冷風扇がおすすめされないのはなぜ?メリットと向いている人の特徴を徹底解説!
冷風扇と聞いて、パッと頭に浮かばない人もいるかもしれませんが、例えばこんなやつです。
冷風扇は水が蒸発する気化熱によって、冷たい空気を送り出す家電です。
夏場に使用される冷風扇ですが、人によっては「冷風扇はおすすめしない」と言われます。
冷風扇を購入しようか悩んでいる方は、「なぜ冷風扇をおすすめしないのか」理由を確認しておきましょう。
この記事では、冷風扇をおすすめしない理由について、おすすめできない状況と併せて解説します。
冷風扇のメリットや向いている人の特徴も解説しますので、最後まで読んで冷風扇を使うべきか検討してください。
冷風扇とは?
そもそも冷風扇とは、水が蒸発する際の気化熱を利用して、涼しい空気を送り出す家電です。
空気を冷やす方法としては、水を撒いて空気中の熱を奪う「打ち水」と同じ原理になります。
気化熱で冷やされた空気を室内に送り出すため、扇風機より涼しく感じます。また、エアコンより低コストで設置できるため、気軽に導入しやすいです。
冷風扇について詳しく知るために、扇風機やエアコンとの違いについて確認しておきましょう。
扇風機との違い
扇風機は風を送り出して、涼しい空気を送り出す家電です。プロペラが回転することで、空気を送り出して部屋を涼しくします。
しかし扇風機は、空間に漂っている空気をプロペラによって送り出しているため、冷風扇のように冷えた空気を送りだせません。
冷風扇は中に水が入っており、気化熱による冷たくなった風を送り出すため、扇風機より涼しく感じます。
エアコンとの違い
エアコンは、熱交換器で冷却効果を起こして部屋全体を涼しくする家電です。部屋の熱を吸収し冷たい空気を送り込むことで、部屋全体を涼しくします。
また空気中の水分を熱交換器で気化させる作用もあるため、除湿効果もあるため梅雨や湿気の多い日にも最適です。
冷風扇は冷たい風を送れる範囲が限られているため、部屋全体の温度を調整できるエアコンの方が冷房効果が高いです。
さらにエアコンは除湿機能があるため湿気対策も可能ですが、冷風扇は水を入れて使うため湿気が溜まりやすい特徴があります。
除湿効果や冷房効果ともに、冷風扇よりエアコンの方が優れています。しかし、エアコンは冷風扇と比べると設置コストが高いです。
エアコンと冷風扇どちらを使うべきか判断するため、下記の冷房と除湿機能についてまとめた記事を読んでみてください。
【関連記事】冷房と除湿どっちがいいの?違いやおすすめの温度設定、電気代について徹底解説!
冷風扇をおすすめしないと言われる理由
冷風扇をおすすめしないと言われる理由には、次のようなものが挙げられます。
- 蒸し暑く感じる
- 水の補充が必要
- カビが生えやすい
- こまめな手入れが必要
- 稼働音がうるさい
- 効果が限定される
- 天候によって効果が弱くなる
それぞれの理由を解説しますので、冷風扇をおすすめしないと言われる原因を確認しておいてください。
蒸し暑く感じる
冷風扇をおすすめしないと言われる理由は、蒸し暑く感じるからです。
冷風扇は水を蒸発させる際の気化熱により、冷えた空気を送り出すことで室内を冷やします。しかし冷えた空気と同時に湿気も放出しているため、室内の湿度が高くなります。
湿度が高くなるとジメジメと湿気を感じ、体感気温が高くなるため、蒸し暑く感じてしまうのです。
冷風扇の涼しい風が当たっている場所は問題なくても、湿度が高まることで涼しい風が当たらない場所は蒸し暑く感じてしまいます。
室温を下げたいときに使う冷風扇が、結果的に暑さを感じる作用をもたらしてしまうため「冷風扇はおすすめできない」と言われるのです。
なぜ湿度が高くなると蒸し暑く感じるのかは、以下の記事で解説しています。
【関連記事】絶対湿度とは?相対湿度との違いや湿度変化について徹底解説!早見表も
水の補充が必要
冷風扇をおすすめしないと言われる理由は、水の補充が必要だからです。
冷風扇は中に水を入れて、スイッチを押すことで水を蒸発させた気化熱で冷たい空気を作り出します。
そのため、冷風扇の中の水が不足すると使用できないため、定期的に水を補充しなければなりません。
特に持ち運びするため小さいサイズの冷風扇を購入した場合は、タンクの容量が限られているため、こまめに水を補充する必要があります。
冷風扇は水を補充しなければ使えないといった手間も、おすすめしないと言われている理由のひとつです。
カビが生えやすい
冷風扇は水を気化させて涼しい空気をつくりだすため、カビが生えやすいというデメリットがあります。
特に湿気が溜まりやすいタンクやフィルターに、カビが発生しやすいです。一度カビが発生すると、冷風扇を使った際に部屋中にカビを撒き散らしてしまいます。
