サイディングのメリット・デメリットとは?新築を建てる際の外壁選びのポイント
住宅の外壁素材として、広く使用されているサイディング。
サイディングがよく使われる理由には、初期費用の安さや工期の短さなど、さまざまなメリットが関係しています。
反対にサイディングを使うことで生じるデメリットも存在するため、新築住宅を建てる際には、メリット・デメリットを把握しておくことが大切です。
これから家を建てる方は、サイディングのメリット・デメリットを理解して、自分に合った外壁を選びましょう。
この記事では、サイディングのメリット・デメリットについて詳しく紹介します。
住宅に使う外壁選びのポイントを合わせて解説しますので、家を建てる際のの参考にしてみてください。
また、時間がある方は下記の住宅建設のプロがおすすめする外壁について解説した動画をご視聴ください。
YouTube:推奨する外壁材はこれ。
サイディングを使うメリット
家を建てる際に、サイディングを使って外壁を施工する方は多いです。サイディングを使うメリットには以下のようなものがあります。
- 初期費用が安い
- 防火性が高い
- 工期が短い
- 一定の施工水準を保てる
初期費用が安い
サイディングは、他の外壁素材と比べて初期費用が安いメリットがあります。
特に窯業系サイディングや金属系サイディングは、材料費が安いです。
種類別のサイディング価格相場を、下記にまとめましたので外壁選びの参考にしてみてください。
サイディングの種類 | 価格相場(1㎡あたり) |
窯業系サイディング | 3,000円〜10,000円 |
金属系サイディング | 4,000円〜10,000円 |
木質系サイディング | 5,000円〜9,000円 |
樹脂系サイディング | 7,000〜10,000円 |
デザインによって価格相場は変動しますが、木質系サイディングや樹脂系サイディングは少し初期費用が高くなりやすいです。
なお、上記はあくまで価格の目安となるため、詳しい施工費用は工務店やハウスメーカーに見積もり依頼をしてください。
防火性が高い
サイディングを使うメリットは、防火性の高さが挙げられます。
特に窯業系サイディングや金属系サイディングは防火性が高いため、多くの住宅に使用されています。
長く暮らす家は防火性が高い素材で、建てたいものでしょう。
しかし、木質系サイディングは原料が木材なので、防火性が低く燃えやすい外壁素材です。
サイディングを選ぶ際に防火性を重視するなら、窯業系サイディングや金属系サイディングを使用しましょう。
工期が短い
サイディングは、他の外壁素材に比べて工期が短いです。
サイディングは、工場で製造されたパネルや板材を、現場で組み合わせながら施工していきます。
モルタル外壁や漆喰壁のように、コテで全面に塗り固める外壁に比べると、サイディングの方が工期が短いです。
サイディングが日本でトップシェアを誇る外壁素材である理由には、価格の安さと工期の短さが大きく関係しています。
一定の施工水準を保てる
サイディングは、職人の腕に関わらず一定の施工水準を保てる外壁素材です。
モルタル外壁や漆喰壁のような湿式工法で施工する外壁は、職人の腕によって仕上がりが大きく変わります。
しかし、サイディングのような乾式工法で施工する外壁は、既に作られた板材を貼り付けるだけなので、仕上がりが職人の腕に左右されません。
誰が施工しても一定水準の仕上がりを担保できるため、サイディングを使用する方が多いです。
サイディングを使うデメリット
サイディングは優れた外壁素材なので、国内でトップシェアを獲得しています。しかし、サイディングにはメリットだけでなく、デメリットも存在することを理解しておかなければいけません。
これから家を建てる人は、次のサイディングを使うデメリットを確認しておきましょう。
- つなぎ目が生じる
- メンテナンス費用がかかる
- 防水性が低い
- 個性あるデザインが出しにくい
つなぎ目が生じる
サイディングは、板材を組み合わせて外壁を仕上げるため、板と板の間につなぎ目が生じます。
つなぎ目があると家の気密性や防水性が低くなるため、シーリングを施さなければいけません。
特に窯業系サイディングや金属系サイディングは、つなぎ目が目立ちやすいです。
つなぎ目が気になる方は、タイル調やレンガ調のようにつなぎ目が目立たないデザインのサイディングを選ぶようにしましょう。
また、サイディング以外のつなぎ目が生じにくい外壁素材を選ぶことも、検討してみてください。
メンテナンス費用がかかる
サイディングは、初期費用が安いですがメンテナンス費用がかかるデメリットがあります。
サイディング自体は、約20年から40年ほどの耐用年数があるため、長く使用できる外壁素材です。
