第3種換気のメリット・デメリットとは?第1種との違いや換気システムの選び方を解説!

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24時間換気システムには、第1種〜3種までの種類があり、どの換気システムを採用するべきか検討する必要があります。

自分に合う換気システムを選ぶため、各換気システムのメリット・デメリットを把握しておきましょう。

この記事では換気システムの種類と、第1種換気・第3種換気のメリット・デメリットを解説します。

換気システムの選び方も併せて解説しますので、自分に合った換気システムを探す参考にしてください。

24時間換気システムとは?

24時間換気システムとは、家の中を常に換気するシステムを指します。

換気扇は空調を管理したいときに、ON・OFFを切り替えて空気を入れ替えますが、24時間換気システムは自動的に空気を入れ替えることが可能です。

換気扇はあくまで換気システムの一部であり、家の中の空気は常に循環して綺麗な空気に入れ替えられています。
そのため、窓を閉め切っていても汚れた空気が滞留することなく、新鮮な空気を室内に取り込んで生活を送れます。

換気システムの必要性

家を建てる際に、換気システムの設置が建築基準法によって義務付けられています。換気システムが求められている理由は、住宅の気密性が高まったことによるシックハウス症候群が問題となったからです。

シックハウス症候群は、住宅の建材から出るホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの化学物質が、体内に蓄積されることで発症します。

化学物質の他に結露によるカビが発生する要因ともなるため、気密性が高い家でも空気を循環させる換気システムが必要です。

換気システムを導入した家は、換気性能を高めてシックハウス症候群や結露を防止できるため、建築基準法で設置が義務付けられています。

自然換気と機械換気の違い

換気システムには、大きく分けて自然換気と機械換気の2種類があります。

自然換気とは、室外の風による圧力や空気の温度変化によって、排気口や給気口の開閉を行う方法です。
自然エネルギーによって換気を行うため、思い通りに換気できないケースがありますが、24時間常に稼働させられます。

機械換気は、換気扇や送風機など機械を活用して、強制的に空気を循環させる方法です。自然換気より大量の風を発生させて、確実に空気を入れ替えられますが、ON・OFFの切り替えを人力で行う必要があります。

24時間換気システムは、自然換気と機械換気を組み合わせたシステムによって、室内の空気をクリーンな状態に維持します。
そのため、換気システムを選ぶ際には、自然換気と機械換気の違いを理解しておくことが大切です。

換気システムの種類

 

換気システムには、第1種・第2種・第3種換気と、3種類のシステムがあります。

それぞれ空気を室内に取り入れる「給気」と、室内の空気を外に送り出す「排気」を自然換気・機械換気のどちらで行うか、換気方法が異なります。

換気システムの種類の違いを理解して、自分に合った換気方法を選びましょう。

第1種換気

第1種換気とは、給気・排気ともに機械換気で行う換気システムです。

給気と排気を強制的に行うため、安定した換気性能を実現できます。しかし、換気を機械換気だけで行うため、設備コストが高くなる傾向があり、他の換気システムより導入費用が高いです。

第1種換気は換気機器の機種によって、1時間ごとに換気できる風量が定められているため、部屋ごとに応じた機器を選ぶことで計画的な換気を実現できます。

第2種換気

第2種換気は、給気を機械換気で行い排気を自然換気で行う換気システムです。

給気を機械換気にすることで、外からチリやホコリなど汚れた空気の侵入を防ぎ、清潔な室内環境を維持できます。
そのため、工場のクリーンルームや病院の無菌室など、室内環境を清潔に保ちたい場所に多く採用されています。

第2種換気を気密性の低い住宅に採用すると、室内の湿った空気が壁内に入り込み、結露によって家を傷めてしまうため注意が必要です。
居住用住宅に採用される換気システムは、第1種換気か第3種換気が多く、第2種換気は無菌室やクリーンルームなど業務用施設に採用されるケースが多いです。

