第一種換気システムはこれが最適?アメニティエアコンとセットで使えるガデリウスの「RDKR」とは
こんにちは、クオホームの本田です。
最近、第一種換気システムの種類もいろいろ増えてきました。その結果、「どれを選んだら良いのか?」と悩んでる方が多くなっている印象があります。
「え?そもそも換気システムのこと自体よくわからない…」という方は、先にこちらのブログをご覧ください。
今回は、エアコンとドッキングして全館空調としても使えるガデリスウス社の第一種換気システム「RDKR」についてご紹介します。
ガデリウス社とは
ガデリウス(GADELIUS)社は、1890年にスウェーデンで創業したスウェーデン外資専門商社です。スウェーデンに古くから伝わる「物質的な豊かさよりも、本物と長く付き合うことを選ぶ」という価値観のもと、さまざまな建築材料・設備を日本に届けています。
ガデリウス社で取り扱っている商品はどれもスウェーデン生まれ。
今回紹介する24時間換気システムのほか、高気密木製三層ガラス窓や、高気密木製断熱玄関ドアなども取り扱っています。
高気密木製断熱玄関ドアについては以前、ブログで紹介しています。
興味のある方はぜひそちらもご覧ください。
第一種換気システム「RDKR」とは?
「RDKR」とは、住宅環境先進国スウェーデンで生まれた全熱交換型の第一種換気システムです。
ご存じの通り、現在の日本では24時間換気の設置が義務付けられています。
しかし特に対策をせずに換気を続けると、室内の冷暖房の空気がどんどん外に逃げてしまいますよね。するとどうなるでしょう。
冷暖房の効きは悪くなり、家全体のエネルギー効率を下げる原因になってしまいます。
それを防ぐのが、今回紹介する「RDKR」のような全熱交換型の第一種換気システムです。
ここで、それぞれの用語を少しおさらいしていきます。
第一種換気とは
第一種換気とは、空気の入口(吸気口)と出口(排気口)の両方に機械が取り付けられいて強制的に換気を行うシステムのことです。機械の力で計画通りの換気を確実に行ってくれます。
また、国内で流通しているほとんどの第一種換気には、以下で説明する「熱交換」の機能が付いています。
熱交換とは
「温度の高い方から低い方へ移動する熱の性質を利用して、暖かい熱と冷たい熱を入れ替えること」を熱交換といいます。(引用元:熱交換換気:高断熱高気密住宅に欠かせない省エネ機器 | 良質なくらし)
この現象を換気システムに応用するとどうなるでしょうか。例えば冬、外から吸った空気が冷たくても、熱交換によって室内の温度に近づけることができます。こうすることで、室内に新鮮な空気を取り込みつつも、熱を逃がしにくい快適な住環境が実現します。
全熱交換型とは
温度(顕熱)と湿度(潜熱)の2種類を同時に熱交換してくれるものを全熱交換型といいます。ちょっと何言ってるかわからないかもしれませんが、簡単に言うと湿度調整もできる換気システムだとご理解ください。
(※一方、潜熱の回収機能がない、つまり湿度の調整はできない換気システムを顕熱交換型といいます。両者の比較についてはこちらをご覧ください。)
まとめると
ガデリウス社のRDKRは、機械を利用した湿度調整もできる換気システムということです。
ちなみに、RDKRの熱交換率は約80%です。
〈例〉室内20℃、外気温0℃の場合、空気を16℃にしてから室内に取り込んでくれる。
RDKRのメリットは?
では、この換気システムを採用するメリットは一体何でしょうか?
まずはじめに、第一種換気ならではのメリットを紹介させて頂きます。
ダクトを通じて各部屋に新鮮な空気を送り込むことができる
RDKRによって外から取り込まれた空気は2種類のフィルターを通過し、そこで花粉やPM2.5などの人体に害のある物質が除去されます。
その空気が部屋に張り巡らされたダクトを通じて各部屋に送り込まれるので、家のどこにいても新鮮な空気を吸うことができるのです。
また、湿度を調整してくれるのでカビや結露を防ぐ効果もあります。
省エネ
先に述べた通り、第一種換気はエアコンによって温めた(もしくは冷やした)熱を外に捨てない仕組みですので、非常に省エネです。
エアコンの出力が少なく済み、電気代が安くなります。
続いて、他社の第一種換気と比べてガデリウス社のRDKRが優れている点を4つご紹介します。
とても静か!