しかし、サイディングは表面の塗装やつなぎ目のシーリングをメンテナンスする必要があるため、定期的なメンテナンス費用がかかります。
サイディングのメンテナンス費用目安は、次の通りです。
- 外壁塗装費用 約1,700~5,500円/㎡
- 高圧洗浄費用 約200円〜500円/㎡
- 養生費用 約250円〜500円/㎡
- コーキング打ち替え費用 約900円〜1,200円/㎡
- コーキング増し打ち費用 約500円〜900円/㎡
サイディングのメンテナンス内容や修繕範囲によって費用は変わりますが、サイディングの部分張り替えで約10万円〜30万円、コーキングの打ち替えで約15万円〜20万円かかります。場合によっては100万円以上かかるケースも。
目安として10年に1度はメンテナンスをしなければいけないサイディングは、ランニングコストが高いです。
外壁を選ぶ際には初期費用だけでなく、長く住むことを想定してランニングコストを視野に入れておきましょう。
防水性が低い
サイディングは、基本的に防水性能がない外壁素材です。
防水性能を高めるために、サイディングの表面を塗装したりつなぎ目をシーリングで補強しています。
サイディングは雨風にさらされることで、塗装が剥がれてシーリングが劣化していくものです。
塗装やシーリングが劣化した場合、雨漏りや浸水のリスクが生じるため迅速なメンテナンスが必要になります。
サイディングを使う際には、防水性能が低いことを理解して、防水加工を施しておきましょう。
また、防水性能が高い他の外壁素材を使用することも、検討してみてください。
個性あるデザインが出しにくい
サイディングは個性あるデザインは出しにくい外壁素材です。
日本の住宅で多く使用されるサイディングは、どこも同じようなデザイン・雰囲気になりやすい特徴があります。
漆喰や焼杉など個性溢れる外壁素材で仕上げた住宅に比べると、どうしてもおしゃれ感やこだわりの雰囲気には欠けてしまうでしょう。
高級感を演出したい、おしゃれな家を建てたいと考えている方は、サイディング以外のこだわり抜いた外壁素材で家を建てましょう。
サイディングの種類別にメリット・デメリットを比較してみる
サイディングには、大きく分けて4つの種類があります。
- 窯業系サイディング
- 金属系サイディング
- 木質系サイディング
- 樹脂系サイディング
それぞれサイディングの種類によって、メリット・デメリットが異なります。サイディングの種類別のメリット・デメリットを確認して、自分に合った外壁を選びましょう。
窯業系サイディングのメリット・デメリット
窯業系サイディングには、次のメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
バリエーションが豊富 | 防水性が無い |
メンテナンスがしやすい | シーリングが劣化しやすい |
コストパフォーマンスが優れている | |
防火性が高い |
窯業系サイディングの最大のメリットは、バリエーションが豊富なことです。タイル調やレンガ調、カラーバリエーションも多く、自分好みの雰囲気で外壁を仕上げられます。
また、他のサイディング素材に比べて価格が安く、メンテナンスもしやすいです。防火性も高いため、火災が心配の方も安心して使用できます。
しかし、窯業系サイディングには防火性が無いため、表面を塗装したりシーリングで補強したりと、補強作業が必要です。すきまが生まれやすく、シーリングが劣化しやすいため定期的なメンテナンスが求められます。
窯業系サイディングを採用する際には、定期メンテナンスの手間と費用を想定しておきましょう。
金属系サイディングのメリット・デメリット
金属系サイディングのメリット・デメリットは、次の通りです。
メリット | デメリット |
断熱性が高い | 傷がつきやすい |
凍害に強い | サビが発生する |
耐震性が高い | 塩害の影響を受けやすい |
コストパフォーマンスが優れている |
金属系サイディングは、断熱性・耐震性が高い外壁素材です。寒さにも強いため、凍害が心配されるエリアにも向いています。
また、窯業系サイディングの次に価格が安いサイディングで、コストパフォーマンスが優れている点もメリットです。
しかし、金属系サイディングは、強い衝撃を受けると凹んだり傷がついたりと、破損・損傷する可能性があります。
また、ステンレスやアルミなどの金属を原料としているため、サビが発生しやすいです。海辺のエリアであれば、塩分が外壁に付着して劣化する「塩害」の影響を受けやすく、定期的なメンテナンスが求められます。
金属系サイディングを採用する際には、サビや傷に気をつけて定期的にメンテナンスを行いましょう。
木質系サイディングのメリット・デメリット
木質系サイディングのメリット・デメリットは、次の通りです。
