トリプルサッシは後悔する?メリット・デメリットを確認して最適な窓サッシを選ぼう!
トリプルサッシを採用すれば、家の断熱性を向上して冷暖房費を節約できます。他にも防音効果が期待できたりと、メリットが多いトリプルサッシですが、導入後に後悔している可能性もゼロではありません。
メリットたっぷりのトリプルサッシを導入して、なぜ後悔するのか理由を知らなければ、窓選びで失敗してしまうでしょう。
「これから住宅購入を考えている」「窓サッシ選びで悩んでいる」方は、トリプルサッシの特徴を把握して、導入して後悔しないか検討してください。
この記事では、トリプルサッシで後悔しないために、メリットとデメリットの双方を解説します。
トリプルサッシで後悔しないために確認しておくべきポイントも3つ紹介しますので、最後まで読んでください。
トリプルサッシとは?
そもそもトリプルサッシとは何か知らない方のために、トリプルサッシの特徴を解説します。
トリプルサッシとは、名前の通りにガラスが3枚使用されている窓のことです。「トリプルサッシ」と呼ばれているため、窓サッシの性能を思い浮かべる方もいますが、「トリプルガラス」という名称で呼ばれることもあります。
トリプルサッシは、3枚の窓ガラスの間に空気の層があり、次のいずれかが入ります。
- 真空
- クリンプトンガス
- アルゴンガス
- 空気
空気層に、真空やクリンプトンガラスなどが入ることにより、熱伝導率を低下させて断熱性を向上させることが可能です。
通常のガラス窓に比べて、トリプルサッシの窓は断熱性が4〜6倍ほど高い特徴があり、導入すれば年中快適な気温で過ごせます。
トリプルサッシで後悔する理由・デメリット
トリプルサッシで後悔する理由を知るために、導入するデメリットを把握しておきましょう。
トリプルサッシを導入するデメリットは、次の通りです。
- コストが高い
- サッシが重たい
- 寿命が短い
それぞれのデメリットを把握しておけば、トリプルサッシを導入するべきか判断できます。デメリットをふまえてトリプルサッシを導入して後悔しないか、慎重に検討してください。
コストが高い
トリプルサッシで後悔する理由は、コストが高いデメリットがあるからです。
トリプルサッシは、単板ガラスや複層ガラスに比べて、性能が高い分コストが高い特徴があります。
家全体の窓をトリプルサッシに変える場合は、導入費用だけでも高額なコストがかかるでしょう。
トリプルサッシで使用する窓ガラスと従来の窓ガラスの価格相場は、次の通りです。
ガラスの種類 | 価格相場(90cm×180cm) |
フロートガラス | 10,000〜25,000円 |
ペアガラス | 15,000〜80,000円 |
トリプルガラス | 50,000〜100,000円 |
通常のフロートガラスに比べて、トリプルガラスは約5倍の導入コストが必要です。
ペアガラスと比較しても、約3倍のコストがかかるため、トリプルサッシの導入コストで後悔する方は一定層存在します。
また従来の窓サッシからトリプルサッシに取り替える際には、窓枠やサッシごと取り替えなければなりません。
そのためリフォームをする必要があり、窓サッシの交換にもコストがかかってしまいます。
サッシが重たい
トリプルサッシで後悔する理由・デメリットは、サッシが重たいことです。
トリプルサッシは窓ガラスを3枚使用しているため、従来の窓より重くなる特徴があります。
そのため、窓の開閉時に重さで開け閉めがしにくく感じるケースがあり、使用感に不便を感じるかもしれません。
特に女性や高齢者など、力が弱い方にとって、窓が重たくて開け閉めできないケースもあるため注意が必要です。
寿命が短い
トリプルサッシで後悔する理由・デメリットは、寿命が短いことです。
トリプルサッシの寿命は、10〜30年ほどと言われており、窓のパッキン部分に関しては10年ほどで劣化が始まります。
空気層の空気やガスが抜けて性能が低下してしまうため、30年経過した頃には断熱性能が格段に低下してしまいます。
せっかく高額で導入したトリプルサッシの性能が、経年劣化とともに低下してしまうと、導入を後悔してしまう方もいるでしょう。
トリプルサッシを導入する場合は、メーカー保証を確認して保証期限が過ぎる前に、一度交換しておくとサッシを長持ちさせられます。
トリプルサッシを採用するメリット
トリプルサッシは導入して後悔する可能性がありますが、デメリットだけでなく豊富なメリットを兼ね備えた製品です。
