目の錯覚を利用して光熱費を下げる方法

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長持ちする家 研究家 瀬崎です。

今回は、発想の切り替えで光熱費を下げる方法をお伝えします。

正攻法で光熱費を下げようと思えば、

・高性能の窓を設置する。
・断熱材を厚くする。
・気密性能を上げる。
・日射遮蔽を工夫する。

等になりますが、今回お伝えする方法は、そういうことではなく、

家を小さくして、エアコンの効率をよくする方法です。

ただ、小さくするだけでは、不便になったり開放感がなくなったりしますので、
小さくしても、小さく感じさせないように工夫します。

そのために次にあげる3つの項目が重要になります。

①ウッドデッキをうまく利用する
②幅木・廻り縁等を工夫する
③視線の抜けを考える

では、順番に説明しましょう。

ウッドデッキをうまく利用する

普段、もっとも滞在する時間が長いリビングの解放感を確保する事は大変重要です。

しかし、一方エアコンの稼働時間が長い部屋もダントツでリビングですので、
リビングを小さくしながらも大きく魅せる事は、冷暖房節減に最も効果があります。

では、具体的な手法をご紹介します。

リビングの掃出しにフローリングとできるだけ同色のウッドデッキを設置するんです。

フローリングの向きと、ウッドデッキの板材の向きを揃えるとより効果的です。

下の施工写真は、株式会社テラジマアーキテクツさんのものですが、ウッドデッキとリビングとの一体感によって本当にうまくリビングを広く見せることに成功しています。

ウッドデッキをお考えの方は、上手く取りいれていきましょう。

天井高を下げる

住宅展示場に行って、室内を見学すると、ものすごく開放感を感じます。
それは、展示場用に天井高をもともと高くして設計しているからなんです。

これをただ単に真似すると、建築費が上がるし、部屋の容積が単純に増えているため、
冷暖房効率も悪くなります。

そこで、ここでは、開放感を損ねずに、天井高を小さくする方法をお伝えします。

そのために、廻り縁を使わず、幅の細い幅木を使用します。
できるだけ壁の面積が大きいように見せるのがポイントです。

キッチンのカウンターなども薄くしたほうが、存在感を薄めることができます。
できれば、壁の色と同色にしたほうが、よりいっそう効果的です。
吊戸棚も収納量を他で確保できるなら、ない方がいいですね。

意識せず普通に施工した写真①と、開放感を感じるように工夫した写真②を見比べて下さい。

写真①

写真②

このように細かい工夫を積み重ねる事で、同じ天井高でも、開放感が大きく変わってきます。

例え、写真②の住宅の天井高を10cm下げたとしても、おそらく、体感的には、写真①の住宅より天井高は高く感じるはずです。

これで、開放感を高めながら、光熱費を削減できることになります。

視線の抜けを考える

視線が遠くまで抜けるようになると、ものすごく広く感じることができます。
これは、もっとも強力な手法です。

先ほど「天井高を下げる」の中で、お薦めした吊戸棚をなくす方法がまさにそれです。

もう一度、先ほどの写真を見比べて見て下さい。

吊戸棚の壁で本来なら止まってしまう視線が、奥の食器棚の壁まで、抜けていきます。

その事で、リビングが食器棚の壁のあるところまであるように感じられます。

この手法は、出入口のドアで、使用しても同様の効果があります。

天井まで高さのあるドア枠のないドアを使うことによって、天井が連続し、視線が抜けます。

また、2枚の写真で比較してみましょう。

↓廊下を広くとってもドアが集中すると、なんとも圧迫感があります。
ドア枠の存在感もすごいです。

 

 

 

↓これも視線の抜けを意識することによってこうなります。

廊下の幅はむしろこちらの方が狭いのですが、建具枠がないため、視線が抜けます。また、壁と建具を同色にする事で、壁面積を大きくみせる工夫も同時に行っています。

もう一つ違う写真も見てみましょう。

 

矢印の箇所には実は、ドアがあるのですが、開けるとその存在がまったく消えてしまいます。

枠なしの効果で視線がずっと先まで抜けていきます。

「強力な効果を感じて頂けましたでしょうか?」

部屋が広く見えるには理由があるのです。

これを知っていないと、たとえ、床面積を広げても、天井を高くしたとしても、広さを感じられない家、建築費ばかり高い家、エアコンの効かない家になってしまいます。

今回ご紹介した3つのポイントをうまく利用して、低コストで、省エネな家を建てて下さい。

 

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