住宅の資産価値を考えながら家を設計する
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長持ちする家 研究家 瀬崎です。
今回は長持ちする資産価値について お話したいと思います。
日本住宅は建てた瞬間から価値は下がり続ける
現在、日本の家は、
建てた瞬間から資産価値が急激に減り続け、
わずか数十年で土地代だけで
取引されるようになってしまいます。
これは欧米や、欧州に比べ、かなり特殊です。
他の国では、新築よりも、
むしろしっかりメンテナンスされた中古住宅の方が、
より価値があるとされているからです。
価値が上がるからこそ、
メンテナンスにも進んで取り組む、
非常によい循環ができています。
日本は今後、見渡す限り空き家だらけになっていく
欧米や欧州とは、対照的に、日本には空き家が溢れています。
空き家のままにしておくのと、
更地するのとでは、固定資産税が6倍違う
というのがその理由です。
売主からすれば、空き家のまま置いといて、
土地と一緒に売却したほうが、
はるかにそれまでに支払う税金が違ってくるので、
空き家が増えるのは当たり前です。
国の施策がそうしむけていると言ってもいいくらいです。
空き家は今後、大きな社会問題になる事は確実です。
こうして増えた空き家は、安全上、美観上の両方で、すでに、社会的問題になっています。
国としては、これ以上空き家を増やさないために、先ほどの固定資産税に絡む法制度改革を含めて、中古住宅がどんどん売れて、市場が活性化する仕組みを思案中です。
しかし、まだまだ進んでいません。もっとスピード感を持って取り組まないと問題は解決しません。
国が行おうとしている施策のひとつに、住宅の評価をしっかり定めるということがあります。
「中古住宅を購入しようと思っても、建物の状態がよくわからないので、不安で購入できない。」
耐震性は大丈夫なのか?
白蟻に食べられていないか?
このような不安を解消するために、事前に、第3者によるホームインスペクション(建物診断)を導入することで購入障壁をなくそうとしており、診断技術者の育成や、法整備がこれからの課題としています。
また、図面やリフォームの履歴などが、きちんと保存されている家も評価対象になるので、住宅履歴の管理の重要性も、今後は、増していくことになります。
さらに期待されているのが、家の断熱性能を表す燃費表示の義務化です。
その家の光熱費がおおよそ推測できるので、断熱性能の高い家は、資産価値も高くなります。
中古物件を購入する前に、
・ホームインスペクションの結果、補強が必要な箇所
・図面一式と、リフォーム履歴
・燃費性能
これらのことがわかっていれば、
非常に買いやすくなります。
反対に、あなたが、家を建てる際には、
これらのことに気をつけていれば、
将来、売る時に
有利になるのは間違いありません。
シンプルイズベスト、パッシブ設計ならすべて解決できます。
もうひとつ、面白い情報をお伝えします。
中古住宅の流通が進んでいるアメリカでは、
売主のこだわったライフスタイルが
想像できる奇抜な間取りの家よりも、
よくある住宅プラン集にある
オーソドックスな間取りの家の方が
人気があるのだそうです。
自分の家だからこそ、
間取りも徹底的にこだわった家にしたい
という気持ちも大事ですが、
もしその家を売却することを考えるのでしたら、
シンプルな間取りにしていた方がいいということになります。
そこで出番がパッシブ設計です。
太陽の熱をできるだけ利用することを
意図したパッシブ設計手法は、
自然と家の形が長方形に近づき、
間取りはシンプルになるため、
売却時にも、人気が出ると思います。
燃費性能はもちろんすぐれていますので、
資産価値という意味でも、大変おすすめの設計手法です。