絶対湿度とは?相対湿度との違いや湿度変化について徹底解説!早見表も

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空気中の水分を表す指標として、絶対湿度と相対湿度があります。

  • 絶対湿度…空気中に含まれる水蒸気量
  • 相対湿度…空気中に含まれる水蒸気割合

どちらも空気の湿気を表す指標ですが、絶対湿度と相対湿度は異なるものです。

空気中の湿気を適切に調整して、快適に暮らすために絶対湿度と相対湿度の関係性を理解しておきましょう。

そこで本記事では、絶対湿度と相対湿度の違いについて詳しく解説します。

近年の湿度変化や湿度を調整する方法や早見表なども併せて解説しますので、最後まで読んでみてください。

絶対湿度と相対湿度の違いとは?

絶対湿度を説明する上で、混合されやすい相対湿度との違いを理解しておくことが大切です。

絶対湿度と相対湿度の違いを把握して、湿度について理解を深めておきましょう。

相対湿度とは?

相対湿度とは、空気中に含まれる水蒸気割合を指します。
空気は気温によって含める水分量が決まっており、飽和水蒸気量を超えると結露となって空気中の水分が露出します。

相対湿度100%の状態では、これ以上空気中に水分を含めない状態です。相対湿度が低いほどカラッと乾いた空気になり、相対湿度が高いほどジメジメした湿気を感じます。

相対湿度は次の計算式で求めます。

 相対湿度の計算式
相対湿度(%RH)=ある温度の空気に含まれている水蒸気分圧(Pw)/ある温度の空気に含める最大水蒸気分圧(Pws)×100

なお「RH」は相対湿度の英語表記「relative humidity」を添えており、ただ「%」で表記されるケースもあります。

絶対湿度とは?

絶対湿度とは、空気中に含まれる水蒸気量を指します。

1㎥の正方形の空気中、つまり空気1kgに対する水分量が絶対湿度です。

空気中の湿気を測定するために、乾いた空気1kgに対して水蒸気量が何kgになるのかを「kg/kg」で表します。

絶対湿度の計算式
絶対湿度(kg/kg)=水蒸気の質量(X)/乾いた空気1kg

絶対湿度は空気中に含まれる水蒸気の量を示しており、水蒸気の質量を「X」として1kg分の乾いた空気で割って求められます。

相対湿度と絶対温度の関係性

相対湿度は空気の温度が高くなるほど低下し、反対に温度が低くなるほど相対湿度は高くなります

なぜなら、相対湿度は空気中に含める水蒸気の割合(飽和水蒸気量)が関係するため、温度変化によって変動するものだからです。

対して、絶対温度は空気の温度が変化しても変わらず、常に一定の水蒸気量を維持します。
絶対温度は空気中に含まれている水蒸気量を表しているため、飽和水蒸気量や空気の温度は関係ありません。

湿度について正しく理解しておくために、相対湿度と絶対湿度の関係性を把握しておいてください。

相対湿度の早見表

絶対湿度と空気中の温度がわかれば、相対湿度が判明します。

絶対湿度と空気の温度から、相対湿度を算出した「相対湿度の早見表」をチェックしておきましょう。

空気の温度 絶対湿度(kg/kg)
0.002 0.004 0.006 0.008
0度 50% 100%
5度 38% 72%
10度 26% 52% 79%
15度 19% 37% 56% 75%
20度 14% 27% 40% 55%
25度 10% 20% 30% 40%
30度 8% 15% 23% 30%

空気の温度が0度の場合は、絶対湿度が0.004kg/kgとなり、相対湿度は100%です。そのため、温度0度で絶対湿度0.06以上の場合は、相対湿度が100%を超えて結露が発生します。

相対湿度の早見表を参考にして、絶対湿度と空気中の温度との関係性を確認しておきましょう。

湿度変化の傾向

気象庁が公表している「平均相対湿度の長期変化傾向」によると、都市化が進んだことにより都市部の相対湿度は年々変化しています。

都市化・地球温暖化により空気温度が高くなっているため、都市部の相対湿度が低くなっているのです。

国内主要都市の統計値が揃う1927年から2022年までの、約100年間の都市部の平均湿度変化指数は次の通りでした。

場所 都市化率(%) 平均相対湿度変化率(%/100年)
札幌 71.9 −11.8 −10.7 −12.2 −10.3 −14.0
仙台 74.4 −8.0 −9.2 −9.0 −5.7 −8.3
横浜 56.0 −11.9 −16.2 −11.4 −8.0 −17.0
名古屋 88.5 −15.7 −15.6 −17.0 −13.4 −14.6
京都 63.1 −14.2 −13.2 −15.8 −12.5 −14.6
福岡 67.7 −13.5 −13.6 −15.4 −10.4 −14.6
13地点平均 16.7 −5.0 −4.9 −6.2 −4.2 −4.7

