地震に強い家の特徴7選!地震被害を軽減するために確認しておくべき特徴と注意点を解説

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2024年1月1日に発生した能登半島地震で甚大な被害が起きており、地震対策に注目が集まっています。
地震に強い家に住めば、万が一の地震の際にも家の倒壊や被害を防ぎ、安心して生活を送ることが可能です。

地震対策として防犯グッズや耐震グッズを準備しておくことも大切ですが、何より地震に強い家を建てておくことが重要です。
そこで本記事では、地震に強い家の特徴を7つ解説します。

地震に強い家の構造や家を建てる際の注意点も併せて解説しますので、これから家を建てようか検討している方は最後まで読んで地震対策を行いましょう。

地震に強い家が求められる理由

地震大国である日本では、頻繁に大規模な地震による被害が起きています。

2024年1月に発生した能登半島地震でも、甚大な被害を被った建物は多いです。建築基準法が改正された1981年6月からは、新耐震基準が設けられ、震度6〜7程度の揺れに対応できるようになりました。

しかし能登半島地震では、新耐震基準で建てられた木造住宅も多く倒壊・全壊しており、基準より地震に強い家が求められています
新耐震基準をクリアしていても、何度も地震被害にさらされることで、構造や地盤が歪んで住宅にダメージが蓄積してしまいます。

参考:耐震とは?耐震の必要性を能登半島地震から考えよう

その結果、能登半島地震のように新耐震基準で建てられた木造住宅でも、倒壊・全壊する被害が発生してしまうのです。
今後も大きな地震が予測される日本では、地震に耐えられる強固な家が求められます。

地震に強い家の特徴7選

地震に強い家の特徴は、次の通りです。

  • 形がシンプル
  • 平屋
  • 地盤が強い
  • 築年数が浅い
  • 定期的にメンテナンスしている
  • 耐震等級が高い
  • 制震・免震対策をしている

地震に強い家の特徴を把握して、今後起こりうる地震被害を抑制しましょう。

形がシンプル

形がシンプルな家は、地震に強い傾向があります。

地震が発生した際には揺れや衝撃によって、住宅に歪みが生じます。L字やコの字など形が複雑な住宅は、揺れのエネルギーが建物の一点に集中しやすく、倒壊するリスクが高いです。

対して正方形や長方形などの形であれば地震のエネルギーが均等に分散され、建物全体で揺れに耐えられます。

地震に強い家を建てるなら、形がシンプルな正方形や長方形の間取りで、住宅を設計しましょう。

平屋

平屋は、2階建てや3階建てなど階数が多い建物に比べて、地震に強い特徴があります。なぜなら、高さがある建物ほど上階が振り子のように揺れやすく、高さが低い建物ほど揺れにくい特性があるからです。

平屋は2階部分がないため、地震が発生しても建物が揺れにくく、倒壊するリスクを軽減できます。

地震被害を軽減するには、高さを最小限に抑えた平屋がおすすめです。

地盤が強い

地震に強い家の特徴は、地盤が強い物件です。

どれだけ建物が強固なつくりで設計されていても、支える地盤が弱いと地震によって倒壊してしまいます。
地震に強い家を建てるなら、まずは地盤調査を行って地震に耐えられる土地を探すべきです。

地盤調査によって地盤が弱いことが判明した場合は、地盤改修工事を行って、地盤を強化しましょう。
地震が起きても沈下せず、建物を支えられる土地を選べば、地震による被害を軽減できます。

築年数が浅い

築年数が浅い家は、地震に強いです。

新耐震基準が制定される前の1981年5月までに建てられた家は、旧耐震基準に沿って建設された可能性があります。
旧耐震基準では、震度6以上の地震が発生した際に倒壊するリスクがあり危険です。

