熱抵抗値って知ってる断熱材の選び方を左右する熱抵抗値(R値)とは?【計算方法も解説】

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家づくりを計画する際、「断熱材の選び方がわからない!」と悩む方は多いのではないでしょうか。各製品にメリット・デメリットが存在し、価格や性能が異なるため、自分の家の断熱材を決定するのはとても難しいですよね。

 

そんな断熱材の選び方の一つの基準になる数値に、熱伝導率というものが存在します。これは「熱の伝わりやすさ」を示す数値です。一般的に、この値が小さいほど熱が伝わりにくく、高性能な断熱材とされています。

 

しかし今回は、それよりもさらに重要な「熱抵抗値」について解説をしていきます。

 

本記事では、熱抵抗値の計算方法をわかりやすく解説していきます。その後、家づくりにおいて知っておいてほしい断熱材の選び方や考え方を紹介していきますので、マイホームを検討している方はぜひ最後までお読みください。

 

熱抵抗値とは?

熱抵抗値とは、その部分がどれくらい熱を通しにくいかを表す数値です。R値と呼ばれることもあります。

家づくりでは、よくUA値というものを目にしますよね。これは屋根や床を含めた家全体の断熱性能を表す数値のことです。一方で、熱抵抗値は、その断熱材単独の断熱性を示す数値のことをいいます。

 

熱抵抗値の計算に使う2つの要素

熱抵抗値の計算には、以下の2つの要素を用います。

①断熱材自体の性能(熱伝導率)

 

要素1つ目は、冒頭で述べた熱伝導率のことです。単位は[W/(m・K)]。

この数値は、小さければ小さいほど熱が伝わりにくいことを表します。

例えば、熱伝導率0.036のグラウスールと、0.040のセルロースファイバー。どちらがより高性能な断熱材でしょうか。

…簡単ですね。この場合は熱伝導率の値が小さい、グラスウールのほうが高性能といえます。

  熱伝導率は製品ごとに異なります。「製品名+熱伝導率」で検索したらすぐに出てきますので、参考にしてみてください。

 

②断熱材の厚み

 

2つ目は断熱材の厚みです。断熱材は厚みが増すほど性能が向上します。同じ断熱材を使っていても、ぶ厚く施工すれば断熱性能が増し、薄く施工すれば性能が下がります
「そりゃ当然でしょう!」と思われるかもしれませんが、家づくりをする上ではこのことがかなり重要です。

 

多くの方は断熱材自体の価格や性能にばかりに注目しがちです。しかし、それ以上に考えなければいけないのが、実際にその断熱材をいくらの厚みで施工するのか。

その厚みが、あなたの家の最終的な断熱性能と施工費用を決定します。

なお、熱抵抗値の計算では厚さの単位をメートル(m)で表します。厚さ150mmだと、計算上は0.150になるので注意してください。

 

以上2つが、断熱材の熱抵抗値の計算に必要な要素となります。それでは実際の計算方法を次の章で見ていきましょう。

 

熱抵抗値の計算方法をわかりやすく解説

熱抵抗値は以下の公式で求められます。

  熱抵抗値=厚さ÷熱伝導率

それぞれ単位をつけると、熱抵抗値[㎡k/W]=厚さ[m]÷熱伝導率[W/(m・K)]となります。
熱抵抗値はその物質の熱の通しにくさを表す数値です。そのため、計算して出てきた数字が大きいほど抵抗が大きく、熱を通しにくい状態になっています。

(※熱抵伝導率とは目指す数値が逆になるので注意しましょう)

 

 

熱抵抗値の計算例【グラスウール/セルロースファイバーほか】

それでは、各断熱材における熱抵抗値の計算例を紹介します。製品の熱伝導率と厚みさえわかれば誰でもすぐに計算できるので、みなさんも一緒に挑戦してみてください。

 

高性能グラウスール (熱伝導率0.036)を厚さ105mmで施工する場合

 

グラスウールはガラスを溶かし、繊維状に加工したもののことをいいます。中でも名称に「高性能」とつくものはガラス繊維の密度が高く、より高断熱です。(引用:旭化成建材

 

まずは厚さ105mmをメートル換算し、0.105[m]にしましょう。
その数値を高性能グラスウールの熱伝導率0.036で割ると、
0.105[m]÷0.036[W/(m・K)]=2.916666666666667[㎡k/W]

この数値が、高性能グラスウールを厚さ105mmで使用した際の熱抵抗値になります。

 

セルロースファイバー(熱伝導率0.040)を厚さ105mm で施工する場合

 

