発泡ウレタンの危ないところ・・・

この記事を書いている人 - WRITER -

長持ちする家 研究家 瀬﨑です。

 

今回は長持ちする断熱材の話です。

その中でも発泡ウレタンにしぼってお話させて頂きます。

 

クオホームでは、アクアフォーㇺフォームライトSLアイシネンなどの現場発泡ウレタン系の断熱材を推奨しています。

 

発泡ウレタン施工中の写真↓

その理由のひとつに、姫路などの温暖な地域で仕事をしている職人さんが、気密シートを施工するということに不慣れなことが、あります。

 

↓気密シート施工完了後の写真

本来は、グラスウールや、ロックウールなどの繊維系断熱材を施工する場合でも、気密シートを施工するべきなのですが、姫路近辺で気密シートを施工している建築会社はほとんどありません。

 

気密性を高める(=C値の値を小さくする)重要性は、これまで何度もお話してきましたが、残念ながら、このあたりでは理解されていない方が多いようです。

 

グラスウールや、ロックウールでも、気密シートをしっかり施工すれば、
C値で1を切る事も可能です。

C値で1を切る事は、換気システムの性能を引きだすのに重要なポイントなのですが、長くなりますので、その話は、またの機会にしておきます。

実際のところ、気密シートをしっかり施工するのは、なかなか難しいところがあります。

 

 

ですが、発泡ウレタンを使うことで、この問題は解決します。

 

なぜなら、発泡ウレタンに気密シートの施工は不要だからです。

 

 

結露計算する必要はありますが、私たちの地域では、
ほとんどの場合、気密シートを施工しなくても結露する事はありません。
C値を1切る事もそれほど難しいことではありません。

 

 

では、発泡ウレタンさえ使えば、断熱材の性能はしっかり保たれるのかと言えば、決してそうではありません。

発泡ウレタンでも、注意しておかなければならないところがあります。

 

 

非常に重要なポイントです。

それは、「厚み」です。

 

 

発泡ウレタンは、現場で2つの液体をまぜて、膨張させることによって隙間なく施工することができるという特徴がある断熱材です。

つまり、特性として隙間なく施工出来るようになっているのです。

 

 

しかし、その反面、厚みに関しては、膨張の程度によって決まってしまいます。

それは、職人の経験や、モラルが影響します。

 

 

例えば、設計段階で75㎜の厚みを指定したとします。

他の断熱材であれば、75㎜の商品を発注さえすれば、その厚みぴったりの商品が現場に届きます。

後は、それを使うだけです。

厚みが足りなくなる心配はありません。

 

 

しかし、発泡ウレタンの場合は、現場で膨張させることによって厚みを確保しますので、膨張が足りない場合、75㎜に達しない場合が出てきます。

「多めに膨張させておけばいいのに」という意見もあるかと思います。

壁の仕上がりより膨張してしまった場合は、切り落す手間が発生します。

材料も余分にかかっています。

職人の立場として考えると、75㎜という厚みを確保し、できるだけ材料を少なく、無駄なく使おうというのが、当たり前の考えだと思います。

そうなると、断熱材の厚みが足りない・・・という箇所が、でてきてもおかしくないと考えるほうがより安全側の考えです。
そこをしっかり「管理する。」「指導する。」 
これが、建築会社の姿勢、現場監督の技量です。
気密測定を行えば、隙間なく施工できているかの確認はできます。
しかし、厚みの確認はできません。


厚みは、職人まかせにせず、会社としてしっかり管理できる体制が必要です。
下の写真は、発泡ウレタン施工後の天井の写真です。

お客様にとっては最高でしたね・・・

これで何ミリ施工されているかわかりますか??
これを測るには、専用の道具がないと計測できません。
クオホームでは、この計測器を使って厚みの管理をしています。↓


 

このように、ブスブスと刺して、チェックします。

発泡ウレタンの厚みが、わずか2㎝違うだけでも、家全体で考えると、光熱費に少なくない影響が出ます。

*最近は、刺さなくてもわかるくらいモリモリに施工してくれるようになりました。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -

人気記事Top3 - Popular Posts -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です