【ひろゆきさん出演】太陽光発電は元取れる?に本田がABEMA TVで解説しました。
太陽光発電は元取れるのか?というテーマで、ABEMA Primeに出演させていただきました。
クオホームの本田です。
まず冒頭のひろゆきさんの主張がこちら
続けて
と、おっしゃっていました。
とてもひろゆきさんらしく、すでに論破された気になってしまいますがそれでは話が終わってしまうので(笑)
今回は、太陽光発電は実際どうなの?ということについて、メリットデメリットをふまえた上でお話ししていこうと思います。
太陽光発電は儲かるのか?
上記画像はABEMA Primeさんがシミュレーションした、太陽光発電で儲かる仕組みです。
まず一般的な住宅であれば、太陽光発電の積載量は4kW〜4.5kW。
新築だと設置費用に約126万円、中古住宅の場合は約136万円かかるとします。
売電価格(発電した電力を売った時に得られる単価)が19円だったとした場合、年間約9万4,000円の収益が発生するという仕組みです。
この計算だけであれば、儲かるとはっきりと言えるでしょう。しかし、実際はそうではありません。
太陽光パネルの重さは1枚につきおよそ15kgで、4.5kW設置するとなると約20枚のパネル=300kgもの負荷が屋根に加わることになります。
何十年も屋根に重たいパネルが乗っかるということなので、家の耐久性についても考える必要が出てきます。
太陽光パネルを実際設置してみた結果
実は私は太陽光パネルを乗せて10年以上経っておりまして、実際どうなのかというと、結論「もうそろそろ元が取れ始めるかな」という感じです。
しかしこれは
- 当時の買取価格(売電価格)が42円と高額だった
- 国の補助金を色々駆使した
- なるべく安く設置できるよう業者間のコネを使った
といった感じで、導入コストをかなり抑え、かつ売電価格が高かった時から設置したため、10年で元が取れ始めるという結果になっているわけです。
なお、今から設置するとなると、2023年の売電価格は16円。私が設置した当時の1/3の単価に下がっています。
また、掃除についてひろゆきさんから以下の質問がありました。
正直いうと、掃除は一度もしたことがありません。
で、掃除したらその分発電効率が上がるのか?というと、もしかしたら上がるかもしれません。
ただやはり自分で屋根に上って掃除するわけにもいかないので、業者に依頼しなければならず、そうすると結局掃除のためのコストがかかるよねという話で。
そこまで考え出すと、導入の段階で「太陽光発電で元が取れるのはいつか?」というシミュレーションは不可能に近いかなというのが私の意見です。
果たしてこの状況でも設置したほうが良いのか?または設置しないほうが良いのか。
ここで、太陽光パネルの設置におけるメリットデメリットを深掘りしていきましょう。
太陽光発電のメリット
まず、太陽光発電には以下のようなメリットがあります。
- 自家発電のため電気代が安くなる
- 余剰電力を売電し収入になる
- 災害時の停電にも対応できる
- エコ
- 補助金を使える
- 契約して10年間は売電価格は変わらない(FIT制度)
自家発電のため電気代が安くなる
太陽光発電は、自家発電になるため電力会社から供給してもらう電力がグッと減ります。
昼間は太陽光発電した電力でまかない、夜だけ電力会社から電気を買うか、蓄電池を導入して夜も自家発電の電気を使うか。
また、近年の電気料金値上げに対しても、大きな影響を受けることがありません。(夜の電気は買っている場合、多少影響は受けますが)
ちなみに「くらしTEPCO(運営:東京電力)」が環境省のデータを元にシミュレーションしたものによると、年間5万7629円相当の電気代を節約できるそうです。
ただ、これは全国の調査データの平均値から出したものなので、条件等で数字は変わってきます。
余剰電力を売電し収入になる
太陽光発電で余った電気は、電力会社に売ることができます。
太陽光発電の導入を検討している人は、この売電収益に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
