シンボルツリーの選び方で、後悔しない方法
長持ちする研究家 瀬崎です。
家が完成した後、最後のワンピースになるのがシンボルツリーです。
今回は、シンボルツリーについて解説していきます。
シンボルツリーとは?人気5種をピックアップ
シンボルツリーとは、新築や、リノベーション、また新しく家族が増えた時など、お祝いごとの記念として植えられる樹木の事を言います。
最近はあこがれの新築一戸建てのマイホームを手に入れた方の多くが、さまざまな樹木の中から自分たちのコンセプトにあったシンボルツリーを選んで、家族とともにいつまでも繁栄し成長し続けることを願いながら庭の一番良い場所に植えることが少なくありません。
もともとシンボルツリーは現在のように一般家庭だけが好んで植え始めたものではなく長い歴史のある由緒正しい建造物などの寺院やお城の敷地内に植え、その建物を象徴しつつ四季を通じて美しく彩ってくれる樹木として愛でられて建物との調和の素晴らしさから見るものに感動を与えていたものなのです。
シンボルツリーは植えたときには小さな木であっても時の流れの中で大きく育ち、敷地の中の建物が一層素晴らしく見えるようになるための引き立て役を担っています。
シンボルツリーとして人気のある木は時代によってもさまざまに変遷してきましたが、最近はシマトネリコ、ジュンベリー、ヤマボウシ、ハナミズキ、ソヨゴの5種類の人気が高いかなと感じています。
いずれも甲乙つけがたいそれぞれに特徴を持っている素敵な樹木であり、植えられた場所の庭と住まいに優しさと落ち着きのエッセンスを振りまいてくれる個性豊かなシンボルツリーとなります。
市町村によっては、シンボルツリーがただで貰える!
実は、市町村によっては記念樹配布事業を行っており、ただでシンボルツリーが手に入ります。
クオホームのある姫路市では、新築時に手続きすれば、ハナミズキ、キンモクセイ、トウヤマボシのいずれか1本が貰えます。
これ、意外と知らない方多いです。
http://www.city.himeji.lg.jp/s80/2212412/_9719/_9420/_9424/_9427.html
あなたがお住まいの市町村でも記念樹配布事業をおこなっている可能性があるので、チェックしておいたほうがいいですよ。
シンボルツリーの選び方
ありとあらゆるたくさんの種類の樹木の中から住宅とのバランスの良いシンボルツリーを選ぶ場合には、この木が好きという気持ちや住宅にしっくり来るからという理由も大切ですが何十年という長い付き合いになることも考慮することが大切です。
たとえば樹木は植えればそれですべてが完了ということではなく、日々成長しているわけですから手入れの問題があります。適切に水や肥料を与え、場合によっては枝葉を刈り込まなければならないこともあるでしょう。
生ものですから上手に手入れをしなければ成長するどころか害虫や病気の餌食になってしまい、せっかく吟味の上に吟味を重ねてシンボルツリーとして選んだ木が枯れてしまうことも考えられます。そのような事態を極力避けるためには何らかの事情で手入れが出来ない期間などが生じた場合であっても、すぐに枯れてしまうような繊細な樹木ではなく一定以上の丈夫さを備えた木を選ぶことが重要です。
シンボルツリーが枯れた時のショックは、他の木花のそれとはあきらかに程度が違いますから。
植えてからある程度は水やりなどをしっかりとすればみるみる大地に根を張って、強風にも暑さや寒さにもしなやかに対応できる樹木を選びたいものです。
大きさは植える場所や誰が植えるかにもよりますが、植木屋さんなどの専門家に依頼するのであれば大きく成長した樹木を移植することも可能です。
しかし自分たち家族だけの力で最初から最後まで協力して行いたいと考える場合には、あまり大きな樹木よりは若木に近い大きさのものを選んだほうが根つきやすいと考えられます。
なお樹木の種類によって成長のはやさも違いますが、一般的にシンボルツリーに選ばれる樹木は背が高くなる木が多いので最初は小さい木だからといっていつまでもそのままということはありません。みるみるうちに立派に成長し、家族で思わず見上げるような大きなシンボルツリーへと育ってくれることでしょう。
広葉樹か、それとも針葉樹にすべきか・・・
シンボルツリーを選ぶ場合に多くの方が迷うことの一つが、広葉樹を選ぶか針葉樹を選ぶかだと考えられます。針葉樹にも広葉樹にもさまざまな素晴らしい樹木が揃っていますが、大きな違いは秋から冬に掛けて葉が落ちるかそのまま残るかであることはご存知のことでしょう。
葉が落ちてしまう広葉樹は冬場など枝だけになってしまい寂しい感じがする一方で、秋には紅葉の美しさを満喫させてくれます。また針葉樹は冬場でもしっかりと葉が茂っていますから、緑が少なくなってしまう時期でも住まいに彩りを与えてくれたり雪が葉に積もったりする景色を作り出してくれます。