動いているところを間近で見ましたが、非常に静音性に優れていると感じました。
実際に住んでいる方によると、風量「弱」であれば寝室に置いても気にならないレベルだそうです。「中」運転にして初めて音を確認できます。普段の生活であれば「弱」運転がデフォルトですので、騒音はほとんどないと言っていいでしょう。
音がうるさい換気システムもありますので、これは大きなメリットだと言えます。
省スペース
RDKR本体の大きさは縦横600mm程度です。
クローゼットの中でも設置できるので邪魔にならず、非常に省スペースです。
メンテナンスがしやすい
どのメーカーの第一種換気にも、空気をきれいにするフィルターが必ず付いています。チリやホコリが溜まるので定期的なメンテナンスが必要です。しかし、ものによっては天井に設置されていたり、フィルターの構造が複雑だったりして、お手入れが面倒な場合があります。
ところが、RDKRは手に届く位置に設置できます。かつ、メンテナンスが必要なフィルターが1種類しかないためお手入れが非常に楽です。メンテナンスについて詳しくは後述しますが、こまめに掃除ができるのでより清潔に保つことができます。
カビないからお風呂の換気もOK
RDKRは全熱交換型です。温度だけでなく、湿度も上手にコントロールしてくれます。
その秘密は一体何でしょうか。
一般的な第一種換気は、熱交換をする部分(熱交換素子)が紙でできています。当然、カビが生えやすいため湿気はNGです。そのため、浴室には別途専用の換気扇をつけることとなります。
一方、ガデリウス社のRDKRは金属でできています。
カビが発生しないため、浴室の換気が可能です。
実は、ガデリウス社の熱交換率80%という数字はそこまで高くありません。
他社製品では熱交換率90%をうたっているものもあります。
しかし、RDKRは浴室の換気に接続できるというメリットがあります。
換気扇を別でもう1つ付ける必要がないので、家全体で考えた場合の断熱効率はRDKRのほうが優れている場合もあるのです。
また、大きな熱量を持つ浴室からの排熱を回収することは、熱交換の視点から見ても非常に効率的です。
もちろん、設計によって実数値は異なるので一概にそうとは言えません。
しかし、「こういう考え方もあるんだ」ということをぜひ頭に入れておいて頂ければと思います。
RDKRのデメリットは?
一見、完璧そうなRDKRですが、もちろんデメリットも存在します。
普及品に比べて初期費用が割高
他社の第一種換気に比べ、ガデリウス社のRDKRは値段が若干割高です。
そもそも第一種換気自体が高価といえます。
新鮮な空気をお金を出して買うことにどれだけ価値を見いだすか。
この価値観は人それぞれでしょう。
施工の技術力が問われる
各部屋に直径150mmのダクトを行き渡らせる必要があるRDKR。この工事は、家づくりに携わる設計士さん、現場監督さん、大工さん、空調工事技師さん、それぞれに経験や知識が求められるものとなります。ですので、第一種換気に不慣れな工務店に頼むと思わぬ失敗が起こることも。
RDKRを導入する際は、これらのデメリットをしっかり理解した上で計画を立てましょう。
RDKRとダイキンのアメニティエアコンを組み合わせて全館空調に
RDKRの特徴のひとつがエアコンとドッキングできることです。
ドッキングするのはダイキンの天井埋め込みタイプのダクト式アメニティエアコン。これと併用することで、「G-air」という全館換気冷暖房システムを構築できます。
「G-air」では換気システムから送られてくる室温に近い空気を利用するため、エアコンにかかる負荷が少なくなります。
そのため電気代が安くなるのがメリットのひとつです。
また、夏は涼しく、冬は暖かい快適な室温の空気を各部屋に送ってくれるため、家全体の温度差が無くなります。体への負担が軽減するのが嬉しいです。
さらに、空気の温度差が無くなることで、エアコン内の結露を防ぐ効果もあります。カビ発生やアレルギーのリスクが下がるため、健康予防面のメリットは計り知れません。
RDKRのメンテナンス性は?
気になるのがメンテナンス性です。いくら性能が良くても、メンテナンスに難ありであれば避けたいところですよね。結論から言うと、先にも述べた通り、ガデリウスRDKRのメンテナンスは比較的簡単だなと感じました。そう思ったポイントを解説していきます。
すぐ届く場所に設置できる
高所設置タイプではないので、思い立った時にすぐ掃除が可能です。
歳を取ってもハシゴに登らなくて済むので助かります。
掃除はフィルターを掃除機で吸うだけ
定期的な掃除はフィルターを掃除機で吸うだけです。
そのフィルターはスライド式かつワンタッチで取り外し可能ですので、簡単にお手入れができます。
掃除機で吸うフィルターの数は1つ
RDKRには2つのフィルターが付いていますが、掃除機でのメンテナンスが必要なフィルターは1つのみです。もう1つは6カ月~1年ごとの交換が推奨されている使い捨てフィルターになっています。
モーターの交換が簡単
もし機械部分(モーター)が故障しても、交換は容易ですので万が一の時も安心です。
海外製品ですが、ガデリウスの支店は日本各地にあるのでアフターサービス面でも心配はいりません。
ダクトの掃除は不要?
気になるのがダクト内のメンテナンスです。
まず、きれいな空気を送る給気ダクトについてですが、こちらはフィルターを通過したきれいな風が常に通るため、汚れることはまずありません。
汚れるとしたら排気のダクトのほうですが、こちらを通る空気は全て外に排出されるものなので、ダクトの汚れが室内に影響を及ぼすことはあり得ません。
心配するとしたら目詰まりによる排気力の低下ですが、RDKRの排気ダクトの直径は150mmもあります。大口径です。常に風が送られる中、ゴミやホコリによって詰まることは考えにくいと言えるでしょう。
よってダクト内の掃除は不要、というのが通説です。
第一種換気システムと全館空調選びは難しい
ここまでで、ガデリウス社の「RDKR」の良さが伝わったでしょうか?
とはいえ、第一種換気システムと全館空調を1つに選ぶことは非常に難しいです。種類がたくさんありますし、それぞれに良いところ、悪いところがあります。
こちらの記事でも色んな全館空調システムをご紹介していますので、迷われている方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、私がおすすめする第一種換気システム、ガデリウス社の「RDKR」を紹介させて頂きました。これ、なかなか良い商品だと思います。
「家の中の空気をきれいに保ちたい」
「全館空調を採用したい」
「手入れのしやすい第一種換気システムを採用したい」
…という方は、ぜひ候補に入れてみてください。