第3種換気

第3種換気とは、給気を自然換気で行い排気を機械換気で行う換気システムです。

室内の汚れた空気を強制的に外へ排出するため、トイレや浴室・厨房など匂いや水蒸気が気になる場所に使用されます。

給気を自然換気で行うため、第1種換気より換気性能は劣りますが、設備に費やすコストを削減できます。

第3種換気は、室内の空気をクリーンに保ちながら、設備コストを削減したい場合におすすめです。

第3種換気のメリット

第3種換気を導入するメリットは、次の通りです。

  • 導入コストが安い
  • メンテナンスがしやすい
  • 壁内・屋根裏に湿気が侵入しにくい

住宅に採用する換気システムは、第3種換気か第1種換気のどちらかになる可能性が高いです。
自分に合った換気システムを選ぶために、それぞれのメリット・デメリットを確認して比較検討しましょう。

導入コストが安い

第3種換気のメリットは、導入コストが安いことです。

給気を自然換気で行うため、機械換気の機器を取り付ける箇所が排気口だけでよく、コストを削減できます。

第1種換気は給気・排気ともに機械換気の機器を取り付ける必要があるため、導入コストが高いです。

さらに第3種換気は、排気だけを機械換気で行うため、消費電力が少なくランニングコストも低い傾向にあります。

メンテナンスがしやすい

第3種換気のメリットは、メンテナンスがしやすいことです。

フィルターがない機器を採用している場合は、半年から1年に1回のメンテナンス頻度で、換気システムを適切に手入れできます。

さらに掃除する箇所がフィルターと本体部分だけになるため、第1種換気よりメンテナンスがしやすいです。

壁内・屋根裏に湿気が侵入しにくい

第3種換気のメリットは、壁内・屋根裏に湿気が侵入しにくいことです。

室内の空気が排出される排気口を機械換気によって稼働させているため、出口に空気が引っ張られて負圧になります。
負圧になるため、室内の気圧が室外より下がり、壁内や屋根裏に湿気が侵入しにくいです。

壁内や屋根裏の湿気は、結露によってカビや腐食の原因となるため、住宅が劣化する要因となります。
第3種換気を採用すれば、壁内や屋根裏への結露の侵入を防ぎ、住宅を長持ちさせられます。

第3種換気のデメリット

第3種換気のデメリットは、次の通りです。

  • 排気による熱損失が大きい
  • 気密性が低いと換気効率が悪い
  • 給気口の寒冷対策が必要

それぞれのデメリットを確認して、第3種換気を採用するべきか検討しましょう。

排気による熱損失が大きい

第3種換気のデメリットは、排気による熱損失が大きいことです。

第1種換気では、排気する空気から熱を取り出し再利用できるため、熱損失が少なく暖房効率を向上できます。

しかし第3種換気は、排気した空気を再利用することができないため、熱損失が大きく暖房効率は低いです。

寒冷地などに住む場合は、第3種換気を採用すると暖房費が高くなり、寒さも感じてしまうでしょう。

気密性が低いと換気効率が悪い

第3種換気のデメリットは、家の気密性が低いと換気効率が悪いことです。

給気を自然換気で行っているため、気密性が低い家ではスキマから空気が入り込んでしまい、給気口から十分な給気を行えません。

第3種換気を採用する場合は、家の気密性を高めて換気効率を向上させる必要があります。

給気口の寒冷対策が必要

第3種換気は、給気口が急激に冷えて結露が発生するリスクがあります。そのため、第3種換気のデメリットとして、給気口の寒冷対策が必要です。

冬場や寒冷地では、給気口・排気口が冷やされて結露が生じるリスクがあります。
機械換気では、給気口・排気口の寒冷対策がされているケースが多いですが、自然換気は対策がされていない可能性が高いです。

第3種換気を採用する場合は、給気口に寒冷対策がされているかチェックしておく必要があります。

第1種換気のメリット

第1種換気のメリットは、次の通りです。

  • 熱交換システムで室内環境を快適に整えられる
  • 効率的に換気できる
  • メンテナンスはフィルター掃除のみで楽

第1種換気は、給気・排気ともに機械換気で行うため、換気効率が高いです。それぞれのメリットを確認して、第3種換気と第1種換気のどちらを採用するべきか検討しましょう。

熱交換システムで室内環境を快適に整えられる

第1種換気のメリットは、熱交換システムで室内環境を快適に整えられることです。

第1種換気に熱交換システムを導入することで、排気した空気の熱気や湿気を取り出し、給気へ再利用できます。
そのため、冬場には室内で温められた熱を給気へ再利用し、夏場には冷房で冷やされた空気を給気へと再利用できます。