トリプルサッシを導入すべきか悩んでいる方は、デメリットと併せてメリットを確認しておきましょう。
トリプルサッシを導入するメリットは、次の通りです。
- 断熱性が高い
- 冷暖房費を節約できる
- 結露を抑制できる
- 防音効果がある
それぞれのメリットを確認して、トリプルサッシを導入するべきかデメリットと比較検討してください。
断熱性が高い
トリプルサッシを導入メリットは、断熱性が高いことです。
トリプルサッシは、3枚構造の窓ガラスと空気層に含まれる真空やガスによって、熱伝導率が低い特徴があります。
従来の窓ガラスとトリプルサッシの窓ガラスの熱貫通率( 壁の両側の温度差を1度とした場合に、1時間当たりに1m²を通過する熱量の割合)を比較すると、次のように差が生じました。
ガラスの種類 | 熱貫通率 |
フロートガラス | 5.7~6.0W/㎡・K |
ペアガラス | 1.4~3.4W/㎡・K |
トリプルガラス | 0.9~1.13W/㎡・K |
なお、熱貫通率が’数値が低いほど、断熱性が高いことを表しています。
通常のフロートガラスに比べて、トリプルガラスは熱貫通率が約6分の1程度とかなり断熱性が高いです。
窓ガラスが2重構造になっているペアガラスと比較しても、トリプルガラスの熱貫通率が低い結果が判明しています。
断熱性が高い住宅は、外気温の影響を受けにくいため、年中快適な室温で生活できます。快適な室温で生活を送りたい方は、トリプルサッシを導入して家の断熱性を向上させましょう。
また断熱性の高い窓を探している方は、YKKのAPW330がおすすめです。YKKのAPW330は、国内最高基準の断熱性を実現した窓と称されるほど、高い断熱性能を誇ります。
下記の記事では「YKKのAPW330の特徴やメリット」を詳しく解説しているので、窓選びの参考としてチェックしておきましょう。
【関連記事】YKKのAPW330とは?各APWシリーズの特徴や採用するメリットを徹底解説!
冷暖房費を節約できる
トリプルサッシを導入するメリットは、冷暖房費を節約できることです。
トリプルサッシは断熱性が高い窓なので、導入すれば部屋の断熱性を向上できます。つまり、外気温の影響を受けにくくなり、冷暖房の稼働を抑えられるのです。
冬場でも外の冷たい空気が室内に伝わりにくいので、暖房稼働を抑えて光熱費を節約できます。夏場には外の暑い空気を室内に伝えず、冷房稼働を抑えて快適な室温を実現できます。
トリプルサッシは導入コストが高い製品ですが、部屋の断熱性を向上させて冷暖房費を節約できるため、ランニングコストを軽減することが可能です。
トリプルサッシを導入するべきか悩んでいる方は、導入コストだけでなくランニングコストをふまえて、費用対効果を検討してください。
結露を抑制できる
トリプルサッシを導入すれば、結露を抑制できるメリットがあります。
結露が発生すれば、カビやダニが発生し家や住民の健康に被害をもたらします。カビやダニは、アレルギーやアトピー・家の腐食や劣化につながるため、発生を抑制する対策が必要です。
結露は空気が冷やされることで、空気中に含まれる水分が水滴に変わって発生します。つまり、室内外の温度差が激しい冬場に結露が発生しやすく、温かい室内の空気が窓を伝って外気温で冷やされることで、発生するケースが多いです。
そのため、結露を抑制するためには、窓の断熱性を向上させる必要があります。
トリプルサッシを導入すれば、窓の断熱性を向上させて室内外の温度差を伝えにくくできます。冬場に暖房で温められた空気が窓にぶつかっても、外の冷たい空気が伝わりにくいため、結露が発生しにくいです。
トリプルサッシは、快適な室温を実現するだけでなく、結露を抑制して家や住民の健康被害を防止できるメリットがあります。
結露の原因や解決法について詳しく知りたい方は、下記の記事で「家の中で発生する結露を抑制する対処法」を解説していますので、ぜひ読んでおきましょう。
【関連記事】結露の原因と解決法:家の中で湿気を減らす方法
防音効果がある
トリプルサッシを導入するメリットは、防音効果があることです。
トリプルサッシは、窓ガラスが3枚あるのに加えて空気層に真空やガスが充満しているため、熱だけでなく音を伝えにくい特性があります。
そのため窓の防音性を向上させて、室内外に生じる音漏れを防げます。室内で楽器や音楽・映画鑑賞などを行う方は、近所迷惑を考えて大音量で音を発生させることに抵抗を感じるでしょう。