このように落葉樹である広葉樹にも落葉樹ではない針葉樹にもそれぞれに捨てがたい特徴がありますから、ここは好みで選んでいただくことが良いと思われます。
さてシンボルツリーを選ぶ場合には、それぞれの樹木の特徴だけを列挙し比較検討するだけではなく価格の点も考慮しないわけには行かないのではないでしょうか。たとえば植木屋さんに移植を依頼した場合には、万一植えた木が枯れてしまったときに責任を持って新しいものを植えてくれる制度がついていることが少なくありません。
しかし自分たちで木を選んで自分たちで植えた場合には木が枯れてしまっても誰も補償してくれるわけではありませんので、せっかくシンボルツリーに高額な支払いを行っていても無駄になってしまいます。そのため専門家にシンボルツリーを植えてもらうのでなければ、万が一シンボルツリーの根つかなかった場合のことも考えてあまり極端に高額な木を選ばないようにしてはいかがでしょう。
どうしても高価な木を植えたいと考えるときはその高価な木の若木を選ぶと意外に安価に手に入るかも知れません。樹木は小さくて細いものは安く、成長して枝ぶりが良かったり大きくなるほど高くなることが一般的だからです。
シンボルツリーでトラブル!?気をつけておきたい注意点
シンボルツリーはその家と調和することで住まいをより快適な雰囲気になるように整えてくれる力を備えているものですが、一方で周囲に配慮を怠るといつの間にかトラブルの原因となる場合もありますので注意する必要があります。
この国の一般的なご家庭の一戸建て住宅は、残念ながらその多くがそれほど広い敷地を持っているわけではありません。
そこでシンボルツリーを植える場所によってはさまざまな近隣トラブルも起こり得ると考えられますが、その一つが落ち葉の問題ではないでしょうか。
針葉樹であれば秋や冬にたくさん葉が落ちて遠くに飛ばされることも多くはありませんが、広葉樹の場合には季節によって一度に葉が落ちるため道路や隣地の方に迷惑を掛けることも考えられます。また新緑の季節には柔らかな葉が芽吹き、その柔らかくて美味しい葉を狙って害虫が出現することもあります。
そうなるとせっかくのシンボルツリーが丸裸になるだけではなく、新芽などを食べ尽くした害虫が近隣の樹木にも感染らないとは限りません。そこで無用な近隣とのトラブルを避けるためにも落ち葉などは適切に処理し、シンボルツリーに付きやすい害虫駆除は必ず行うように心掛けることが重要なのです。
シンボルツリーと家との距離
シンボルツリーを植える位置は現在の建物の様子だけを考えるのではなく、将来的な樹木の成長に目を向けるとともに出来るだけさまざまなことを考慮して決めなければならないのではないでしょうか。
シンボルツリーが担ってくれる役目にはもちろん住まいの美しい風景を作り出してくれることがありますが、目隠し効果でプライバシーを保つことや日差しを遮ってくれる効果にも期待するはずです。また場合によっては風よけになったり、樹木は耐火性があるので隣家間での延焼を防ぐためにも役立つと考えられます。
一方であまり住宅に近い場所に植えたシンボルツリーの落ち葉が雨樋などに詰まってしまい、毎回の掃除が大変になってしまうということもあるかも知れません。そこでそのシンボルツリーが将来的にどれくらいの高さになるのか、どれくらい枝を伸ばすのかなどをよく考えて家との距離を決めておくことをおすすめします。
せっかくのシンボルツリーが本来の役割を担ってくれないばかりか、邪魔になってしまっては本末転倒になってしまいます。ここは人気があるからと樹木を選んだり植えたりするのではなく、年月を掛けて住まいがトータルとして成長していくことを十分に考えて見る必要があります。
まとめ
ただ単にあこがれだけでシンボルツリーとなる樹木を探し選ぶのではなく、住まいとのバランスや住宅に寄り添ってくれるシンボルツリーを見つけ出すことが重要であることをこれでかなり分かっていただけたのではないでしょうか。
最初から植木屋さんなどに依頼してすでに大木に成長しているシンボルツリーを移植する場合もありますし、小さな若木を選んで自分たちの手で植える場合もあるはずです。
市町村から貰えることもありますしね。
専門家に依頼するときには自分たちが考えるだけではなくて、依頼した専門家にもアドバイスが受けられるますからシンボルツリー選びの失敗は少なくなります。
もし、自分でシンボルツリーを購入するなら、私なら専門家を間に挟みます。
自分たちだけでシンボルツリーを選んで植えるときには、どこからもアドバイスが受けられないと考えたほうが無難です。
その場合は、この記事でもいいですし、他の方が書かれている記事でもかまいません。
しっかり調べて、あとあと後悔しないように樹木を選んだり、植える位置を決めてみてはいかがでしょう。