断熱等級とは?等級4が最低基準になる2025年に向けて。知っておかないとヤバいです

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クオホームの本田です。

2025年に新築の断熱性能の最低基準が上がると、法改正が発表されました。

断熱性能の基準が上がれば省エネ効果が高くなり、快適に過ごせるだけでなく光熱費の節電にも繋がります。

家の断熱性能を判断する基準は「断熱等級」と呼ばれるランクが指標です。

今後、新築物件の建設を検討している方は、2025年の法改正に向けて断熱等級について理解を深めておきましょう。

断熱等級とはどのような基準なのか、調べ方や省エネとの関係性をふまえて詳しく解説していきます。
断熱等級は今後の新築建設に深く関わってくる基準ですので、最後まで読んで住宅建設の参考にしてください。

断熱等級とは?

住宅を建てる際によく耳にする「断熱等級」という言葉ですが、意味を理解していないままでは工務店との打ち合わせもスムーズに進みません。
マイホームが欲しくて工務店やハウスメーカーに相談にいっても、断熱等級の意味が分からず困ってしまう方も多いでしょう。

快適に過ごせる理想のマイホームを建てるために、断熱等級の概要を確認しておきましょう。

国土交通省が定める断熱性能

断熱等級とは、正式名称を「断熱等性能等級」と呼び、国土交通省が定める住宅の品質確保の促進等に関わる法律「品確法」で規定されている断熱の基準です。

断熱等級は断熱性能だけでなく省エネ性能を含む基準なので「断熱等性能等級」と呼ばれています。

2022年11月現在では断熱等級1〜7まであり、数字が大きくなるほど断熱性能が高いことを示します。

断熱等級 等級別の断熱性能目安
等級7 HEAT20のG3グレードと同程度の断熱性能。冷暖房にかかるエネルギー消費を40%カットできるレベル
等級6 HEAT20のG2グレードと同程度の断熱性能。冷暖房にかかるエネルギー消費を30%カットできるレベル
等級5 エネルギー収支をゼロにする「ZEH」基準と同程度の断熱性能。
等級4 次世代省エネルギー基準の断熱性能。壁や天井・床だけでなく窓も断熱材を使用しているレベル
2025年以降に建てられる建物は、等級4が最低基準になる。
等級3 新省エネルギー基準の断熱性能。一定水準の断熱性能があるレベル
等級2 旧省エネルギー基準の断熱性能。冬は寒く感じるレベル
等級1 上記以外の断熱性能。省エネ・断熱性能ともに低い

※参考:国土交通省|住宅性能表示制度の省エネ上位等級の創設

ちなみにHEAT20とは、2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会のこと。つまり、断熱性能について研究している一般社団法人が定める断熱性能のことです。

断熱等級別の断熱性能の違いを把握して、どの等級で家を建てるべきか検討してみてください。

断熱等級7はいつから?

実は2021年までは、断熱等級5までしか存在しませんでした。断熱等級6・7は2022年10月から新設された基準です。

断熱等級は年月に応じて建築技術・省エネ促進が発展することで、高い断熱性能が求められるようになりました。それぞれの等級が、いつから採用されたのかを確認してみましょう。

断熱等級 等級が採用された年代
等級7 2022年10月1日
等級6 2022年10月1日
等級5 2022年4月1日
等級4 1999年
等級3 1992年
等級2 1980年
等級1

断熱等級3以下は、40年以上前に採用された基準なので、断熱性能が低いです。

また昨年まで最高基準だった等級4ですが、2025年4月より断熱等級4が最低基準になります。そのため、2025年4月以降に建てられる物件は、すべて断熱等級4以上の物件になるでしょう。

そのため等級4が断熱性能の基準になることをふまえて、家を建ててみてください。

断熱等級はUA値で表される

断熱等級はUA値と呼ばれる表されます。UA値とは、室内から壁や天井・窓や扉などを通じて外に逃げる熱量を平均的に表した「外皮平均熱貫流率」のことです。

家から逃げる熱量を家の外皮面積全体で割ることでUA値を算出できます。そのため、UA値算出する計算式は、次の通りです。

【UA値の計算式】
外皮平均熱貫流率(UA値)=建物から逃げる熱量(w/k)÷外皮面積(㎡)