引用元|気象庁:平均相対湿度の長期変化傾向

平均相対温度変化率を確認すると、名古屋や京都・福岡などの都市部ほど相対温度の変化が大きいです。

今後都市開発が進むにつれて、相対温度はさらに変化していくでしょう。

空気線図で絶対湿度・相対湿度を確認できる

参照:千葉大学園芸学部 林真紀夫「湿り空気線図の使い方」

空気線図とは、水蒸気を含んだ空気(湿り空気)の状態値を表した線図のことです。空気線図は、湿り空気線図や湿度線図とも呼ばれます。

千葉大学園芸学部の林真紀夫が公表した論文「湿り空気線図の使い方」で空気線図の使い方が解説されています。

参照:千葉大学園芸学部 林真紀夫「湿り空気線図の使い方」

上記の図のように、空気線図を使えば相対湿度や絶対湿度を確認できます。空気線図の詳しい読み取り方を知りたい方は、上記の論文を参考に読んでみましょう。

エアコンで設定すべき絶対湿度は?

絶対湿度と相対湿度の違いを理解しても「日常生活でどのように生かすべきか」疑問に思う方もいるでしょう。

実は絶対湿度はエアコンで設定できるケースがあり、快適に感じる絶対湿度を把握しておくと生活に役立ちます。

日常生活で快適に感じる絶対湿度の目安について解説しますので、エアコンで適切な絶対湿度を設定しましょう。

エアコンによっては相対湿度・絶対湿度を確認できる

エアコンによっては、相対湿度・絶対湿度をリモコンから確認できます。すべてのエアコンに搭載されている機能ではありませんが、温度や湿度の表記の他に「絶対湿度」や「相対湿度」「乾燥指数」が表示されるリモコンが存在します。

そのため、相対湿度・絶対湿度を確認できるリモコンを使えば、エアコンで快適に感じる相対湿度・絶対湿度を設定できるのです。

日常生活を快適な湿度で過ごすために、人が快適に感じる絶対湿度・相対湿度を確認しておきましょう。

快適に感じる絶対湿度

人が快適に感じる絶対湿度は、11g/㎥〜16g/㎥程度です。

  • 絶対湿度が11g/㎥以下の環境では乾燥を感じて、肌荒れやカサつきが起こりやすくなります。
  • 絶対湿度が16g/㎥以上になると湿気を感じて、結露やカビが発生しやすいです。

乾燥や湿気を防いで快適に過ごすには、絶対湿度11g/㎥〜16g/㎥に調整すると快適に感じます。

快適に感じる相対湿度

人が快適に感じる相対湿度は、45〜55%程度です。相対湿度50%以下を目安に、エアコンを設定しておけば快適に過ごしやすくなります。

しかし相対湿度は下げれば快適に感じるものでもなく、適度な湿気がなければ乾燥を感じてしまいます。例えば相対湿度40%以下では肌の乾燥を感じて、カサつきや痛み・張りを感じて不快です。

反対に相対湿度が60%以上の高湿度だと汗が乾きにくく、結露が発生しカビが繁殖しやすくなります。

相対湿度45〜55%程度を目安に設定しておけば、乾燥や湿気を感じずに快適に過ごせます。

絶対湿度が低いとインフルエンザリスクが増加する

実は絶対湿度が低いと、インフルエンザリスクが増加してしまいます。簡単に言うと、乾燥している時期はインフルエンザになりやすい、つまり冬にかかりやすいというわけです。

インフルエンザウイルスが空気中に放出してから6時間後の生存率は、絶対湿度によって次のように変動します。

絶対湿度 インフルエンザの生存率
17g/㎥ 生存はない
11g/㎥ 5%が生存する
7g/㎥ 20%が生存する
5g/㎥ 50%(35〜66%)が生存する

参照:株式会社エー・アンド・ディー|季節性インフルエンザの流行と絶対湿度との関係について

なお、絶対湿度から空気の乾燥状態・インフルエンザの流行の関係性は、次の通りです。

インフルエンザ対策の目安 温度基準
絶対湿度(乾燥指数)
空気の乾燥状態 空気の乾燥状態とインフルエンザの流行
警戒 7g/㎥以下 乾燥 空気が乾燥して、インフルエンザが流行しやすい状態
注意 7g/㎥〜11g/㎥以下 やや乾燥 空気が乾燥してきて、インフルエンザが流行できる状態
ほぼ安全 11g/㎥〜17g/㎥以下 湿潤 空気が湿っていて、インフルエンザが流行しにくい状態
ほぼ安全 17g/㎥を超える 非常に湿潤 空気が大変湿っていて、インフルエンザの流行が非常にしにくい状態

参照:株式会社エー・アンド・ディー|季節性インフルエンザの流行と絶対湿度との関係について

絶対湿度が低いと空気が乾燥して、インフルエンザが流行しやすくなります。絶対湿度が17g/㎥を超えた場合は、インフルエンザウイルスが生存できない状態で、流行しにくいです。

そのため、湿気を除湿して絶対湿度を上げれば、インフルエンザリスクを軽減できます。下記の記事では、適切なエアコン除湿温度の設定について解説していますので、除湿して快適な空間に調整するため、ぜひ読んでみてください。

【関連記事】エアコン除湿温度の適正設定とは?快適に感じる湿度・温度を徹底解説!

