デザイン性と通風計画

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長持ちする家 研究家 瀬﨑です。

今回は長持ちする 通風計画について。

電気料金の高騰や、エコブームなどから、私たちの提案している、『なるべく電気を使わない家造り』という考え方に共感して下さる方が増えてきたように感じています。

「なるべく電気を使わない家造り」とは?

これまでに、似たような事は何度も言っていますが、もう一度整理しておきます。

家の断熱性能・気密性能をしっかりしたものにし、その上で、通風・採光計画をプラスする。

これが、なるべく電気を使わない家造りの秘訣です。

今回は、この中の「通風計画」について、少しだけ掘り下げたお話をさせて頂きます。

通風計画とは、風通しです。

風通しのよくなる家になるように、計画的に窓を設置するすことです。

基本は、居室には窓を2つ以上設置するということ。

風通しは、入口と出口、ワンセットで考える事が重要です。
いくら大きな窓であっても、入口だけでは駄目なんですね。

2つ設置する窓は、、向かい合わせるよりも、広い範囲に風が行きわたるように、対角線上に設置したほうが、涼しく感じます。

今までの話は常識と思われるかもしれません。

事実、2階に計画する子供部屋や、寝室は、どの家を見ても、たいていは、基本通りに窓が設置されています。

しかし、これが南北に長いLDKになると、そうなっていないプランが増えてきます。

南側にリビングを配置して、北側の配置した対面キッチンから、家事をしながら、南のリビングの様子をうかがえるようなプラン。非常によく見かけるプランです。

この場合、キッチンの後ろ(北面)に、食器棚や、冷蔵庫を配置することが多いので、

窓がないんですね。

これでは、せっかく南の窓から入ってきた風が、キッチンまで流れてきません。

キッチン廻りは、調理しますので、どうしても湿気が溜まりがちです。

ここに風を呼び込む事は大変重要なのですが、おそらくは、家事効率を優先して、食器棚や、食器台などを配置し、窓を設置しない選択をされているのでしょう。

たしかに、断熱性・気密性の高い家なら、エアコンだけでも十分に空調できますが、
なるべく電気代を使わない家を建てるのであれば窓は必須です。

密集地に建築する必要があり、風なんて期待できないという場合もあるでしょう。

この場合でも問題ありません。

温度差を利用して換気する方法があります。

空気は温度の低い方から高い方へと移動する性質があります。

これを利用します。

それには吹き抜けを計画することが有効です。

 「吹き抜け」と聞くと、エアコンが効きにくくなるため、逆に、冷暖房費があがるのではと心配される方もいるかと思いますが、そうとも限りません。

 夏と冬で状況が違いますので、わけて考える事が必要です。

 先に夏の場合からご説明します。

 暖かい空気は軽くなり上へ上へと登っていきます。

 そこで、できれば北面のなるべく高い位置の壁面の風抜き用の窓を設置するのです。

 これにより、どんどん1Fから2Fへ向かうダイナミックな通風が起きます。

 温度差を利用して自ら風を作り出す計画です。

 吹き抜け上部を壁でフタしてしまっているプランをよく見ますが、非常にもったいない。

冬場のエアコン効率だけを考えるのであれば、それでいいのですが、夏にはせっかくの通風経路を自ら遮ぎる事になってしまいます。

 吹き抜けを設けた場合は、上部を壁にするなら、かならず室内窓等を設けて、通風経路を取ることです。

 次は、冬の場合です。

 冬は、エアコンで暖房しても、暖かい空気は吹き抜けから、すべて2階へ上がっていってしまいます。

 これを、防ぐために、吹き抜け部の天井に、大きな羽を持つシーリングファンを設置し、それを回すことで、暖かい空気を1Fに吹き戻す方法を取ることを推奨します。

部屋を輻射熱で暖める床暖房は、エアコンで暖められた空気のように、2階にあがっていくことがないので、大変有効ですが、電気代がすごくかかりますので、「なるべく電気を使わない家造り」からは、遠ざかってしまいますので、あまりおすすめしません。

 吹き抜けは、部屋が少なくなる。耐震性が悪くなる。

などの理由で、嫌うかたもいらっしゃいます。

その場合、階段部分をうまく利用することで、同様の効果が狙えます。

 そのためには階段をなるべくスケルトン階段にすることです。

 空気の流れをなるべく遮らないようなデザインのものを選びます。

スケルトン階段や、シーリングファンなどを、ただ、おしゃれの為だけに取り入れるのではなく、このように通風計画に合わせて導入する事は、デザイン性、機能性、両方の面から考えて、大変効果的です。

一度、検討されてはどうですか?

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