部屋が寒い(部屋が暑い)!家が寒い(家が暑い)!その4つの原因はこれだ!対策・解決方法
部屋が寒い(部屋が暑い)!家が寒い(家が暑い)!その4つの原因はこれだ!対策・解決方法※’17.1.14追記あり
寒い家や暑い家は健康を害します。
家を建てたばかりなのに「部屋が寒い」「家が暑い」と後悔される方が多い。
なぜ、冬は寒い家や部屋に、夏は暑い部屋や家になるのか?その理由を単刀直入にお答えします。
1、部屋が寒い、部屋が暑いのは間取りが悪い。
家の快適性能の5割〜6割を占めると言われているのが間取りです。
これは何を指すかというと「夏場の日射遮蔽と冬場の日射取得」いわゆるパッシブ建築という考え方を重視しておく必要があります。
「太陽に素直な設計」という概念でパッシブハウスジャパンの理事を努めている松尾和也氏や、弊社が所属している「新住協」という団体の基本概念でもあります。
新住協って何?どんな団体って言う方はこの記事を参照にしてください
Q1住宅(キューワン住宅)の欠点?新住協の加盟店の評判について考えてみる
南面における冬の日射角度と夏の日射角度は当然ですが違います。《夏場の暑い日差しは家に入れない様に設計する事。》
《冬場の暖かい日差しは南面からしっかりと取得出来るようにする事》
この2点をしっかりと確認する事で家の性能はガラリと変わります。
すでに家を建て終わっている方へ
すでに家を建築されてしまっている方で「夏場が暑い!」と
いう方は南面の窓をしっかり遮蔽出来るように葦簾(よしず)や簾(すだれ)を
設置する様にして下さい。
これだけでも充分効果的になります。
2、家が寒い、部屋が寒い、暑い理由は窓の性能が悪い。
家の中の「部位別熱損失」を確認すると殆どの家は《窓》から熱が入ったり、逃げたりしています。あなたが今検討してる窓メーカーの名前や種類を確認して下さい。
どれだけ壁の断熱材の性能をUPしても、窓の開口部からはびっくりするぐらいの熱損失量がある事を見逃している方が非常に多いのです。
基本的な所から確認しておきましょう。
サッシ枠のグレードはざっと以下の通りです。
低:アルミサッシ→室内、室外両方ともアルミサッシ
普通:アルミ樹脂複合サッシ→室内は樹脂製、外部はアルミ
高:オール樹脂サッシ→室内、室外両方共樹脂製
今、現在世間の流通量がまだまだ大きいのは「アルミサッシ」です。
アルミサッシのグレードは リクシルであれば「デュオPG」YKKAPは「エイピア(アングルのみ樹脂)」などがそれにあたります。
冬に暖かい家を望まれている方は確実にここの選択肢は外される事をオススメします。
家を建てる時に窓周りの結露はかなり気にされるオーナー様が多いにも
関わらずメーカー公式HPの画像でも「結露しています。」
一般家庭に設置したら普通に結露するのは必然です。
※YKKは現在オール樹脂のAPW330を強く推奨しているメーカーです。
もちろん価格やコストバランスを重視する必要がありますが、最低でもアルミ樹脂複合サッシは最低ラインだという事は必須です。
リクシルだと「シンフォニー」「サーモスH」YKKAPだと「エピソード」になります。この辺りのグレードは絶対に外せないレベルだと思います。
窓のグレードを知らずにいると夏は家が暑い、冬は家が寒い原因になります。
最近ではオール樹脂サッシが少しづつではありますが、普及してきています。
リクシルでは「エルスター」「レガリス」YKKAPだと「APW330」「APW440」などですね。この辺りまでしておくと「良い選択」になります。※弊社推奨グレード(平成29年1月現在)
※2018年10月現在はエクセルシャノン「トリプルシャノンⅡs」
家の中を快適にする為に重要な窓ですが、殆どの家は、一度建ててしまうと、将来的に解体するまでは今設置した窓のままになるケースが多いのです。
窓をリフォームするのは非常にコストがかかりますので、殆どの方が入れ替える事が少ないと考えています。
ですので「今選択した窓と一生お付き合い」すると想定しておいて、ここは少しコスト掛けてでも性能を気にしても絶対に損しないポイントだと思います。
3、部屋が寒い、家が寒い、暑い理由は気密が悪い、家が隙間だらけ。
家の中の隙間が多と家は寒くなります。冬のビニールハウスを想像しましょう。
家の外壁部分に当たる箇所は「ビニール」です。
ビニール一枚でも室内でしっかりと熱源を付けると中はホカホカです。これは何を示しているのか?
ビニールにする事によって冬の日差しを全体でしっかり取り入れて「日射取得」をして、かつ、ビニールの特性であるつなぎ目をなくして隙間なく設置するだけでこれだけ効果的に室内は暖かくなります。日射熱に加えて機械的に暖かくしているのでさらにビニールハウス内は高温を保つことができます。
では家はどうなのか?残念ながら隙間だらけです。間取りを工夫する事によってしっかかりとした日射取得が出来たとしても、家の中の隙間からドンドン熱が奪われていきます。この家の中の「隙間」はバカに出来ないぐらい家の中を寒くしてくれます。
ですのでしっかりとした気密工事が必須をしてもらう事が家の中を快適にする事が可能です。
この気密の事を建築的な専門用語で「C値」と呼びます。
このC値の測定は必ずご自身の家で測定をしてもらう事になります。
「モデルハウスのC値」は全く関係ありません。現場施工レベルの問題になりますので個々の現場で測定を依頼しましょう。
では冬に暖かく、夏に涼しい家にする為に必要なC値は?
