SE構法のメリット・デメリットとは?採用することで実現できるデザインを6つご紹介!

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耐震性の高い木造住宅を建てたい方には、SE構法がおすすめです。

SE構法は、従来の在来軸組構法より耐震性に優れた家を建てられるため、安心して生活ができます。

しかし住宅建設を検討している方には「SE構法とは何?」と、名前自体を聞き慣れないケースもあるでしょう。

そこで、この記事ではSE構法の特徴について、メリット・デメリットの双方の観点を交えて解説します。

SE構法を採用することで実現できる間取りも6つ紹介しますので、最後まで読んで住宅を建設する際の参考にしてください。

SE構法とは?

引用元|株式会社エヌ・シー・エヌ公式ホームページ

SE構法とは、自由な空間デザインと高い耐震性能を両立した木造建築技術です。

SEは「Safety Engineeringn(工学的に安全)」の略称であり、許容応力度計算や立体解析構造計算プログラムなどの構造計算を行うことによって、高い耐震性能を実現しています。

関連:耐震等級の罠!計算方法で強度が変わる|許容応力度計算について

住宅建築を検討している方は、SE構法の特徴を確認しておきましょう。

  • SE構法の歴史
  • SE構法は日本初の木造ラーメン構法
  • SE構法を施工できる工務店

それぞれの特徴を確認して、SE構法についての理解を深めましょう。

SE構法の歴史

SE構法は、1995年に起きた阪神淡路大震災で数多くの木造家屋が倒壊したことから、耐震性能の高い住宅を建設するために開発されました。

株式会社エヌ・シー・エヌが、構造建築家の「播 繁(ばん しげる)」氏と共同開発し、木造でありながらも鉄骨やRCに負けない耐震性能を実現しています。

1999年には、SE構法が建築基準法第38条建設大臣認定を取得し、「瑕疵保証制度(かし保証制度)」に先駆けて「SE住宅性能保証制度」をスタートしました。

その後もSE構法は知名度を拡大し、日本全国で施工されるほど人気が出ています。

SE構法は日本初の木造ラーメン構法

ラーメン構法は、柱と梁を剛接合にすることで強度を上げる構法です。
鉄骨やRC造では主流の構法ですが、木造住宅では天然素材である木を均一の強度の木材を調達し、木の接合面で剛接合を実現させることが難しく実現が困難でした。

SE構法は、木造住宅でありながらもラーメン構法を実現した初めての構法です。

SE構法を実現させるために、日本の標準地域で約168年間・塩害地域で約100年間も使用できるSE金物と、木材の引張強度を従来の2倍に向上させるSボルトを開発しました。
SE金物とSボルトを活用することで、従来では施工が困難だった木造住宅のラーメン構法を日本で初めて実現しています。

SE構法は地震に強い家を施工するため、木造住宅でありながらもラーメン構法を取り入れて、高い耐震性を実現しました。

SE構法を施工できる工務店

開発者であるエヌ・シー・エヌの他にも、専門資格を有する「SE構法登録施工店」であれば、SE構法で家を建設できます。

SE構法は、強い構造躯体と徹底した構造計算によって、高い耐震性能と自由な居住空間を両立させました。
そのため、SE構法を施工するためには一定のスキルとノウハウが必要であり「SE構法登録施工店」に任命されなければなりません。

エヌ・シー・エヌの公式ホームページより、SE構法登録施工店を検索できるため、SE構法で家を建てたい方はチェックしておきましょう。

参照|株式会社エヌ・シー・エヌ公式ホームページ「工務店検索」

SE構法のメリット

引用元|株式会社エヌ・シー・エヌ公式ホームページ

SE構法を採用すれば、次のようなメリットを得られます。

  • 高い耐震性で災害に備えられる
  • 断熱性能を高めやすい
  • 間取りや空間の自由度が高い

SE構法で家を建てるべきか悩んでいる方は、それぞれのメリットを確認しておきましょう。

高い耐震性で災害に備えられる

SE構法を採用するメリットは、高い耐震性で災害に備えられることです。

SE構法は、阪神淡路大震災で被災した木造住宅を研究して開発されており、高い耐震性能を実現しました。
過去にSE構法で施工された住宅は16,000棟以上ありますが、構造の損傷や倒壊は一棟もありません

東日本大震災や熊本地震などの大地震でも倒壊しなかった圧倒的な耐震性能は、地震大国である日本に住む方にとって高い安心感を得られるメリットがあります。

耐震性を高めるために、軽量の木材を使用したラーメン構法を採用しており、SE構法は大地震に備える住宅として最適です。

また、耐震性の高い住宅を建てたい方は、下記の耐震住宅のデメリットについて詳しく解説した記事を読んでください。

【関連記事】地震に強い家を建てたい|耐震住宅にはデメリットもあるって本当?

