エコ住宅・エコハウスを建てるための土地選び

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長持ちする家 研究家 瀬﨑です。

今回は長持ちする家を建てるための土地の話。

不動産業者が言う土地選びの注意事項を
ここで私が言ってもしょうがないので、
パッシブ建築的な視点から、長持ちする土地選びをお伝えします。

「長持ちする」と毎回のように言っているのですが、
家を長持ちさせるためには、

メンテナンスを必要なタイミングでおこなうことが重要です。

メンテナンスを必要なタイミングで行うには、
メンテナンス費用というのものを
しっかり貯蓄する必要があります。

あなたのまわりで家を建てられた方で、何十年か先に発生するメンテナンスを定期的に貯蓄できる方がいらっしゃいますか?」

おそらく、ほとんどいないと思いますし、
そもそも、どれくらいの費用がかかるかを把握していないのではないでしょうか?

建て方によって、このメンテナンス費用は
大きく差が出ますが、
10年後~15年後には100万円以上のメンテナンス費用が
発生する家が、大半だと思います。

なるべくメンテンス費用がなるべくかからない家を建てることが一番重要ですが、
同時に、メンテナンス費用が貯蓄できるように、
光熱費のかからない家を建てることも同じくらい重要です。
この光熱費のかからない家を建てることに大きく関係してくるのが、「土地選び」なんです。

自然の力を有効利用して、電気をなるべく使わない快適な家を建てることを
パッシブ建築や、パッシブ手法と言いますが、

そのパッシブ建築を行うには、
南面の日射量の確保が、かかせません。

もう少し詳しくお話しますね。

南面から降り注ぐ
日射(太陽の熱エネルギー)で部屋を暖められるように設計することで、
冷房費の10倍かかると言われる暖房費を、大幅に削減することが可能になるのです。

そのためには、当然ですが、南面の窓を大きく取る方が有利なので、

東西に長い土地を選ぶことが必須なりますし
南北に長い土地は、パッシブ建築には不向きということになります。

すでに「土地選び」の段階で、家を建てた後に発生する光熱費の選択を
していることになるんです。

この話をすると驚かれるかたが多いですね。

ここで、もうひとつ注意して頂きたいのは、パッシブ建築に向いている地域と、
そうでない地域があることも知っておいてください。

実は日射量は、地域によって全然違いますので、
土地の選び方もかわってきます。

例えば、弊社がよく設計を行なう兵庫県姫路市は、

国が定めた、「日射と基準の地域区分」で、

年間日射地域区分 A4区分
暖房期日射地域区分 H4区分

(5段階で数字が大きいほど日射量が多い)
という、非常に日射量の多い地域に位置していますので、
パッシブ建築に向いています。

逆に、たとえば、スキーで有名な
福井県勝山市などは、

年間日射地域区分 A2区分
暖房期日射地域区分 H1区分

日射量が極めて小さい地域ですので、冬に太陽熱を取りいれるのが
難しい地域ですので、東西に長い土地を選ぶ優先順位は下がります。

この場合は、
他の条件を優先したほうがいいでしょう。

このような地域は、南面の窓も、冬に太陽熱を取りいれることは
期待せず、とにかく家の中の熱を外に出さないようにしなければなりません。

日射量によって、プランニングは大きく変わってきます。 

自分の地域の日射量が知りたいかたは、
下記サイトをクリックして、↓
http://www.kenken.go.jp/becc/
その中でさらに蛍光でマークしている箇所をクリックすれば、
全国対応しているエクセルシートがダウンロードできますので、
それを参考にしてください。

パッシブ建築的な要素でいうと、
・南側に、南面の窓への日射を遮る他の建物がある、
 もしくは、建物が立つ可能性がある。

という土地も要注意です。

もし、その土地を購入して建てた家の南側に
新たに、3階建の家が建って、日が当たらなくなった・・・

仮にそうなったとしても、
間違っても、その家の方に文句を言わないで下さいね。

悪いのは、それを予想できなかったあなたの家を設計した設計士と、
その提案を受け入れたあなたですから・・・

 

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