さらに大通りに面した住宅や繁華街が近い住宅の場合、外からの車の走行音や街の喧騒がうるさく感じることもあります。
トリプルサッシを導入して窓の防音性を高めれば、室内の音が外に漏れにくくなり、優雅に音楽鑑賞や映画鑑賞を楽しめます。
さらに外からの音を窓で遮音してくれるため、街の喧騒に左右されることなく、快適な生活を送ることが可能です。
騒音トラブルを避けたい方は、トリプルサッシで窓の防音性を高めましょう。
トリプルサッシで後悔しないために確認しておくべきポイント
トリプルサッシのデメリットとメリットを確認して、「導入しても後悔しない」と判断した方は、次のポイントを確認しておいてください。
- 交換コストを確認しておく
- 補助金が利用できるか確認しておく
- 費用対効果を確認しておく
それぞれのポイントを確認しておくことで、トリプルサッシを導入して後悔するリスクを軽減できます。
トリプルサッシで後悔しないためのポイントを確認して、導入に備えましょう。
交換コストを確認しておく
トリプルサッシを導入して後悔しないために、前もって交換コストを確認しておきましょう。
トリプルサッシは、通常の窓とサッシの厚みが異なるため、窓枠やサッシごと交換しなければなりません。
そのため通常の窓交換以上に費用がかかるため、事前に交換コストを確認しておかなければ「思っていたより高かった」と後悔してしまう可能性があります。
トリプルサッシを交換する際の費用相場は、次の通りです。
交換方法 | 費用相場 |
DIYで交換(サッシ交換費) | 5万〜26万円 |
業者に依頼(ガラスの交換) | 2.5万〜6万円 |
リフォームで交換 | 25万円〜 |
DIYで交換する場合は、サッシの購入費のみかかりますが費用相場5万~26万円と高額になる可能性があります。
業者に依頼する場合は、窓ガラスの交換となりますが、窓ガラス代とサッシ代と工賃を合わせて2万5000円~6万円程度の交換費用が必要です。
窓枠そのものをリフォームで交換する場合は、25万円以上のコストが発生するため、事前に見積もり依頼をして予算を確認しておく必要があります。
できるだけ交換費用を抑えるために、複数の業者に見積もり依頼をして予算に合う業者を選ぶことが大切です。
ただし、見積もり額だけで判断するのではなく、実績や口コミを確認して信頼できる業者に窓交換を依頼しましょう。
補助金が利用できるか確認しておく
トリプルサッシで後悔しないためのポイントとして、補助金が利用できるか確認しておきましょう。
家の断熱性能を向上させるリフォームや、新婚や子育て世帯が住宅購入・リフォームする際に、補助金が支給されるケースがあります。
場合によってはリフォーム費用を最大数百万円、補助してくれる制度もあるため、利用した方が経済的でお得です。
補助金制度は各自治体によって異なるため、トリプルサッシを導入する前に一度自治体のホームページを確認しておきましょう。
費用対効果を確認しておく
トリプルサッシで後悔しないためのポイントとして、費用対効果を確認しておきましょう。
導入コストが高いトリプルサッシですが、気密断熱性が高いため冷暖房費を節約できます。「トリプルサッシは魅力的だけど、導入コストが高いから安い窓にした」と、コストを節約するために安い窓を導入すると、断熱性が低く余計に冷暖房費がかかってしまう可能性があります。
後でトリプルサッシを導入すればよかったと後悔しても、窓全体を交換するリフォームの方が割高になるため、家を建てる際にトリプルサッシを導入しておく方が賢いです。
トリプルサッシで後悔しないために、省エネ性能を確認して費用対効果を考えて、導入を検討しましょう。
トリプルサッシで後悔しないために費用対効果を確認しておこう!
トリプルサッシは、断熱性・防音性が高く快適な生活をサポートできる窓サッシです。3重構造の窓ガラスに空気層に充満したガスで、熱伝導率を低下させて断熱性を向上できます。
しかし中には導入コストや寿命の短さから、トリプルサッシを導入して後悔するケースもあるため、事前にメリットとデメリットを比較検討しておくことが大切です。
トリプルサッシのメリット・デメリットを比較して、費用対効果をふまえて導入するべきか判断すれば、導入後に後悔するリスクを軽減できます。
これから家を建てる方や窓選びで悩んでいる方は、トリプルサッシの費用対効果を確認して導入するべきか検討してください。