断熱性能を高めやすい

SE構法を採用するメリットは、断熱性能を高めやすいことです。

SE構法で採用している耐力壁は、断熱材を充填しやすい構造であり、断熱性能を高めやすいメリットがあります。

具体的には、家の外側を断熱材で覆う外断熱工法を実施しやすく、高断熱住宅を建てたい方に向いています。

耐震性能だけでなく断熱性能も高められるSE構法は、安心と快適さを兼ね備えた家づくりを実現できます。

間取りや空間の自由度が高い

SE構法を採用するメリットは、間取りや空間の自由度が高いことです。

SE構法は、ラーメン構造と耐力壁を組み合わせており、従来の木造住宅より少ない柱や梁で施工できます。
そのため、広い空間や自由度の高い間取りで家を設計でき、自分好みの空間を実現できます。

SE構法は、開放的な空間と高い耐震性能を兼ね備えているため、デザイン性と安全性を確保した住宅建築が可能です。

SE構法のデメリット

 

引用元|株式会社エヌ・シー・エヌ公式ホームページ

SE構法には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
SE構法を採用するべきか悩んでいる方は、メリットと併せてデメリットを確認しておきましょう。

SE構法を採用するデメリットは、次の通りです。

  • 技術力が高く施工できる業者が限られている
  • 歴史が浅く将来の心配がある
  • 一般的な木造住宅よりコストがかかる

それぞれのデメリットを確認して、住宅建築の参考にしてください。

技術力が高く施工できる業者が限られている

SE構法を採用するデメリットは、技術力が高く施工できる業者が限られていることです。

SE構法を施工できる業者は「SE構法登録施工店」に認定されている必要があり、どの工務店でも施工できるわけではありません。

そのため対象エリア内にSE構法登録施工店がない場合は、SE構法で家を建てられないデメリットがあります。

SE構法で家を建てたい場合は、エヌ・シー・エヌの公式ホームページから対象エリアを絞り込んで、SE構法登録施工店を検索してください。

参照|株式会社エヌ・シー・エヌ公式ホームページ「工務店検索」

歴史が浅い

SE構法のデメリットは、歴史が浅いことです。

SE構法は、1997年に建設大臣の認定を受けており、まだ歴史が浅く耐震補強が必要になった際の対応が確立されていません。

従来の木造建築では、耐震補強が必要になった際の補強工事が対応として確率されていますが、SE構法で建てた家はまだ築年数が浅く補強工事の実例が少ないです。

そのため、将来にどのような対応が必要になるか、不確定さが心配になるデメリットがあります。

一般的な木造住宅よりコストがかかる

SE構法を採用するデメリットは、一般的な木造住宅よりコストがかかることです。

SE構法は、基礎工事に高い精度が求められ、専用の金物を使用するなど、一般的な木造住宅よりコストがかかります。
さらに耐震性に優れた住宅を実現するためには、構造設計の費用がかかり、住宅1棟に対して150万円ほどの追加費用が発生します。

SE構法は高い耐震性能と自由度の高いデザインを実現しますが、一般的な木造住宅よりコストがかかるため、予算と相談が必要です。

SE構法で実現できるデザイン

引用元|株式会社エヌ・シー・エヌ公式ホームページ

SE構法は、柱や梁が少ない特徴があり、空間を広々と活用できます。SE構法で家を建てれば、次のようなデザインを実現可能です。

  • 開放的な大空間
  • 採光と見晴らしの良い大開口
  • 開放的な吹き抜け
  • ビルトインガレージ
  • 屋上ルーフバルコニー
  • スキップフロア

