長期優良住宅の隠れたメリット
長持ちする家 研究家 瀬﨑です。
今回お伝えする内容は「長期優良住宅」について。
最近はお客様の方から、この言葉を聞くことも多くなってきました。
まだ、知らない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に「長期優良住宅」についてご説明します。
「長期優良住宅」とは、長期間、一定の性能を有することが可能な良質な住宅のことです。
そもそもの目的が、住宅を長期にわたり使用することにより、住宅の解体や除却に伴う廃棄物の排出を抑制し、環境への負荷を低減するとともに、建替えに係る費用の削減によって国民の住宅に対する負担を軽減し、より豊かで、より優しい暮らしへの転換を図ることなんですね。
クオホームのコンセプトと非常に似ています。
国土交通省のHPからは、下記のような資料もダウンロードできます。
長期優良住宅の認定を取るには
耐震性・断熱性能・維持管理のしやすさ等、いくつかの基準をクリアさせる必要があります。
もともと性能の低い住宅を販売している会社は、その基準をクリアするために、標準仕様をグレードUPする必要が出てきます。
また、長期優良住宅を申請するために、非常に多くの書類の作成が必要ですので、その費用もかかってきます。
そこまでお金をかけて、長期優良住宅の認定をとる必要がないという考えの会社もあります。
しかし、 長期優良住宅の認定を取得した住宅は、
・建物の固定資産税の半減措置が2年延びる
・登録免許税等の措置等がある
そのおかげで、およそ20万円近くは返ってくるんです。
長期優良住宅の申請費がおよそ20万円ぐらいのところが多いので、もともと性能のいい住宅を希望されているお客様にとっては、加算なしで長期優良住宅を建てることができます。
長期優良住宅にすることの隠れたメリットをお話します。
耐震等級2以上が認定条件なので、ある程度の耐震性は約束されている。
・「弊社独自のOO工法で安心」
・「べた基礎だから基礎が強い!!」
・「柱がオール4寸で強固」
などと、地震に強いことをアピールする広告をよく目にします。
しかし、プランによっては、耐震等級2さえ取れていない場合だってあるのです。
長期優良住宅の場合、こうしたプラン上の欠陥は防ぐことができます。
メンテナンスが簡単にできる家になっている
点検時に人がもぐることのできる床下の空間の確保や、点検口の設置義務など、何年か後にメンテナンスが容易に行えるように配慮した施工を求められるので、安心です。
目立たないところですが、非常に重要なポイントです。
床鳴りがするので、床下を点検しようと思うと、床下が10cmくらいしかなかったこともあります。
今でも、このような家は多く作られているのが現状です。
洗面脱衣室の床下が防水上有効な仕上げになっている。
浴室の入口部分の床下は床材がもっとも腐りやすい部分です。
濡れた足で床の上を歩くので当然ですよね?
長期優良住宅では、洗面脱衣室の床仕上げは「防水上有効な仕上げ」にしなくてはなりません。
防水上有効な仕上げとは、代表例がクッションフロアーです。水をはじき、継ぎ目がないというのが特徴です。
多くの住宅がクッションフロアーだと思いますが、デザインにこだわる住宅会社などでは、無垢のフローリングだったり、フロアータイルや、Pタイル、コルク床などを使っている場合があります。
これらの材料は、いずれも継ぎ目がありますので、長期優良住宅の認定はとれません。
継ぎ目から水が浸水し、床下地の耐久性をそこねてしまうという理由です。
この場合、床下地に、水に強い耐水合板を使用することで、例外的に、認定を取ることができます。
しかし、長期優良住宅を申請しない場合、わざわざ、価格の高い、耐水合板を使っているところは多くありません。
残念ながら、そこまで、耐久性のことまで気にしている設計者は少ないというのが現状です。
将来、住宅を手放すことになった場合、高く売れる可能性が高い。
転勤や、ローンが返せなくなったなど、予期せぬ理由で、将来、住宅を売却する事があるかもしれません。
その場合、長期優良住宅の認定をとっている住宅だと、売価がUPする可能性が高いです。
現時点では、まだはっきりとしたことは言えませんが、国の方針を見ても、中古住宅市場を活性化しようとしていることは間違いありません。
そのためには、中古住宅自体の価値を高める必要があるのです。価値=長期優良住宅 の時代がきっと訪れるでしょう。
これから家を建てる方にとって「長期優良住宅」は、重要なキーワードになってきます。