さらに新耐震基準で建設されても、度重なる地震被害によって構造や地盤にダメージが蓄積されていると、大きな地震が発生した際に倒壊する可能性があります。

中古住宅購入を検討している方は、築年数と耐震性の関係性を理解して、物件を選びましょう。

定期的にメンテナンスしている

定期的にメンテナンスしている家は、地震に強い特徴があります。

住宅は築年数が経過するごとに、経年劣化によって老朽化し構造がもろくなります。先程も解説した通り、住宅が建ってから何度も地震が発生している場合は、地盤や建物にダメージが蓄積されている可能性があるため危険です。

定期的に修繕リフォームを実施してメンテナンスしていれば、経年劣化によって老朽化した基礎部分や構造を修繕できます。

地震対策として、長く住んでいる家は定期メンテナンスを実施して、老朽箇所を修繕しましょう。

耐震等級が高い

地震に強い家を見極めるコツは、耐震等級を調べることです。

耐震等級が高い建物ほど、地震に強い特徴があります。耐震等級は1〜3の水準があり、それぞれ下記のような耐震性を基準にしています。

耐震等級 特徴
1 新耐震基準で定められた最低限の耐震性

震度6〜7の地震でも倒壊しないレベル

2 耐震等級1の1.25倍の耐震性

学校や病院など避難場所となる建物に採用されるレベル

3 耐震等級1の1.5倍の耐震性

警察署や消防署など災害時の救護・復興活動の拠点に採用されるレベル

耐震等級が高い建物ほど、地震への耐久性が高いため、住宅購入の際には耐震等級を確認しておきましょう。

制震・免震対策をしている

制震・免震対策をしている建物は、地震に強いです。制震・免震対策をしていれば、地震の被害を軽減できます。

なお制震・免震と混合されやすい耐震との違いは、次の通りです。

耐震 地震に耐えられるよう強度を高める工法
制震 地震エネルギーを吸収する工法
免震 地震エネルギーを建物に伝えない工法

耐震が建物の構造を強化して、地震に耐えるよう工夫する工法なのに対して、制震はダンパーなどの免震装置によって地震エネルギーを吸収します。
吸収した地震エネルギーは熱エネルギーなどに変換するため、建物への被害を軽減できます。

また免震は、建物と地盤を切り離して設計し、地盤に設置した免震装置で地震エネルギーを受け流す仕組みです。

耐震性を高めるより、制震・免震対策をした方が地震に強い家を実現できます。

地震に強い家の構造

耐震・制震・免震構造の違いを把握しておくことで、地震に強い家を建てられます。地震に強い家を求めている方は、どの構造で家を建てるべきか検討しましょう。

耐震構造

耐震構造は、柱や梁・壁や床に補強材を導入して、建物の強度を高める構造です。

家を強固につくることで、地震被害に耐えられるよう対策します。柱と柱の間に筋交いと呼ばれる補強材や構造用合板を設置することで、建物の耐震性を強化できます。

また部材の接合部を金具で固定することで、地震の揺れに対応できるよう耐性を高めることが可能です。
ただし地震の揺れは直接建物に伝わるため、上階に行くほど揺れを感じます。

耐震構造は、制震・免震構造より低コストで実現できるため、比較的採用しやすい構造です。

制震構造

制震構造は、地震エネルギーを吸収することで建物の揺れを軽減する構造です。

壁の内部にダンパーなどの制振装置を設置して、地震エネルギーを熱エネルギーなどに変換します。
変換した熱エネルギーは放出したり再利用したりすることで、建物への被害を軽減できます。

制振構造で建てられた住宅に住めば、地震が起きた際にも実際の震度より弱い揺れしか感じないため、安心して暮らすことが可能です。

また、免震構造より低コストで採用できるメリットがあります。

免震構造

免震構造は、建物と地盤の間に免震装置を設置する構造です。免震装置は建物を支える役割があり、地震が起きた際には建物をゆっくりと移動させ、地震が収まってからもとの位置に戻します。

