基礎のひび割れから考える建築会社選び
長持ちする家 研究家 瀬崎です。
今回は、基礎の話。
基礎の強度が、耐震性に重要な影響を及ぼすことは誰でも想像できるかと思います。
そんな大事な基礎にひび割れが生じてしたら・・・・ あなたならどうしますか?
先日、義理の父から、こんな話を聞きました。
「岡山に住んでいる親戚がタマホームで建てた家、基礎がひび割れだらけらしいぞ」
黙って聞いていると、
「タマホームはやっぱりあかんわ・・・・安いものは安いなりやわ・・・」と、
タマホーム批判が、続きます。
私は、現場を実際に見たわけではないので、想像でしか話すことはできませんが、ここで言う、基礎のひび割れとは、構造的な欠陥ではなく、基礎の表面に薄く塗っているモルタルが、乾燥する過程で収縮する事によって起きたクラックで、大きな問題ではないと思います。
義父にも、同じ説明をしました。
コンクリートは必ず縮んでひび割れしますので、駐車場の土間コンクリートや、擁壁などには、
ひび割れを緩和するために、一定の面積毎に、小さく区切りをつける工夫をしています。
しかし、住宅の基礎で同様の事を行うのはコスト的に難しい問題があります。
どうしても、見た目が気になるという方は、弾性モルタルで化粧塗りしたり、タイルを貼ったりと、方法はいくらでもあります。ただし、これでもコストはあがります。
実際のところ、この部分に関しては、ほとんどの建築会社が、タマホームと同等の化粧モルタル仕上げで、納めています。
ですので、タマホームだから、クラックがあるのではなく、坪80万以上もするハウスメーカーで建てた家でも、クラックは発生しているはずです。
変な先入観は捨てましょう。(義父には言えませんでしたが・・・)
注意することは、クラックの質です。
これまで、お話してきたことは、すべて、表面上のモルタルのクラックです。
いわゆるヘアクラックと呼ばれる小さなひび割れです。
ヘアクラックの幅は小さく、浅い。
しかし、このクラックが、大きく深い場合は、全く意味合いが異なってきます。
一般的に幅0.3㎜ 以上、深さ5㎜以上のクラックであれば、要注意ですので、専門化に一度見てもらった方がよいでしょう。
この場合、基礎のクラックは、表面だけでなく、基礎本体に発生している可能性が高く、何らかの対処をしないと、クラックから雨水等が浸入し、鉄筋の酸化を招き、強度が著しく下がる恐れがあります。
なぜ このような事になってしまったのか?
多くが、地盤沈下や、鉄筋のかぶり不足が原因です。
しっかり、地盤調査を行い、コンクリートを流し込む前に、鉄筋検査を行い、適切なかぶり厚さを確認していれば、防ぐことができた可能性が高いでしょう。
気になる住宅会社の建物スペックを比較することも大事ですが、その会社に適切な管理能力があるのかを見極める事も、住宅会社選びには、大変重要です。
あきらかにヘアクラックではなく構造的なクラックにも関わらず、ヘアクラックと言い切り、対応しない建築会社もあるようなので、皆さんの方でも、一定の知識は身につけておいた方がいいですね。
予備知識が備われば、「質問」という方法で、業者を選定できるようになります。
・あいまいな回答しかできない。
・違う質問にすり替える。
・正直にわかりませんと答える。
たとえ、あなたの質問に担当者が答えられなかったとしても、対応の仕方ひとつで、
その会社の姿勢が見えてくるはずです。
せっかく得た知識は、フル活用して下さい。
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