長持ちする屋根のためにはまずここから。
長持ちする家 研究家 瀬﨑です。
今回は長持ちする屋根の話。
「屋根を長持ちさせたいから、瓦がいい」
「カラーベストは、すぐに痛むので使いたくない」
この二つの意見を本当によく聞きます。
まず、長持ちするとはどういう状態の事を意味しているのでしょうか?
美観上のことなのか、雨漏りしないという性能のことなのか、それともその両方なのか?
今回は、「雨漏りしない」と いう点についてお話したいと思います。
まず、知っておいて頂きたいのは、屋根にかかった雨は、瓦や、カラーベストで防いでいるのではなく、ルーフィングと呼ばれる防水シートで防いでいるということです。
瓦や、カラーベストなどの屋根材は、どちらかというとルーフィングを保護していると いう意味合いの方が強いのです。
建築中は、ルーフィングさえきっちり施工できていれば、雨が天井から落ちてくることはありません。しかし、ルーフィングを施工せずに、瓦や、カラーベストを敷き並べても、ほぼ間違いなく雨漏りします。
それほど、ルーフィングは重要な部分なのですが、皆様の関心はそれほど高くないように感じています。
家の性能にかなりこだわっているお客様からでも、使っているルーフィングの商品名や、施工方法について質問されたことはまだ一度もありません。
ルーフィングは後から替えるというわけにはいきません。
耐久性の高いものを選び、きっちり施工しておくことが非常に重要なのですが、実際に、どのようなルーフィングが使われているか、また、どのように施工されているかを把握している方はほとんどいないのが実状ではないですか?
施工に関しては、主に下記の項目が重点科目になります。
特に、下屋軒先の捨て貼りシートに施工ミスが多く、雨漏りが 多発している箇所です。
住宅瑕疵担保保険会社の検査員によるチェックも、通常は、基礎コンクリート打設前の鉄筋の検査と、構造材の金物検査しかありません。
防水シートの検査は、別途費用を支払って、ホームインスペクターなどの第3者検査機関を入れない限りは、施工店の工事管理に任せるか、あなた様ご自身でチェックする必要があります。
しかし、現実問題として、他にお仕事されながら、現場の管理をすることは難しいかと思いますので、やはり、信頼できる工事店をみつけお願いすることが、長持ちする家には必要不可欠です。
ルーフィングには、種類がいくつかあります。
少し前まではアスファルトルーフィングが主流でした。
品質に力をいれている工事会社は、より性能の高い改質アスファルトルーフィングを使用しています。もちろん、価格も高くはなるのですが、耐久性を考えるとこちらを選んでおくことをお勧めします。地味な部分なので、アピールポイントとしては、わかりにくい部分ですが、だからこそ、改質アスファルトルーフィングを標準仕様にしている工事会社は好感が持てます。
見えない部分、後から交換できない部分に、品質のいい商品使う事が、結局は、メンテナンス費を抑えることができ、家を長持ちさせるポイントになるのです。
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