耐震等級よりも金物検査。
長持ちする家 研究家 瀬﨑です。
今回は、長持ちする現場管理の話です。
本日、M様邸の、構造金物の自社検査に行ってきました。
いわゆる第3者機関による金物検査は、明後日ですので、その検査の前の検査という事になります。
ところで、『第3者機関が検査してくれるから安心』という皆さんは思うかもしれませんが、残念ながら、第3者機関に過剰な期待をしてはいけません。
検査とは名ばかりで、実際は、検査らしい検査をしないで、すぐに、次の現場に行ってしまう第3者機関の検査員を何人も見てきました。
皆さんが思うような、「安心の第3者保証」では、ないのです。
(注:皆さんが第3者機関に直接お金を払う場合は別です。)
『悪いところがあったら、検査員が指摘してくれるから、それを直せばいい』と思って、大工さんや、工事監督が仕事をしているなら、長持ちするいい家は作れないと断言できます。
金物を施工する大工さん、それをチェックする工事監督、それぞれが、自分がいい物を作るんだという信念を持って、自主検査する事が必要ではないかと思います。
お客様から見れば、至極、当たり前の話なのですが、工事監督が、同時に何物件も掛け持ちしている会社だと、物理的にしっかり検査する時間が取れない、工期が極端に短いなど、何らかの理由で、この当たり前の事が、できていない会社も多いのです。
これが、金物検査を行う時の現場の状態です。↓
金物が、図面通りに取り付けてあるか、一箇所ずつ目視で確認していきます。
金物の種類、ビスの本数・種類なども同時にチェックします。
構造計算上、耐震等級3が取れていても、
計算通りに金物が設置されていなかったり、
設置はされていても、正確に施工されていない場合なら、
耐震等級3と言ってはいけない建物になってしまいます。
きっちりチェックしようと思えば、それなりに時間もかかります。
でも、そういう部分に手間暇をかけると、、確実に間違いを見つけることができます。
これは、2Fの金物図↓
赤い〇は、合格箇所、青い〇が、不適合箇所です。
残念です。2箇所も不適合です。
すぐに、大工さんに是正指示をだしました。
自分で直した方が早いのですが、大工さんに、自ら直してもらうことが、やはり重要です。
おっと、もう一箇所不具合を発見です↓
ボルトのかかりが浅い。締め付け不足ですね。
ねじ山が3山はナットから飛び出さなくては、不合格です。
ここで、指摘しなければ、おそらくこのまま天井裏に隠れていた事でしょう。
そうなると、床鳴りの不具合を引き起こしていたかもしれません。
大地震の際は、弱点になるでしょう。
しっかり自社検査して、構造計算通りの建物を建てる。
どこもやっているようで、意外にできていない長持ち管理ポイントです。