鉄骨?2×4?RC造?パネル工法??在来木造???
長持ちする家 研究家 瀬崎です。
今回は、長持ちする構造についての話。
最近は、減りましたが、
「2×4(ツーバイフォー)と、在来木造とどっちが地震に強いですか?」
という質問をよくされました。
「鉄骨と、木造どっちがいいですか?」
という質問は、今でもあります。
一度、整理したいと思っていましたので、今回、構造についてまとめてお話したいと思います。
まず、このブログは、
・基本的に木造の戸建て住宅を建築される方に対して、書いています。
・クオホームの家というよりも、いい家を建てるための情報がメインです。
それを踏まえて、この先を読んでください。
下が、主に戸建て住宅に使われる工法の一覧です。
・2×4(ツーバイフォー)
・鉄骨造
・RC造(鉄筋コンクリート造)
・在来木造工法
建築会社が言うOO工法は、多少違うところはあっても、
すべてこの4種の中に当てはまると思って下さい。
では、順番に説明していきます。
・2×4工法(ツーバイフォー)
大手メーカーの三井ホームや、住友不動産が採用しています。
枠組み壁工法 とも言われているとおり、壁パネルを基本として、耐震性を高める作りをしています。 このパネルを形成する心材の大きさが約2インチx約4インチというサイズのものが多いので、ツーバイフォーと呼ばれるようになりました。
また、最近では、パネル工法と呼ぶこともあります。
メリットとしては、
・価格が鉄骨や鉄筋コンクリートに比べて安い。
・パネルで家を覆うため、気密性や、防音性が高い。
・在来工法にくらべて工期が短くて住む。
・施工性が良い。
・火災保険料が安くなる。
デメリットとしては、
・増改築の際に、他の工法に比べて制約が多い。
・プラン上の制限がある。(大きな窓を設置できない、窓の設置位置の制約等)
・雨仕舞ができるまで日数がかかるため、梅雨時などの建築に問題がある。
・鉄骨造(軽量鉄骨)
大手メーカーでは、積水ハウス、旭化成ホームズ、大和ハウス等が採用しています。
鉄骨の隙間に工場で精算された部材をはめ込む場合、この工法もパネル工法と呼ばれることもある。
メリットとしては、
・耐震性に大変すぐれる
・プランの自由度がすごく高い(大空間・大開口の間取りが可能)
・耐久性が高い(構造面での)
・内部の間仕切りは自由に変えることが可能。内装のリフォームが自由自在
・火災保険料が安い(火災に実は強い)
・重さに強い(積雪等がある地域では重要)
デメリットとしては
・価格が高い
・RC造(鉄筋コンクリート造)
まれに、鉄骨造と混同されている方もいらっしゃいますが、全く違うものです。
コンクリートの中に鉄筋を埋め込み、互いの弱点を補いあい耐震性を高めた工法です。
大手メーカーで標準採用しているところはありません。
住宅では、建築家が好んで提案しています。
メリットとしては、
・耐震性にすぐれる
・耐久性が高い
・気密性が高い
・意匠上優れる
・遮音性が高い
・プランの自由度が高い
デメリット
・高い
・入念な結露対策が必要
・工期が長い
・在来木造工法
柱や、梁、すじかいを使った、いわゆる日本古来の建て方です。
最近は、すじかいの代わりに、構造用合板を使ったり、床合板 や、接合金物の使用により、2×4の考え方に近付いています。
メリットとしては、
・他の工法に比べて安い
・昔からある工法なので、一般的な大工さんでも構造のしくみがよくわかる。
・ SE工法などの金物工法の技術進化により、従来は弱点とされていた大空間が必要な建築物の設計も、可能になった。
・ リフォーム会社選びの選択肢が多い
デメリットは
・特にない
結論
2階建ての戸建て住宅を建てるのであれば、在来木造工法で建てることが一番理にかなっています。昔からある工法ゆえに、様々な改良が加えられて、欠点らしい欠点は今ではありません。
在来工法との差別化で、2×4などは普及してきたと思われますが、本来、2×4が売りにしていた気密性や耐震性などの優位性は、現在はまったくないと言いきっていいでしょう。
他の工法でのメリットも、在来工法に少し工夫するだけで、同様に実現できます。
それでいて価格は一番安いのです。
その差額は、こだわりたい部分に投資すれば、もっと素晴らしい家ができます。
戸建て住宅を専門にしているクオホームでは、当然、在来工法を標準採用しています。