メリット | デメリット |
木特有のぬくもりを感じられる | 耐火性能が低い |
断熱性が高い | 吸水性が高く、汚れやすい |
木質系サイディングを使う最大のメリットは、木特有のぬくもりを感じられることです。天然素材である木質系サイディングを使えば、ナチュラルテイストの家やモダンテイストの家など、暖かい雰囲気で家を建てられます。
また、木質系サイディングは断熱性が高い外壁です。そのため、冷暖房効率をアップさせて、省エネ効果や光熱費の削減が期待できます。
しかし、原料が木である木質系サイディングは、火に弱く水を吸いやすい特性があります。木質系サイディングは耐火性能が低く、汚れや湿気を吸水しやすいデメリットがある外壁です。
木質系サイディングを使って家を建てる際には、定期的なメンテナンスを行って修繕しなければいけないことを理解しておきましょう。
樹脂系サイディング・メリット・デメリット
樹脂系サイディング・メリット・デメリットは、次の通りです。
メリット | デメリット |
素材が軽く、耐震性・施工性が高い | 他のサイディング素材に比べて価格が高い |
シーリングを使わないため、メンテナンスが楽 | 防火性が弱い |
防水性能が高い | 遮音性が弱い |
断熱性が弱い | |
バリエーションが少ない |
樹脂系サイディングは素材が軽いため、施工しやすいメリットがあります。更に耐震性と防水性能も優れており、長く暮らす際に安心できる外壁です。
また、シーリングを使わずに施工できるため、シーリングの張り替えや増し打ちなどのメンテナンス費用がかかりません。
しかし、樹脂系サイディングは、他のサイディングに比べて普及率が低い素材です。そのため、樹脂系サイディングを取り扱っている業者が少なく、外壁素材が足りていないデメリットがあります。
樹脂系サイディング自体のロット数が少ないため、他のサイディング素材より価格が高く、バリエーションが少ないです。
また、防火性・遮音性・断熱性が弱いため、住宅街など隣家との間が狭いエリアでは、使用を検討しなければなりません。
樹脂系サイディングを使用したい際には、取り扱っている業者を探して、予算に合った建築プランを立ててみてください。
外壁を選ぶ際のポイント
外壁を選ぶ際には、初期費用だけでなく、ランニングコストも想定しておくことが大切です。初期費用が安くても、ランニングコストが高ければトータルの出費が多くなります。
家は長年住むものなので、長期的な観点で費用を想定しておきましょう。
また、費用だけでなくメンテナンスのしやすさを重視して、外壁を選んでください。メンテナンスがしにくい外壁を選ぶと、メンテナンスの度に手間と費用がかかります。
簡単な清掃だけでメンテナンスが完了する外壁であれば、業者を呼ぶ手間や費用がかかりません。
また、外壁は家の顔となるため、自分好みの雰囲気に合った外壁素材を選ぶことが大切です。
サイディングは日本で広く普及している外壁素材ですが、他の家とは異なるこだわりや雰囲気が欲しい方は、別の外壁素材も検討してみてください。
メンテナンスフリーで、使用できる外壁素材として「そとん壁」や「天龍焼杉」「ガルバリウム」などがおすすめです。
どれもサイディングにはない風合いや雰囲気を演出できるため、他の家にはないこだわりのマイホームを建てられます。
弊社、クオホームでは、そとん壁や天龍焼杉・ガルバリウムなどを使った外壁施工が可能です。
他にも杉板などの天然素材も扱っていますので、サイディング以外の外壁を使用したい方はお問い合わせください。
外壁はランニングコストを想定して「長持ちする」家を建てよう
サイディングは初期費用の安さや工期の短さなど、さまざまなメリットがある外壁素材です。一方でメンテナンス費用がかかったり、つなぎ目が生じたりとさまざまなデメリットも発生します。
サイディングにはさまざまな種類がありますが、どれも定期的なメンテナンスが必要となる外壁です。そのため、初期費用だけでなくランニングコストを想定して、外壁を選びましょう。
ランニングコストをふまえて、長持ちする家を建てるには、クオホームが推奨する次の外壁がおすすめです。
- そとん壁
- 天龍焼杉
- ガルバリウム
- 杉板
それぞれサイディングにはない雰囲気と特性で、こだわりの家を建てられます。また、杉板以外の外壁は、メンテナンスフリーで使用できるため、ランニングコストがほとんどかかりません。
杉板は天然素材なので、カビや腐食などをメンテナンスする必要がありますが、人工外壁であるサイディングよりリーズナブルな価格で張り替えが可能です。
新築を建てたい方は、クオホームが推奨する4つの外壁を検討してみてください。姫路エリアで家を建てたい方は、クオホームにご相談いただければ、おすすめの外壁を使った家を提案させていただきます。