冒頭で解説したABEMA primieのシミュレーションでは、年間約9万4,000円の収益が発生することになっています。
実際にはシミュレーション通りにはいかないのが現実で、そこまで多くの収益は発生しないのですが、「余剰電力を売電できる」というのは事実です。
災害時の停電にも対応できる
災害で地域停電が起きた際でも、太陽光発電によって電気を使うことができます。
蓄電池も設置していれば昼夜問わず電気を使用できるため、災害時の安心を確保できるといったわけです。
滅多に起こることではありませんが、万が一を考えるのであれば大きなメリットと言えるでしょう。
エコ/環境にやさしい
太陽光によって自家発電することで、環境にやさしくなります。
一般的な電力は石油を燃焼させて発電する火力発電によるもので、CO2を含め大気汚染物を多く排出します。
日本は2050年までに脱炭素社会によるカーボンニュートラルを目標にしていて、太陽光発電はCO2排出の削減に役立つのです。
環境に対して意識が高い人は、太陽光発電の検討はいいかもしれません。
補助金を使える
太陽光発電を導入するにあたって、補助金を使えることがあります。地域によって条件が異なるため、お住まいの自治体に確認してください。
契約して10年間は売電価格は変わらない(FIT制度)
FIT制度とは、「再生エネルギーを一定期間、一定価格で買取ますよ」という制度で、例えば今回の太陽光発電であれば、契約時の売電価格のまま10年間買取ってくれるということになります。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電のデメリットについて深掘りしていきましょう。
- 導入コストが高い
- メンテナンスによる維持費用がかかる
- 売電価格は右肩下がり
- 天気や地域に左右される
- 屋根の加工や家の耐久性をあげる必要性も出てくる
- 災害で壊れる可能性もある
- 反射光で近所とのトラブルも
- 電気代がゼロになるわけではない
メリットよりデメリットが多いから導入はやめたほうがいいというわけではなく、メリットとのバランスを考えて検討するのが良いと思います。
導入コストが高い
冒頭のABEMA primeによる試算では導入コストは新築で約126万円、既存の住宅だと136万円ほどかかるとなっています。
補助金や業者の選び方次第では100万円以下に抑えられる可能性もありますが、この導入コストを何年かけてイーブンまたはプラスにもっていけるのか?というところが気になるところでしょう。
メンテナンスによる維持費用がかかる
実は太陽光発電は2017年4月以降、メンテナンスが義務になっています。
メンテナンス頻度は、4年に1回以上が推奨(資源エネルギー庁)されており、1回にかかる費用は1万〜2万円となっています。
ただこれも、どれくらい設置しているかでも変わってきますし、一概にいくらとは言い切れません。
売電価格は右肩下がり
私(本田)が設置した時の売電価格は42円/kWhでしたが、2023年現在では16円/kWhと、どんどん下がっています。
過去の売電価格の推移は以下のとおりです。
なお、政府は2030年度までに売電価格を7円/kWhにするらしいです。
天気や地域に左右される
太陽光発電は、太陽の光を利用しているわけで、雨や曇りではうまく発電してくれません。さらに、住んでいる地域によっては、日射条件等で、不利になる可能性もあります。
その辺もしっかり、導入前に調査する必要があります。参考までに不利な場所を画像で貼っておきます。
屋根の加工や家の耐久性をあげる必要性も出てくる
太陽光パネルはどんな屋根でも設置可能ですが、屋根の形状によっては加工が必要になってきます。
例えば瓦屋根は凹凸があるため、瓦に穴を開けて固定させなければいけません。
また、太陽光パネルの重さは1枚につきおよそ15kgで、4.5kW設置するとなると約20枚のパネル=300kgもの負荷が屋根に加わることになります。
そのため、家の耐久性も問われてきます。
単にパネルを乗せるだけではないのが、太陽光発電のデメリットです。
災害で壊れる可能性もある