第1種換気は熱交換システムと併用することで、年中快適な室内環境を実現できます。

効率的に換気できる

第1種換気は、給気・排気のどちらも機械換気で行うため、効率的に換気できるメリットがあります。

給気・排気を機械によって適切に調整するため、室内の気圧を一定に保ち、スキマ風による換気効率の悪化を防止可能です。

第3種換気では、気密性が低いと換気効率が悪くなるデメリットがありましたが、第1種換気は住宅の気密性に左右されず適切な換気を実現します。

メンテナンスはフィルター掃除のみで楽

第1種換気のメリットは、メンテナンスがフィルター掃除のみで完了するため楽なことです。

換気扇やエアコンと同じく、定期的にフィルターを掃除しなければ、性能が落ちて換気効率が下がってしまいます。

全熱交換型換気システムの場合は、本体掃除などは不要でフィルター掃除のみしておけば、換気効率を維持し長持ちさせられます

第1種換気のデメリット

第1種換気のデメリットは、次の通りです。

  • 導入・ランニングコストが高い
  • 設置場所に注意が必要

給気・換気ともに機械換気で行う第1種換気には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
それぞれのデメリットを確認して、第3種換気と第1種換気の魅力を把握しておきましょう。

導入・ランニングコストが高い

第1種換気のデメリットは、導入・ランニングコストが高いことです。

第1種換気は、給気・換気ともに機械を使うため、設備にかかるコストが高くなります。

換気システムに費やせる予算を計算して、費用対効果を考えながら導入するシステムを検討しましょう。

設置場所に注意が必要

第1種換気システムを導入する場合には、設置場所に注意が必要です。
熱交換システムが搭載された第1種換気システムを導入しても、設置場所が悪いと冬に寒い空気が、夏に暑い空気が給気される可能性があります。

設置場所が寒すぎたり暑すぎる場所の場合は、熱交換を行っても十分な熱量へ交換できず、快適な室温を給気できなくなります

第1種換気を採用する場合は、設置場所を業者と相談しておくことが大切です。

換気システムの選び方

どの寒気システムを選ぶべきか悩んだ場合は、次の3つのポイントから導入するシステムを選んでください。

  • メンテナンスのしやすさ
  • コストと予算の兼ね合い
  • 換気効率の良さ

それぞれのポイントを押さえて換気システムを選べば、導入してから後悔するリスクを軽減できます。
自分に合った換気システムを選ぶため、それぞれのポイントを確認しておきましょう。

メンテナンスのしやすさ

換気システムを長持ちさせるには、定期メンテナンスが必要不可欠です。換気システム選びで悩んだ際には、メンテナンスのしやすさを重視しましょう。

メンテナンスを怠ると、フィルターにカビやホコリがたまる要因となるため、定期的に手入れをしなければなりません。
換気システムを導入する前に「自分で手入れできるか」「どのくらいの頻度でメンテナンスをするべきか」業者に確認しておきましょう。

コストと予算の兼ね合い

換気システムの選び方として、コストと予算の兼ね合いを重視する必要があります。

どれだけ換気効率が高くても、初期費用やランニングコストが高いと費用対効果が低くなります。
コストと予算の兼ね合いを考えて、換気システムにいくらまでコストを費やすべきか、予算を割り出しておきましょう。

換気効率の良さ

換気システムを選ぶ際は、換気効率の良さを重視することが大切です。

地域や家の気密性によって換気効率は変わりますが、どの程度の換気効率を実現できるシステムなのか把握しておかなければなりません。

自分が求める快適な室内環境を実現できる換気システムを選べば、満足感が高い生活を送れます。

第3種換気を導入するべきか他換気システムと比較検討しよう!

第3種換気を導入するべきか悩んだ際には、第1種換気を含む他の換気システムと比較検討しましょう。

換気システムは大きく分けて3種類あり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
メンテナンスのしやすさと予算・換気効率をふまえて、自分に合う換気システムを選ぶことが大切です。

第3種換気を導入するべきか第1種換気を採用するべきか悩んだ際には、それぞれのメリット・デメリットを比較して、自分に合うシステムを選びましょう。

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