大規模な地震が発生しても、免震装置が地震エネルギーを吸収するため、建物に揺れが伝わりにくいです。

免震構造は耐震・制震構造より高いコストがかかりますが、3種類の構造の中で最も揺れを感じにくく、地震に強い家を実現できます。

地震に強い家を建てる時の注意点

地震に強い家を建てる時の注意点は、次の通りです。

  • 耐震等級を確認しておく
  • 地盤の強さを調査しておく
  • 壁や柱を増やす
  • 建物を軽量にする

それぞれの注意点を確認して、地震に強い家を建てましょう。

耐震等級を確認しておく

住宅を購入する際には、耐震等級を確認しておくことが大切です。

耐震等級1の住宅より、耐震等級2や3で建てられた住宅の方が地震に強いです。住宅を購入してから耐震改修工事を行うより、もとから耐震等級が高い住宅を購入した方が住宅購入費用を抑えられます。

いつ大規模な地震が発生するかわからない日本で、長く暮らす住宅を購入するなら、耐震等級が高い住宅を選ぶべきです。

地震に強い家を求めるなら、物件選びの際に耐震等級を確認しておきましょう。

耐震等級はどこに書いてある?調べ方や重要性、震度との関係について

地盤の強さを調査しておく

地震に強い家を建てたいなら、地盤の強さを調査しておくことが大切です。

地盤が弱い土地に家を建ててしまうと、どれだけ耐震性を強化しても、地震が発生した際に倒壊するリスクがあります。

土地を購入する前に地盤調査を実施して、地盤の強さを確認しておくことが重要です。

またすでに土地を所有していて、地震に強い家を建てたい場合は、地盤改修工事を実施する必要があります。地盤改修工事には、大きく分けて次の3種類があります。

表層改良工法 地盤部分の土とセメント系の固形材を混ぜて、地盤を固く強化する工法
柱状改良工法 地盤に穴を空けてセメント系の固形材を流し込み、柱状の支えを地下につくる工法
鋼管杭工法 金属製の鋼管を地盤の深部まで埋め込み、建物を支える工法

表層改良工法は施工期間が短いため、すぐにでも地盤を強化したい場合におすすめです。

3種類の工法の中で最も地盤を強化できる方法は鋼管杭工法ですが、地盤深くまで鋼管を埋め込むには高額なコストがかかるため、戸建て住宅にはあまり使用されません。

地盤改修工事をするにもコストがかかってしまうため、土地を購入する前に地盤の強さを調査しておくことをおすすめします。

壁や柱を増やす

地震に強い家を建てたい場合は、壁や柱の数に注意しましょう。

大開口など大きな窓は採光を多く取り入れ明るい空間を演出できますが、どうしても壁面積が少なくなってしまいます。
壁や柱は建物を支える役割があり、数が少ないと耐震性が低下してしまうので注意が必要です。

地震に強い家を建てる際には、間取りやデザイン性だけでなく、耐震性を高めるために壁や柱を増やすことが大切です。

建物を軽量にする

地震に強い家を建てる際の注意点は、重たい資材を使用しないことです。建物の重量が重いと、地震が発生した際に揺れやすく、倒壊するリスクが増えます。

屋根材などが重いと地震の際に揺れやすいため、できるだけ軽量の資材を使うことが大切です。

地震に強い家を建てて安心できる生活を手に入れよう!

地震に強い家を建てる際には、地盤の強さや耐震等級などを確認しておくことが大切です。

シンプルな形で上階が少ない家ほど、地震の際に揺れにくく被害を受けにくい特徴があります。地震に強い家を建てて安心できる生活を手に入れるには、地震に強い家の特徴を把握しておく必要があります。

また制震・免震構造の家を建てれば、耐震性が高い家より地震の影響を受けにくいです。ただし制震・免震対策を行うには、耐震強化より高いコストがかかるため、予算と相談する必要があります。

地震大国である日本に長く暮らすためにも、地震に強い家を建てて安心できる生活を手に入れましょう。

本記事で解説した耐震、制震、免震をはじめ耐震等級についてなどは以下の記事でも詳しく解説しています。
参考記事:耐震等級はどこに書いてある?調べ方や重要性、震度との関係について

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