風で飛ばされるということはないでしょうが、強風で石や木、物が屋根にあたって破損してしまう可能性もゼロではありません。
破損してしまったときのために保険もありますが、結局そこでまた保険料というコストがかかってきます。
反射光で近所とのトラブルも
太陽光パネルで反射した光によって、ご近所とのトラブルになることもあるようです。
太陽光パネルを設置する方角などもよく検討しなければいけません。北側の屋根にはつけるなとも言われています。
電気代がゼロになるわけではない
メリットでも軽く触れましたが、太陽光発電でまかなえるのは、日が当たっている時間のみです。
夜は発電できないため、従来の電力会社からの電気供給が必要になってきます(電気代がかかります)。
ただし、蓄電池を設置している場合であれば、夜は蓄電した電気を使うことができるため電気代はほぼかからないと言ってもいいでしょう。
またここで、元が取れるのはいつになるのか?という議論が繰り広げられるので結局何がいいのか?は断言できないというのが本音です。
廃棄にもお金がかかる
見落としがちなのが、太陽光のパネルが壊れたり寿命を迎えたりしたときには捨てる作業が出てきます。
ここでまた、お金がかかります。
産業廃棄物扱いで20万円〜30万円ほどのイメージ(見積次第)だと思ってください。
設置費用0円の方法がある(PPA、リースなど)
PPAやリースを利用すると、太陽光発電の導入費用がゼロになります。
PPA
Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略で、設置費用やメンテナンスなど全てPPA業者の負担となります。
メリットデメリットはさまざまありますが、大きな部分でいうと
- メリット…あらゆる費用負担が不要・電気代や安くなるケースがある・契約終了後はそのまま自分で使える
- デメリット…契約期間が長い(10年〜15年)、売電分は事業者のもの、電気代はかかる、電気代が高くなるケースもある
といったところです。
どこの事業者を選ぶかによっても色々条件が変わってくると思うので、しっかり調査する必要があります。
リース
リースはレンタルです。設置費用はかかりませんが、毎月のリース代が発生します。
自己所有と同じで、余剰分の電気は売電できますし、自家発電の電気使用にはお金はかかりません。
リース料金は業者によって違いますが、おおよそ毎月1〜2万円が相場といったところです。
太陽光パネル設置の義務化について
2050年のカーボンニュートラル(100%脱炭素化)の実現にむけて、太陽光発電の設置義務化が検討されているというのも事実のひとつとしてあります。
義務となると導入費用やメンテナンス費用をどうするのか、補助金も増やさないといけないなど様々な問題が出てくるので、すぐに義務化になるとかはないかと思いますが、可能性のひとつとして頭のすみっこにでも入れておいてください。
太陽光発電は結局どうなのか?元は取れるか、導入した方が良いのかの結論
太陽光発電で儲かるのか?元は取れるのか?という問いに対しての結論は
「環境や状況による」
としか言えません。
あくまでも太陽光発電を導入するのは自己責任でお願いしますという結論です。
太陽光発電を導入する目的も大事だと思います。
- 元を取る・儲けるというより、自家消費というスタンスで考える
- 売電目的でなく、最低限自家発電で日常使う電力をまかなう
- 投資のひとつとして考える
といった感じで考えていただくのも良いのではないでしょうか。
太陽光発電より先に考えるべきこと
太陽光発電は導入した方が良いのかの結論をはっきり出すことができず申し訳ないですが、これは誰に聞いても同じ答えが返ってくるんじゃないかなと思います。
省エネ・エコな家を考えるのであれば太陽光発電以外にも色々あります。
中でも温熱環境を意識した家づくりをすることで「夏は涼しく冬はあたたかい」家が建ちます。
断熱性がよければ空調を使う頻度が減り、電気代は安くなります。
自家発電でプラスにすることを考えるのもいいですが、今かかっている年間消費コストを減らすことも大切です。
それについては以下の記事で詳しくお話していますので、よかったら参考にしてみてください。