UA値は低いほど断熱性能が高くなり、省エネ性能が優れていることを示します。

UA値については以下の記事も参考にしてください。

地域区分により断熱等級は異なる

断熱等級の基準は、全国共通の指標ではありません

なぜなら、沖縄では断熱性が担保される家でも、北海道では断熱性が足りなくなるからです。
家を建てる際には、地域区分によって断熱等級が異なることを理解しておきましょう。
地域区分別の断熱等級は、次の通りです。

断熱等級 UA値 地域区分1 地域区分2 地域区分3 地域区分4 地域区分5 地域区分6 地域区分7 地域区分8
北海道 北海道・東北 東北・甲信越 中部・関東・北陸 関東・東海・近畿・四国 東海・近畿・四国・中国 九州 沖縄
等級7 0.20 0.20 0.20 0.23 0.26 0.26 0.26
等級6 0.28 0.28 0.28 0.34 0.46 0.46 0.46
等級5 0.4 0.4 0.5 0.6 0.6 0.6 0.6
等級4 0.46 0.46 0.56 0.75 0.87 0.87 0.87
等級3 0.54 0.54 1.04 1.25 1.54 1.54 1.81
等級2 0.71 0.71 1.21 1.47 1.67 1.67 2.35

※参考:国土交通省|住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設

どの地域で家を建てるかによって、求められる断熱等級が異なります。断熱性能が高い家を建てたい方は、地域区分ごとの違いを理解しておきましょう。

※上記表の数値は記事更新時のものですので、今後法改正により基準が変わることもあります。

断熱等級の調べ方とは?

「断熱等級が高い家を建てたい」「家の断熱等級を調べたい」など、断熱等級に関する質問を多くいただきます。

万が一、現在住んでいる家の断熱等級が低い場合は、断熱性能を向上させるリフォームを検討してみてください。
また、新築物件を建設中の方は、断熱等級を確認して求める等級になるよう工務店に相談してみましょう。

断熱等級は工務店や建築士に確認する

断熱等級の調べ方は、家を設計した工務店や建築士に確認することです。

家を設計する建築士には、断熱等級を含めた家の性能を依頼者に説明する義務があります。

「断熱等級を聞くのは失礼になるのでは?」と、遠慮をする必要はありません。
家を設計した建築士以外にも、工務店に相談すれば断熱等級を調べることも可能です。

省エネ性や断熱性を求める方は、工務店や建築士に断熱等級を確認しておきましょう。

現場で断熱等級を調べられる?

断熱等級を調べる際に「建築している現場で調べられるのか?」と疑問を抱くこともあるでしょう。

断熱等級は現場で調べるものではなく、設計段階で判明するものです。建築段階の現場に行かなくても、家に使用する素材や設備のグレード・間取りによって、設計段階でUA値を算出できます

「UA値を現場で測定できるのか?」という疑問について、詳しく解説した動画がありますので時間がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

【動画】Ua値は現場測定できるのか?

断熱等級が高い家を建てるメリットとは?

断熱等級が高い家をおすすめしている理由は、断熱性能が高い家はさまざまなメリットがあるからです。
新築建設を検討している方は、断熱等級が高い家のメリットを確認して、快適に過ごせる省エネ性に優れた家を建てましょう。

年中快適な室温を保てる

断熱等級が高い家を建てると、年中快適な室温で生活を送れます。

UA値が低く室内の温度を逃がしにくい断熱等級が高い家は、外気温の影響を受けづらいです。
そのため、夏は冷房の冷気を逃がしにくく、冬は暖房の熱気を逃さない特徴があります。