古紙を再利用した断熱材をセルロースファイバーといいます。木質繊維系の代表で、壁や天井の中に吹き込む施工方法が一般的です。(引用:同上)もともと自然のものから作られた材質ですので、適度な湿度を保つ効果があります。

 

こちらも厚さ105mm=0.105[m]となりますので、それを熱伝導率で割ると
0.105[m]÷0.040[W/(m・K)]=2.625[㎡k/W]

セルロースファイバーは高性能グラスウールよりも熱を通しやすいため、使用する厚さが同じでも、先ほどより低い数値が出ていることがよくわかりますね。

 

アクアフォーム(熱伝導率0.036)を厚さ75mmで施工する場合

 

アクアフォームは、株式会社日本アクアが販売する吹付けタイプのウレタンフォームです。温室効果の大きいフロンガスを使わず、水を使って発泡させるため、環境にやさしい断熱材といわれています。(引用元:日本アクア)吹付タイプのため、フォームを細かいところまで隙間なく施工できるという特徴があり、実際の断熱性能が向上するというメリットもあります。

 

これを厚さ75mmで施工した場合、熱抵抗値の計算は以下の通りになります。
0.075[m]÷0.036[W/(m・K)]=2.083333333333333[㎡k/W]

 

ネオマフォーム(熱伝導率0.020)を厚さ60mmで施工する場合

 

ネオマフォームは旭化成建材のボード系断熱材です。フェノールという熱に強い樹脂でできているため耐火性能があります。(引用元:旭化成建材

 

これを厚さ60mmで施工してみましょう。
0.060[m]÷0.020[W/(m・K)]=3[㎡k/W]

 

これまで挙げた3つの例の中でもっとも薄い厚みで施工しているにもかかわらず、高い熱抵抗値を叩き出しました。

ネオマフォームは薄くても十分な性能を発揮するため、厚さが制限される外張り断熱工法に最適とされています。

 

キューワンボード(熱伝導率0.021)を厚さ60mmで施工する場合

 

キューワンボードは、アキレス株式会社が販売する高性能硬質ウレタンフォーム断熱材です。こちらもボード系断熱材になります。両面にアルミ箔が貼られているため、遮熱性能に優れているのが特徴です。(引用元:アキレス株式会社

 

これを厚さ60mmで施工した場合、
0.060[m]÷0.021[W/(m・K)]=2.857142857142857[㎡k/W]
となります。

薄くてもしっかり断熱できるため、こちらも外張り断熱工法に適した建材といえますね。

 

まとめ:大切なのはコストパフォーマンス!

ここまでで、家づくりに欠かせない断熱材の選びに大切な熱抵抗値(R値)について詳しく解説をしました。計算方法については十分に理解していただけたと思います。

 

最後に、この計算を活用して実際にどういう方法で断熱材選びをするべきかについてまとめていきましょう。ズバリ、大切なのは全体のコストパフォーマンスを考えることです。

 

  • その壁には何mmまで断熱材を入れられるのか?
  • あなたが求める断熱性能はどれぐらいなのか?
  • 家を建てる土地の温度や湿度を踏まえると、最低限どれくらいの断熱性を確保するべきなのか?
  • 耐火性や耐水性など、断熱性能以外に必要な性能があるか?
  • 家のどこの断熱性を強化するのが1番効率がよいか?

 

熱抵抗値が高いものほど良いのは当然ですが、性能に比例して価格も上がります。大切なのは、限られた予算の中で高いコストパフォーマンスを実現することです。「自分の家に何を求めるか」「そこに予算はいくらかけられるか」を、トータルバランスを見ながら検討をする必要があります。

 

熱抵抗値について動画で解説もしています

 

動画をみる時間がある方はこちらの【熱抵抗値とは?求め方、計算方法は?】をご確認下さい!

 

コスパのことは工務店に相談しよう

家づくりの際は、自身で熱抵抗値を計算するだけでなく、工務店に頼んでさまざまなパターンを価格と一緒に提案してもらうのが良いでしょう。断熱材の種類と厚み、かかるコストや性能を比較し、その中から1番適したものを選んでください。(工務店によって安く仕入れられる断熱材の種類も変わってきます。)

また、その工務店が得意とする断熱材を選ぶことも大切です。断熱材の種類によって施工方法はさまざま。たとえ高価な断熱材を選んだとしても、施工する業者に技術がなければ、十分な性能を発揮できないことがあるので注意しましょう。

 

まとめ▼

家づくりにおいては熱伝導率も大切ですが、断熱材の厚みを考慮した熱抵抗値をしっかり計算し、コストパフォーマンスの優れた施工方法を選びましょう。

 

 

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