できるならやってみよう基礎一発打ち。
長持ちする家 研究家 瀬崎です。
住宅の基礎工事で、技術者の間でよく話題にあがるのが、『基礎の一発打ち』です。
簡単に説明します。
一般的に住宅の基礎を作る場合、コンクリート打設工事は2回に分けておこなっています。
まず、一回目に、ベース部分。 基礎の根本になる部分を打ちます。
それから、何日かしてから、今度は、立ち上がりの部分を打つんですね。
単純に考えて、2回に分けずに1回で打ったほうが、コンクリートが一体になって、強いような気がしませんか?
答えを初めに言うと、その通りで、1回でコンクリートを打った方が強い基礎ができます。
『なんとなく』のその感じは大変重要です。
では、なぜ、一般的に2回に分けてコンクリートを打つのでしょうか?
それは、
『技術的に難しい・・・』
というびっくするくらいわかりやすい答えになります。
コンクリートを流し込む型のことを型枠と言いますが、外回りの型枠は地面に固定できるのですが、内部の型枠は空中に浮かせて固定する必要があるのです。ここが難しいのです。
この問題がクリアできずに、多くの工事会社が、コンクリートを2回に分けて施工しているが現状です。
ですので、1回で打った方がいいことは、わかっているのです。
試しに、「どうして2回にわけて打っているのですか?」と聞いて見てください。
潔く、答える工事会社。適当な返事をする工事会社。もっともな理由をのべる工事会社。
答え方で、その会社の姿勢がわかります。
では、2回にわけてコンクリートを打つと、一発打ちに比べて基礎が極端に弱くなるのかと言うと、
私はそうは思いません。
鉄筋コンクリートのマンションなどは、当然、一発でコンクリートが打てるはずもなく、何回かにわけて施工されています。コンクリートを打ち継ぐ場所さえ間違えなければ、極端に強度が落ちるわけではありません。
それでは、2回打ちで何も問題がないのかと言えば、そうとも言えないのです。
数年前に局地的な大雨が降ったことがあり、建物の周囲が地面から20cmほど水が上がりました。
その時、基礎パッキン工法で建てられた家が、床下浸水していたのです。
基礎パッキン工法というのは、従来の家にあった基礎の換気口の代わりに、硬質ゴムのパッキンを土台と基礎の間に敷き並べる工法です。
従来の基礎の弱点であった換気口を設置せずに、床下の換気量を増やすことができる優れた工法で、今では、ほとんどの住宅がこの工法を採用しています。
この工法で建てているので、換気口はありません。
そこから水が入ったわけではないのです。
基礎の打継ぎ部分から浸水していたのです。
一度、床下に水が入ってしまうと、その水を逃がすのは本当に大変です。
蒸発して上に上がってしまうと、一階の床下を腐らせる要因にもなってしまいます。
一発打ちならすべて解決しますが、もし、2回打ちするなら、基礎の表面に防水処理するなど、浸水対策をしておくことをおすすめします。
*追記
防水処理以外にもっと安価で浸水対策が出来る方法がありました。
こちらの記事を参考にして下さい。
現場打ち基礎にひと手間加えてみる。
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