カビは見た目や匂いが不快なだけでなく、アレルギーやダニの原因になるため注意が必要です。
こまめな手入れが必要
冷風扇はカビが発生しやすいため、こまめな手入れが必要です。カビを発生させないようにこまめに掃除する手入れを面倒に感じて、冷風扇をおすすめしないと言われています。
エアコンや扇風機であれば、半年に一度の掃除など定期メンテナンスで十分ですが、冷風扇はカビを防止するため日々こまめに手入れしなければなりません。
こまめな手入れが面倒な方にとって、冷風扇はおすすめできない家電でしょう。
稼働音がうるさい
冷風扇はネットショッピングで購入できるものなど、さまざまな種類が販売されています。
しかし、中には稼働音がうるさい冷風扇も存在し、騒音トラブルに発展してしまいます。稼働音がうるさい冷風扇を購入した場合、夜はうるさくて使用できず不便に感じることが多いです。
また寝付きが悪い方や小さな子どもがいる家庭では、眠りを妨げる要因となるため、おすすめしないと言われています。
効果が限定される
冷風扇はおすすめしないと言われる理由は、使う場所によって効果が限定されるからです。
冷風扇を使うと湿度が上がるため、体感温度も上昇してしまいます。冷風扇で涼しくなるためには、除湿ができる換気環境が必要です。
換気によって湿気を逃しながら冷風扇を使うと、湿度の上昇を抑えて涼しい風を堪能できます。しかし、空気の通り道をつくれない窓がない部屋や換気が悪い場所では、冷風扇は冷却効果が限定されます。
冷風扇はおすすめしないと言われる理由の1つに、換気が悪い場所では使いにくいデメリットが挙げられます。
天候によって効果が弱くなる
冷風扇はおすすめしないと言われる理由は、天候によって効果が弱くなるからです。
雨の日や湿気が多い日に冷風扇を使うと、ジメジメと蒸し暑くなり、冷却効果が弱まります。
冷風扇はカラッと乾いた晴天の日にこそ効果を発揮する家電です。つまり、天候によって効果が限定されてしまい、湿気の多い蒸し暑い日には涼しさを実感できません。
冷風扇を使う際には、天候によって効果が弱くなるデメリットを理解しておきましょう。
冷風扇のメリット
冷風扇にはデメリットだけでなくメリットも存在します。冷風扇のメリットは、次の通りです。
- 適度に涼しい風を感じられる
- エアコンより導入コストが低い
- エアコンより電気代が安い
- 手頃に使える
- 使う場所を変えられる
- ペットに向いてる
- 小さい子どもに向いている
冷風扇を購入すべきか悩んでいる方は、冷風扇のデメリットと併せてメリットを確認しておきましょう。
適度に涼しい風を感じられる
冷風扇のメリットは、適度に涼しい風を感じられることです。
エアコンの風が苦手な方もいますが、冷風扇は自然な涼しい風を送り出してくれます。
エアコンのように部屋全体が冷えすぎることはなく、扇風機より涼しい風を感じられる点がメリットです。
エアコンより導入コストが低い
冷風扇のメリットは、エアコンより導入コストが低いことです。
エアコンはメーカーや種類によりますが、数万円単位の購入費用・設置コストがかかるため、簡単に購入できるものではありません。
対して冷風扇は数千円単位から1万円ほどで購入でき、設置コストもかかりません。
エアコンより安く導入できる点こそ、冷風扇を購入するメリットです。
エアコンより電気代が安い
冷風扇は導入コストだけでなく、電気代もエアコンより安いというメリットがあります。
エアコンを1時間稼働させた場合、電気代が10円程度かかりますが、冷風扇では1時間あたり1.2円程度と電気代が安いです。
ランニングコストとなる電気代を抑えられる点こそ、冷風扇のメリットと言えます。
手頃に使える
冷風扇は簡単に持ち運びができ、手頃に使えるメリットがあります。
眠る時やお風呂上がりなど、使用するタイミングを限定したいときでも、冷風扇はすぐに稼働できるため使いやすいです。
使う場所を変えられる
冷風扇のメリットは、使う場所を変えられることです。
冷風扇は持ち運びが簡単にできるため、家族に寒がりな方がいても暑さを感じている人だけに涼しい風を当てられます。
さらにキャンプや旅行などアウトドアにも持参しやすく、自宅以外でも使える点が冷風扇のメリットです。
ペットに向いてる
冷風扇は涼しい風を送る範囲を限定できるため、ペットがいる家庭に向いています。
エアコンでは部屋全体の温度を下げてしまうため、ペットの健康面が心配になるケースがあります。
そこで冷風扇を使えば、ペットが暑さを感じた時だけ冷たい風を堪能でき、身体が冷えた後は冷風扇の効果範囲を離れられるため便利です。
ペットがいる家庭は、冷却の効果範囲が限られている冷風扇が向いています。
小さい子どもに向いている
ペットと同じように小さい子どもがいる家庭にも、冷風扇が向いています。