エアコンで湿度を調整するには除湿機能を活用する

先ほど説明した通り、エアコンで絶対湿度を調整すれば、快適でウイルスが生存しにくい環境をつくれます。

エアコンで湿度を調整するには、除湿機能を活用しましょう。適切に絶対湿度を調整するためには、エアコンの冷房と除湿の機能を正しく理解しておくことが大切です。

冷房と除湿の機能をそれぞれ解説しますので、除湿機能を活用して絶対湿度を調整しましょう。

冷房は室温を下げる際に使う機能

冷房は室内の温度を下げる際に使う機能です。冷房は、冷媒と呼ばれる物質を使用して、室内の熱を圧縮・冷却し、蒸発と凝縮のサイクルを繰り返して、熱交換器と呼ばれるアルミが何層にも重なったフィンへ移動します。

熱交換器を通ることで熱が冷やされ、冷たい空気が室内へ送り込まれる仕組みです。

冷房により、室内の熱気が取り除かれ、涼しい空気が循環することで快適な環境を作り出せます。

また冷房は空気を冷やす過程で、室内の湿気を取り除く除湿効果を発揮しますが、冷房だけで完全に除湿することは難しいです。

冷房はあくまで室内の空気を冷やしたい際に活用しましょう。

除湿は湿気を取り除く際に使う機能

除湿は、湿気を取り除く際に使う機能です。除湿は、エアコン内の冷却コイルに空気を通して、空気中の水蒸気が凝結し水として取り除きます。

さらに熱交換器で熱を奪って空気中の水分を取り除くため、除湿を使うと冷えた空気が室内に送り込まれます

そのため、除湿は湿度を下げるとともに涼しい空気を室内に送り込むため、冷房と混合されやすいです。しかし、除湿は湿度を下げることに特化しており、温度の調整は直接的な目的ではありません。

冷房と除湿は異なる機能を持っているため、湿気が多くムシムシとした暑い日には除湿を活用しましょう。下記の記事では冷房と除湿の違いについて、詳しく解説していますので、時間がある方は読んでみてください。

【関連記事】冷房と除湿どっちがいいの?違いやおすすめの温度設定、電気代について徹底解説!

湿度を調整する方法

絶対湿度を調整して快適に過ごしたい方は、湿度を調整する方法を知っておきましょう。湿度を調整する方法は、次の通りです。

  • 部屋に空気の通り道をつくる
  • エアコンや扇風機で除湿する
  • 部屋の温度を下げる

それぞれの方法を実践して、絶対湿度を調整してください。

部屋に空気の通り道をつくる

除湿のために、部屋に空気の通り道をつくりましょう。部屋の出入り口を確保して、空気の通り道をつくると、湿気た空気が室外に流れていきます。

具体的には、窓や玄関のドアを開けて空気の通り道をつくると、湿度を調整できます。部屋の中に溜まった湿度の高い空気を循環させて、換気することで溜まった湿気を外に逃がすことが可能です。

なお、窓だけを開けても外から空気が入り込むだけで、部屋の空気を逃がす出口がありません。

窓と部屋の扉・玄関を開け放って、空気の通り道をつくると換気効率が高くなります。

エアコンや扇風機で除湿する

湿度の調整方法として、エアコンや扇風機で除湿する方法があります。扇風機・換気扇・サーキュレーターなどの送風機能を、湿気た空気にぶつけると貯まった湿気が拡散されて除湿できます。

またエアコンの除湿機能を使うことで、部屋の除湿が可能です。

なお、湿気がやばいときの対策方法は下記の記事で詳しくまとめていますので、梅雨時期を乗り越えるための参考として読んでみましょう。

【関連記事】これで解決!部屋の湿気がやばいと起こるトラブルと対策3選

部屋の温度を下げる

湿度を調整する方法として、部屋の温度を下げると効果的です。温度が下がれば湿度も下がるため、除湿効果が期待できます。

絶対湿度は温度で変化しませんが、部屋の温度を下げれば相対湿度が下がります。そのため、部屋の温度を下げることでムシムシとした湿気を取り除くことが可能です。

除湿を行うには部屋の温度と湿度を下げる方法がありますが、冷風扇を使用して部屋を涼しくする場合は湿度が高くなる可能性があることに注意が必要です。

下記の記事で、冷風扇をおすすめしない理由について解説していますので、ぜひ読んでみてください。

【関連記事】冷風扇がおすすめされないのはなぜ?メリットと向いている人の特徴を徹底解説!

絶対湿度と相対湿度の関係性を理解して、適切な湿度に調整しよう!

絶対湿度と相対湿度の関係性を理解すれば、湿度を適切に調整できます。空気の温度が下がれば絶対湿度は変化しませんが、相対湿度は下がります。

そのため、部屋を除湿したい際には部屋の温度を下げる方法が効果的です。

またエアコンの冷房と除湿はそれぞれ異なる機能なので、各機能の特徴と役割を正しく理解しておく必要があります。

快適な湿度で暮らすために、絶対湿度11g/㎥〜16g/㎥、相対湿度45〜55%を目安に湿度を調整しましょう。

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