネルギー基準の断熱性能。冬は寒く感じるレベル |
等級1 | 上記以外の断熱性能。省エネ・断熱性能ともに低い |
※参考:国土交通省|住宅性能表示制度の省エネ上位等級の創設
また、耐震性能も建築基準法で定められている耐震等級1より1.5倍の性能を持つ耐震等級3を備えています。
プランにより変動はありますが、クオホームが建てる家は耐震耐熱共に水準以上のレベルを推奨していますので、安心して快適に暮らせる住まいを建築可能です。
姫路エリアで、新住協が目指す高断熱住宅建築に興味がある方は、クオホームに相談してください。
姫路エリアで新住協会員の工務店を探しているならクオホームにお任せ!
本記事で解説した新住協についてまとめますと
- 新住協は「⼀般社団法⼈ 新⽊造住宅技術研究協議会」という、高断熱技術研究機関。
- 建築業の工務店や設計事務所が800社以上加盟しており、全国に支店を持っている。
- 従来の半分以下の燃費で暮らせる「Q1.0住宅」を目指して、断熱技術・情報をオープンに開示して共有している。
- 新在来木造構法やQ1.0住宅、QPEXなど新住協が開発した技術により、冬でも暖かく夏には涼しい高断熱高気密住宅を建築可能。
新住協が目指すQ1.0住宅を建てることで、年中快適な生活が送れるだけでなく、光熱費の削減も期待できます。また、冬場に発生するヒートショックを予防できるため、高齢者や心臓が弱い方が暮らす環境にも適しています。
新住協だけでなく、高気密高断熱・省エネ・エコ住宅は、今後の国内における建築基準においてとても重要なポイントとなってきます。
「【2025年以降に家を建てる人はチェック】高気密・高断熱が義務の時代に」の記事でも解説していますが、今から新築検討されるのであれば、一定基準の高気密高断熱が義務になってきます。
クオホームは姫路エリアで工務店を営む新住協会員です。新住協の高断熱技術を活用して、高断熱高気密住宅を提供しています。
姫路エリアで住宅建築を検討している方は、ぜひクオホームにご相談ください。
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