燃費計算ソフトを使った家作りの提言
長持ちする家 研究家 瀬﨑です。
今回は燃費計算について お話します。
もし、予算に上限がない場合、
超ハイスペックな仕様にすれば、
一年中エアコンなしで、
Tシャツ一枚で過ごせる家を
建てることも可能ですし、
それこそ、
100年間、メンテナンスフリーという家も
建てることが可能だと思います。
しかし、
現実的にそのような方は
ほとんど、いらっしゃいません。
限られた予算の中で、
どれだけ、自分の理想の家を建てるかを
追求するわけです。
その方法の一つとして、
役に立つのが燃費計算ソフトです。
省エネ建築に力を入れている各団体から
いくつかの燃費計算ソフトが開発されています。
ちなみに弊社は、4つ所有しています。
話を元に戻しますと、
燃費計算ソフトを使うと
その家の燃費がわかります。
燃費は光熱費と同義と考えて、差支えないと思います。
ソフトにあなたの家の情報を細かく入力していきます。
そうすると、 下のような結果が表示されます。
この円グラフは、一年間に使われる光熱費が、
ざっくりと、どこで発生しているかの割合だと思って下さい。
暖房費と、給湯費の割合が大きく、
冷房費が意外に少ないことがわかります。
どの家でも、だいたい似たような比率になるのですが、
ここで、重要なポイントは、
この比率を頭に入れておくということです。
照明をLEDにするかどうか悩むのは、
家全体で見ると、本当に些細な問題であること。
給湯器を
エコキュート、ガス給湯器、プロパン、電気温水器に
するか悩むのは、大変重要なこと。
夏の暑さ対策より、冬の寒さ対策の方が、
より重要度が高いことなど・・・。
こういった視点が生まれてきます。
今度は、一年間に建物のどの部分から、
熱が逃げていくかを表しています。
つまり、光熱費に影響する部分の割合です。
ざっと見てみると、
外壁、開口部、換気の割合が大きい事がわかると思います。
外壁に影響する要素は、断熱材の性能と厚み。
開口部の影響する要素は、サッシの性能。
換気に影響する要素は、 換気システムの熱交換率。
光熱費を下げようと思えば、
この3項目の性能を上げればいいのです。
ここで、知っておくとよい事は、
この3項目をあげるために必要な費用です。
かかる費用の大きさはこうなります。
窓<換気システム<<<<<<<<外壁
この3項目の位置関係、めちゃめちゃ重要です。
住宅展示場に行く前に、10回復唱すないといけないレベルです。
壁の中の断熱材を何にするかばかりに
関心がある方が、本当に多いのですが、
窓の性能とか、換気システムの熱交換率を
まず、先に気にしたほうがいいですよ
ってことです。
今回、例として使用した円グラフの
家の窓はかなり高性能なものですので、
実際は、燃費計算すると
開口部の熱損失の割合はもっと大きくなります。
燃費計算ソフトが使うと、
窓を高性能なものに変えた場合に、
どれくらい 光熱費に影響が出るかが、
家を建てる前の段階でわかるのです。
これは、あなたが家を建てる際に、
費用対効果を最大限に高めながら
仕様を検討できるという事になります。
しかしながら
まだまだ、燃費計算ソフトを
使いこなせている建築会社は
多くありませんが、
燃費を考えながら設計することが、
至極、当たり前だということに
気づいた建築会社が、
徐々に増えつつあります。
ですので、
探せば見つかります。
設計の際に、燃費計算ソフトを活用している建築会社に
仕事を依頼される事をお薦めします。