小さい子どもは免疫が弱く、すぐに風邪を引いてしまうため、エアコンの当たりすぎには十分注意しなければなりません。
そこで冷風扇を設置しておけば、子どもが暑いと感じた時に冷風扇で冷たい空気を送り出せます。
小さい子どもがいる家庭は、エアコンや扇風機だけでなく冷風扇の活用を検討してみましょう。
冷風扇をおすすめしない状況
冷風扇にはメリット・デメリットの双方が存在しますが、次のような状況では使用をおすすめできません。
- 湿度が高くジメジメした暑い日
- ムワッとした猛暑の日
- 換気ができない場所
それぞれの状況を確認して、冷風扇を使うべきタイミングを把握しましょう。
湿度が高くジメジメした暑い日
湿度が高くジメジメした暑い日には、冷風扇をおすすめできません。
冷風扇は冷たい空気と同時に湿気も送り出してしまうため、湿度が高くジメジメした暑い日には不向きです。
湿度が上がると体感気温も上昇するため、冷風扇を使うと涼しいどころか暑く感じてしまいます。
湿度が高い日に冷風扇を使っても、冷却効果でが弱いためおすすめできません。
ムワッとした猛暑の日
ムワッとした猛暑の日に、冷風扇で暑さをしのぐことは難しいです。
真夏日などムワッとした猛暑の日には、冷却範囲が限定されている冷風扇は向いていません。
冷風扇は風があたる部分を冷やせますが、猛暑の日には部屋全体が暑くなっているため不十分です。
ムワッとした猛暑の日には、冷風扇ではなくエアコンと活用しましょう。
換気ができない場所
先ほども解説した通り、換気ができない場所で冷風扇を使用することは難しいです。
換気ができない場所で冷風扇を使うと、湿度が高くなり暑さを感じてしまいます。
冷風扇を効果的に使うには、換気ができる環境を整える必要があります。換気ができない場所では、冷風扇よりエアコンの除湿機能を使用しましょう。
【関連記事】エアコン除湿温度の適正設定とは?快適に感じる湿度・温度を徹底解説!
冷風扇が向いている人の特徴
冷風扇が向いている人の特徴は、次の通りです。
- エアコンの冷えが苦手
- 扇風機では物足りない
- エアコンが設置されていない
- 電気代を節約したい
- ペットや小さな子どもがいる
エアコンの冷えが苦手な方でも、冷風扇の自然な冷たい風が得意なケースもあります。扇風機の風では物足りなさを感じている方は、冷風扇を導入すればより一層涼しさを感じられます。
またエアコンの導入費用・電気代を節約したい方は、一時的に暑さをしのぐ家電として、冷風扇がおすすめです。
他にもペットや小さな子どもがいる家庭は、部屋全体を冷やすエアコンより一部分だけに冷たい風を送れる冷風扇が向いています。
冷風扇なしで部屋を涼しくするコツ
冷風扇なしでも部屋を涼しくすることは可能です。以下の冷風扇なしで部屋を涼しくするコツを確認して、暑さをしのぐために実践してみましょう。
除湿をする
冷風扇なしでも扇風機やエアコンで除湿をすると、部屋を涼しくできます。湿度が下がると温度も下がるため、除湿は暑さをしのぐ効果的な打開策です。
湿気の溜まっている場所に扇風機の風をぶつけると、溜まった湿気が拡散されます。さらにエアコンの除湿機能を活用すると、湿度を調整し部屋を涼しくできます。
詳しくは下記の記事で、エアコン除湿温度の適正設定を解説していますので、部屋を涼しくするための参考として読んでみましょう。
【関連記事】エアコン除湿温度の適正設定とは?快適に感じる湿度・温度を徹底解説!
エアコンを適正温度に設定する
エアコンを適正温度に設定すると、部屋を涼しくできます。
エアコンは厚生労働省によって28度設定が推奨されていますが、正しくは「室温が28度になるようエアコンを設定」するよう推奨しています。
外気温や湿度によって室温が変わるため、状況に応じてエアコンを適正温度に設定することが大切です。
詳しくは、下記の絶対湿度についてまとめた記事で、相対湿度との関係性やエアコンで湿度を調整する方法を解説しています。
【関連記事】絶対湿度とは?相対湿度との違いや湿度変化について徹底解説!早見表も
冷風扇のメリット・デメリットを比較して使うべきか検討しよう!
冷風扇のメリット・デメリットの双方を確認して、購入すべきか比較検討してみましょう。
冷風扇はおすすめしないと言われていますが、エアコンや扇風機にはないメリットもあります。
冷風扇は水を気化させて涼しい風を送り出すため、湿度が上がってしまうため、湿気の多い状況や換気が悪い場所ではおすすめできません。
そのため、冷風扇を使う際には湿気対策を十分にして、湿度が上がらないよう注意する必要があります。
下記の記事では湿気がやばいときの対策を詳しく紹介していますので、快適な室温・湿度に調整するためにぜひ読んでみてください。