全館空調の評判が知りたい?それならHEAT20を知っておこう!
長持ちする家 研究家 瀬崎です。
今回は、HEAT20と、全館空調の関係について解説していきます。
HEAT20って何?知らないとまずいの?
「HEAT20」って聞いたことありますか?
おそらくほとんどの人が知らないと思います。
「馬鹿にするな!」って、
ベジータばりに反論したくなったのなら、かなり詳しい方ですね。
読み飛ばして頂いて結構です。(^^)
そうでなかった場合は、このままお付き合い下さい。
ちなみに、このように使います。
「HEAT20のG2くらいクリアできてると安心できるけどな~」
HEAT20とは、団体名です。
どんな活動をしているかと言うと、
「 長期的視点に立ち、住宅における更なる省エネルギー化をはかるため、断熱などの建築的対応技術に着目し、住宅の熱的シェルターの高性能化と居住者の健康維持と快適性向上のための先進的技術開発、評価手法、そして断熱化された住宅の普及啓蒙を目的している」
はい、わかりづらい!(# ゚Д゚)
もっとわかりやすい言葉で言ってくれないと、広めたくても広まらないです・・・
簡単に言うと、
日本の将来を考えて、住む人が快適で健康な生活を送ることができるように、省エネ&高断熱の家を普及させていこう。
そのために、必要な技術をみんなで学んでいこうぜ~、優秀な人はちゃんと評価するからさ~
という活動団体です。
HEAT20では、漠然と「省エネ・高断熱の家」って言っても、基準が曖昧すぎてバラバラになっちゃうので細かく規定を定めています。
それが、G1、G2という2つのグレードです。
G1,G2について今から解説していきますが、その前に「Ua値」と【地域区分】という2つの用語について触れておきます。
もし、あなたが夏涼しく冬暖かい家に住みたいのなら、この2つの用語だけはしっかり理解して下さい。
ダイエットに挑戦する人が、「カロリー」と「糖質」について知っておくのと一緒くらい基本的な事ですからね。
「Ua値」
→建物から、どれくらい熱が逃げていくかを数値化したもの
数字が小さい程、逃げていく熱が少ないので、暖かい家という事になります。
断熱材の種類&厚さ、窓の性能などすべてひっくるめた家の断熱性能の総合評価だと思ってもらえればOK。
完全ではないですけど、Ua値を知るだけで、その家の断熱性能がわかります。
「地域区分」
→家が建っている地域の気候によって、日本列島を8箇所にわけた分布図のこと。
例えば、冬を想像して下さい。
北海道にある家と、沖縄にある家。
どちらの家の断熱性能Ua値0.5とします。
この時、家の中の体感温度はどうでしょう?
間違いなく、北海道の方が寒く感じるでしょうね。
北海道じゃ、Ua値0.3は欲しい。
そういう意見も出るかもしれません。
つまり、快適に思えるUa値は、地域によって違うって事です。
「瀬崎さん、何、当たり前の事言ってるですか?」
まあ、そう思うかも知れません。
でも、あなたの建築予定地が、地域区分で分けられている1~8の中のどの地域に属しているか、答えられますか??
もし、答えられなかったとしたら、今覚えて下さい。↓
同じ県の中でも、市によって地域区分が違う場合もあります。
もっと詳しく知りたい方は、下記から確認できます。
https://alumi.st-grp.co.jp/sumai/shouene/pdf/tiiki.pdf
自分の地域区分、覚えられましたか?
はい、ではこの票を見て下さい。↓
これが、あなたの地域で必要とされるUa値です。
HEAT20のG1グレード、G2グレードの数字もわかりますね。
つまり、G1をクリアするためには、
2地域の青森に家をたてる場合は、Ua値0.34以下
6地域の宮崎に家をたてる場合は、Ua値0.56以下
が必要だと言うことを表しています。
HEAT20のG1、G2グレードって、そもそも必要なの?
例えば、弊社がある兵庫県姫路市は地域区分で6に当たります。
G1グレードの基準はUa値0.56
G2グレードの基準はUa値0.46
となっています。
弊社のモデルハウスのUa値は0.34
G2グレード余裕でクリアしております。
ただ、モデルハウスの仕様は、実験的な試みもあり普段建てている家の性能よりも少し上です。
じゃあ、普段建てているはどうなのかと言うと、0.45くらい。
ちょうど、HEAT20のG2グレードと同じくらいの断熱性能になります。
実は、全館空調をするならG2グレードがひとつの目安になります。
弊社は全館空調を採用しておりますので、一応、合格。
あ、全館空調ってそもそも何?って言う方はこちらのブログを先を読んでおきましょう。
実際は、日射遮蔽の仕方とか、気密性によって体感温度は大きく変わりますので、G2グレードをクリアしたからと言って必ずしも有効に機能するかと言えば、そうとも言い切れないのですが、全館空調の採用の参考値としては十分です。
最近は「Z空調」などの全館空調が流行りですからね。
システムに興味を持つのは結構ですけど、そのシステムが有効に効くがどうかの判断基準を持っておくことは大切です。
G2 グレードを大幅に下回っているようでは、効果は期待できません。
ちゃんと確認しておきましょう!
じゃあ、全館空調しない家なら、G2グレードも必要ないの?
G1グレードでも十分良い仕様だと私は思います。
だって、2020年に義務化される基準を見て下さい。
G1グレードよりもはるかに緩い基準です。↓
実際は、こんな数値さえもクリアできていない家がほとんどなんですよ。
なのに、全館空調を採用している家はどんどん増えていってます。
実際、「Z空調」めっちゃ売れてるらしい・・・・
先日、本田がそのZ空調の評判について調べた記事を更新していたので気になる方はこちらを参考にしてください。
Z空調の全館空調の評判がいい?気になる電気代やデメリットについてまとめてみた
斎藤工が少し気になります・・・
別にZ空調をどうこう言うつもりはありませんが、G2グレードを大幅に下回る家に採用したって意味ないですから。
無知な工務店、無知な営業マンが、これから、ガンガン全館空調の家建てていくと思うとマジで怖いです・・・
あなたにとって最高の家を建てるための予算配分
HEAT20 の性能について説明してきました。
これまでの家より性能が良いので、当然ですがコストはUPします。
光熱費が安くはなりますので徐々に価格UP分は解消されていきますが、初期費用が上がることは間違いありません。
「夏涼しく、冬暖かい家。」
家作りにおける大きな魅力の一つですが、家ってそれだけではないですよね。
断熱性能はすごくいいけど、
・内装材が安っぽい。
・外装材の耐久性が低い
・ダサい
・耐震性が低い
・水回り設備が使いづらい
他に耐え難い不満があったらどうですか?
あくまで家はバランスが大事です。
予算は限られていますので、無理なく希望を叶えられるように割合を決めて下さい。
もし、全館空調に魅力を感じているのなら、設備の費用だけでなく全体の断熱性能を高める費用も必要です。
それを忘れないようにして下さい。
まとめ
・HEAT20は、高気密高断熱には一つの指針になる
・建築地の地域区分を覚えよう
・特に全館空調を検討する時には注意
・家はバランス、予算もバランス