構造用合板は使えばいいってもんじゃありません!2017.09.17 追記あり
長持ちする家 研究家 瀬崎です。
今回は、長持ちする構造材 構造用合板編です。
今回構造合板について考えてみました。
ねじれを解消する為の構造材「筋違い」「火打ち」とは?
木造住宅では、
壁面のねじれを防ぐために「筋違い」
床面のねじれを防ぐために 「火打ち」
が使われます。
現在良く使用される構造用合板とは?
現在では、これらの材の代わりに構造用合板を使用することが多くなってきています。
構造用合板を使う5つのメリットとは?
構造用合板を使うメリットとして、次の5つがあります。
壁面では、
・外周の筋違いを減らすことができるため、グラスウールなどの繊維系断熱材や、カネライトフォームなどの、発泡系プラスチック断熱材の施工性がよくなる。
(発砲ウレタンや、セルローズファイバーは、筋違いがあっても施工性にほとんど影響なし)
・透湿防水シートの施工がしやすくなるため、雨漏りのリスクが減る。
・内部の筋違いも少なくできるため、間取りの自由度、将来的な可変性が増す。
床面では、
・上棟時に構造用合板が、作業スペースとなるため、転落等に対する安全性が高まる。
・耐震性が大幅にアップする。
構造用合板を使う時の施工上の4つの注意点
しかし、まだまだ最近になって浸透してきたものですので、年輩の大工さんの方など、正しい施工方法を知らない方も、多いのも事実です。
施工上の注意としては、
①正しい釘が使用されているか?
②正しい釘ピッチで施工されているか?
③合板と合板の間に、隙間があるか?
④釘がめりこんでいないか?
大きくこの4点に注意して管理する必要があります。
①正しい釘が使用されているか?
通常「N50」という釘を使用することを前提に、耐力計算をしています。
当然、この釘もしくは、同等とメーカーが認定した、メーカー指定の釘を使用する必要があります。
釘の頭が通常の釘よりも大きいのが特徴です。
そして、間違いが多いのが、この釘の仕様です。
内装下地に使う釘より値段が高いため、何もしらない大工さんは安い通常の釘を使います。
監督が、釘の事について知識がなければ、そのまま施工されます。
耐震性が落ちることは言うまでもありません。
②正しい釘ピッチで施工されているか?
一般的に壁は100㎜ピッチ、床は150㎜ピッチで、釘を打つ必要があります。
これは、スケールを当てて測れば、簡単にわかります。
実際には、もう少し細かい規定があります。
また使用する構造用合板によっても多少違いがあります。
③合板と合板に間に隙間があるか?
これも、施工ミスが多い部分です。
構造用合板も多少ですが、伸び縮みしますので、その分、あらかじめ隙間を作っておく必要があります。大工さんの習性でしょうか? 隙間なく仕上げてしまう方がいます。
これは、誰でも見たらわかりますので、ご自身の家を建築される方は、注意しておいて下さい。
④釘がめり込んでいないか?
これが、もっとも多い施工ミスポイントです。
大工さんは通常、空気の力を利用して釘を打つ機械を使用しています。
この空気が強すぎると、釘がめり込みすぎてしまいます。
・めり込んだらいけないという事を知らない大工さんが驚くほど多い。
・調整が難しい
本当は緩めの空気圧で、少し釘の頭が出るくらいで施工し、最後手打ちで頭を沈めるのが、ベストです。なかなか手間もかかりますので、あらかじめ、構造用合板を規定より厚いものを使用して、少しくらい釘がめり込むのを容認する方法もあります。
この4項目をしっかり管理する事で、耐震性の高い、長持ちする家を作ることができます。
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