推奨はC値=1.0以下を目指してもらいましょう。
C値1.0以下であれば一般的な3種換気計画が「計画通り」機能すると言われています。この3種換気計画が計画通りでなければ家の中が結露リスクがあがりますのでご注意下さい。グラスウールでも気密測定をしてC値0.2は出ます。
ですので家が寒い原因になる隙間をなくす為に是非建築会社さんには「気密測定をお願いします!」と懇願して下さい。
「出来ません」や「する必要がない」と言われた場合はその会社に暖かい家を建てて貰う事は諦めましょう。
またポイントですが、気密工事の施工ポイントは床に注意して下さい。床からドンドン空気が漏れているケースが多いです。「床の気密施工の方法」をしっかり確認して明確な答えをもらいましょう。
もう一つポイントとしては、「自社測定」は辞めておきましょう。気密測定の数字は結構簡単に操作出来ると聞いています。可能であれば第三者にお願いして「気密工事証明証」を 発行してもらえるか?を確認しておきましょう。
4、部屋が寒い、家が寒いのは断熱性能が悪い。特に屋根の断熱性能が悪すぎる。
断熱材に注意しておく必要があります。《家の中を暖かくする=断熱材を良くする》と思われている方が非常に多いですが、お施主様が思っている程、重要度は高くないのです。
もちろん無断熱ではダメです。(そんな家はないと思いますが)
最近一般的に使われている断熱材に極端に性能差はありません。
(細かい説明は省略です)
もし断熱材に注力するのであれば「厚み」を気にして下さい。
《断熱材の性能=熱伝導率》ですが重要なのは《断熱材の性能とその厚み》なのです。
これを《熱抵抗値》と言います。
この熱を抵抗する数値が小さいほど性能が良いという事になります。
この熱抵抗値を良くする壁構成を考える事が重要です。
後もう一つ、断熱材を検討する上で重要なのは「屋根の断熱」です。
皆さん経験あると思いますし、聞かれた事があると思いますが、一戸建ては2階が暑いのです。
当たり前ですね、夏場は太陽高度が高いので熱量は南面より屋根面の方が圧倒的に熱くなります。数字的は約1.5〜2倍近くなります。
それだけの熱量を受ける屋根面の断熱材が「薄い」と2階は暑くなります。ですので壁の断熱材よりも「屋根の断熱材」の構成や厚みを気にする方がよっぽど重要であるのはこれだけの話しでも何となく理解出来るのではないでしょうか?
壁の断熱性能<<<<<屋根の断熱性能 で検討しておきましょう。
以上の4つは基本としてしっかりと計画しておかないと家が夏は涼しく冬は暖かい家にはなりません。
今から高気密、高断熱の新築住宅をご検討されている方はこのポイントを
抑えておく事は必須です。
5、部屋が寒い、家が寒い、家が暑い、部屋が暑いそのまとめ
整理しますとせっかく家を建てたのに後悔しない為に気をつける事は4つです。
1、 間取りが悪い。→日射遮蔽、日射取得が出来る間取りにしておく事
2、窓の性能が悪い。→最低限《アルミ樹脂複合》サッシを採用する事
3、気密が悪い、家が隙間だらけ。→気密測定を行いC値=1.0以下を目指す
4、断熱性能が悪い。→断熱材は種類よりも厚みを優先しておくこと。屋根は特に。
以上を4つを注力しておけばある程度快適性能は確保出来ると思います。
もちろんこれは表面上の事だけなので各項目ごとにそれぞれ必須の注意ポイントが
ありますがそれはまたメルマガにてお伝えしていこうと思います。
更に・・・おまけとして↓
快適な冷暖房計画として床下エアコン小屋裏エアコンという
エアコンを2台だけで家を快適する方法があります。
これは動画にて開設しておりますのでそちらをご覧下さい。
冬の暖房計画と夏場の冷房計画をしっかりと考えると更に快適な家づくりをする事が可能になります。
もっと光熱費やランニング、メンテナンスの安くなる家づくりの秘訣を知りたい方は
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6、《追記 2017.01.14》
では、逆に家が暑い理由はこれだ!っていう事についてですが、
夏に家が暑い理由は・・・
1、 間取りが悪い。→日射遮蔽、日射取得が出来る間取りにしておく事の「日射遮蔽」が全く出来ていないのが原因ですので、まずは家の中に直接光を入れないという事を徹底して下さい。
4、断熱性能が悪い。→断熱材は種類よりも厚みを優先しておくこと。屋根は特に。の屋根の断熱が弱いからです。
屋根からの入ってくる熱量は家の「壁<<<<<<<<<<<<屋根」です。
ですので屋根の断熱強化をする事で解消出来ますので意識して「屋根の断熱の厚み」を考えておきましょう。
夏場に家を涼しくして暑い夏を乗り切るためにはこの2点は特に抑えておかないと後悔する事になってしまうかも知れませんのでご注意下さい。