UA値が高い家の場合は、冷暖房で室温を調整しても外気温の影響で、すぐに温度が変化してしまうでしょう。
しかし、UA値が低い家の場合は室内を一定の温度に保ち、年中快適に過ごせる環境をつくれます。

省エネ性が高く節電できる

断熱等級が高い家を建てると、省エネ性が高く節電できます。

エアコンやヒーター・扇風機など空調設備で調整した室温を外気に逃さないため、最小限のエネルギー消費で快適な生活が可能です。

そのため、エアコンを省エネ設定で稼働させて、余計なエネルギー消費をカットできます。

省エネ性に優れた断熱等級が高い家を建てることで、節電効果が期待でき光熱費の削減が可能です。

吹き抜けや高天井でも寒くない

断熱等級が高い家なら、吹き抜けや高天井でも寒くありません。

吹き抜けや高天井は家を開放的にして、優雅な空間を演出してくれる人気が高いデザインですが、空間が広くなることでエアコンの効きが悪くなり、冬は寒いのでは?と思うかもしれません。

しかし、吹き抜けや高天井があっても、断熱等級が高い家であれば冬でも暖かく快適な生活が可能です。
室内のデザイン性にこだわりたい、吹き抜けなどの開放的なデザインに憧れている方は、断熱等級が高い家をおすすめします。

ヒートショックを防げる

断熱等級が高い家を建てると、ヒートショックを防げるので安心して生活できます。

冬の急激な温度変化で起きるヒートショックは、大きな事故に発展する深刻な問題です。
ヒートショックとは、気温や室温の変化によって血圧が変動して、脳内出血や大動脈解離・心筋梗塞・脳梗塞などの疾患を引き起こす現象です。

特に高齢の方に起こりやすい現象で、冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所へ移動した際などにヒートショックが発生してしまいます。

断熱等級が高い家であれば、室内の温度を一定に保ってヒートショックが起こりにくい環境をつくりだせるので安心です。

断熱等級を高くすると建築費用が高くなる?

「断熱等級を高くする際には、建築費用が高くなるのか?」と、よく相談をいただきます。

断熱等級を上げるには、家に使用する素材や設備を断熱性が高いものにグレードアップしなければいけません。
そのため、同じ間取りでも断熱等級が低い家に比べて、断熱等級が高い家の方が建築費用は高くなります

しかし、断熱等級が高い家であれば省エネ性も優れており、住んでからの光熱費や家電メンテナンス費を抑えられるのでおすすめです。

建築費用を抑えようと断熱等級を低く設計しても、生活してから「やっぱり断熱性を上げたい」と思ってもリフォームをするしかありません。

建築後にリフォームをすれば余計に費用がふくらむため、家を建てる際に断熱等級が高い家を設計しておきましょう。

姫路で断熱等級が高い家を建てるなら・・・

ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございます。

2025年に断熱等級に関わる法改正が行われ、断熱等級4が最低基準になります。
国が最低基準を等級4に定めたということは、これからの時代は最低でも等級4以上の断熱等級が求められているのです。

理解していただきたいのは、ただ単純に快適に過ごせる家を作りましょう基準というわけではなく「断熱性が高い家を建てる=省エネにつながる=CO2排出量を実質ゼロにする」という本質があるということ。

日本は先進国でも非常に省エネに対して遅れをとっているため、断熱等級の最低レベルをあげていかないと、世界基準に追いつけないのです。

断熱等級が高い家を建てたい方は、建築士や工務店選びを慎重に行なってみてください。
できるだけ長く暮らすマイホームを建てるなら、断熱等級が高く省エネ性に優れた家を建てましょう。

クオホームは兵庫県姫路市で、「長持ちする家」をコンセプトに工務店を営む企業です。
断熱等級・省エネ性能が高い家を日々お客様にご提案させていただいており、予算に合わせた家づくりをしております。

姫路エリアで断熱等級が高い家を建てるなら、クオホームにぜひご相談ください。
何気ない相談も喜んでお受けしていますので、お気兼ねなくご相談いただければ幸いです。

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