それぞれのデザインを確認して、住宅建築の参考にしてください。

開放的な大空間

SE構法で家を建てることで、開放的な大空間を実現できます。

30畳以上の大きなリビングルームや高い天井を実現して、広々とした空間で生活ができます。

SE構法は柱や梁の数を少なくしても耐震性能・強度を保てるため、耐久性とデザイン性を兼ね備えた住宅を建設可能です。

開放的な大空間を自宅に実現したい方は、SE構法が向いています。

採光と見晴らしの良い大開口

SE構法を採用すれば、採光と見晴らしの良い大開口を実現できます。

住宅の窓を大開口にすることで、内と外がシームレスにつながり開放的な見晴らしを楽しめます。

大開口は見晴らしだけでなく、室内に広く採光を取り込めるため、洗濯物の部屋干しや天日干しが可能です。
さらに、二面採光やL字採光・ガラス張りの中庭やアウトドアリビングなど、大開口のあるデザインで家を設計できます。

ダイナミックな開放感と明るい採光を求めている方は、SE構法で大開口を設計しましょう。

開放的な吹き抜け

SE構法で家を建てれば、開放的な吹き抜けを実現可能です。

SE構法の家は、柱や梁を少なく設計できるだけでなく強度があるため、吹き抜けや高い天井のような自由度の高いデザインで設計できます。

開放的な吹き抜けを取り入れれば、視覚的に空間を広く見せることができ、室内を明るく開放的な雰囲気にできます。

また吹き抜けから採光を取り込んだり、上下階にいる家族のコミュニケーションを活性化させたりと、明るい雰囲気の家庭を実現可能です。

SE構法で家を建てる際には、開放的な吹き抜けを導入するべきか検討しましょう。

ビルトインガレージ

SE構法を採用すれば、ビルトインガレージを実現可能です。

ビルトインガレージは、住宅の1階部分をガレージとするため耐震性に不安が残ります。
しかしSE構法で家を建てれば、高い耐震性を確保できるため、ビルドインガレージを導入しても耐震性能に優れた家を設計可能です。

ビルドインガレージのある家は、車を雨風にさらすことなくメンテナンスがしやすいため、愛車を長持ちさせられます。

さらに壁と屋根のある野外スペースとして活用できるため、収納スペースやDYIスペースとして利用できます。

ビルトインガレージとは?メリット・デメリットとハウスメーカー選びのポイントを解説

屋上ルーフバルコニー

SE構法で家を建てれば、屋上ルーフバルコニーを実現できます。

ルーフバルコニーは、敷地に余裕がない都市部の家などにおすすめです。屋上に室外スペースを確保できるため、洗濯物やバーベキュー・日光浴に活用できます。

SE構法で屋上ルーフバルコニーを設計する際には、人間が屋上に乗ることを考慮して構造設計を行います。

そのため、安全性を確保しながら開放的な屋上ルーフバルコニーを実現できるのです。

スキップフロア

SE構法は、スキップフロアのような複雑な構造設計を実現できます。

スキップフロアは、床の高さの異なるスペースを同フロア内に併設する技術です。スキップフロアは、高い技術力と建物の安全性が求められますが、SE構法であれば問題なく設計できます。

スキップフロアのある家は、収納スペースや子ども部屋など高低差の異なるスペースを有効活用できるため、間取りの自由度が高いです。

さらにスキップフロアは視覚的に空間を広く見せれるため、住宅の敷地面積が限られている家でも広く感じます

【動画あり】スキップフロアの間取り実例や6つの注意点など

木造住宅を建てる際にはSE構法を1つの選択肢として考えよう!

引用元|株式会社エヌ・シー・エヌ公式ホームページ

木造住宅を建てる際には、SE構法を1つの選択肢として考えましょう。

SE構法は、地震に耐えられるように開発されており、耐震性能が高い家を設計できます。耐震性だけでなく、柱や梁が少ないことから自由度の高いデザインで家を設計できるため、こだわり抜いた住宅を実現できます。

SE構法は木造住宅でありながら、ラーメン構造を実現した初めの構法であり、高い技術力がなければ施工できません。

SE構法登録工務店に依頼すれば、SE構法で家を建てられるため、木造住宅を建てる際には採用すべきか判断してください。

自分好みのデザインと高い耐震性による安心感を得られるSE構法は、優れた住宅建築技術の1つです。

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