老後の不安解消に太陽光発電の大嘘
長持ちする家 研究家 瀬崎です。
今回は、太陽光発電について
質問があいかわらず多い太陽光発電です。
私の考えは、一貫しています。
『まずは、建物本体の基本的な性能を高める。
その結果、それで、資金的にまだ余力があれば、載せる。』
性能のいい家(例えば、Q値1点台の家)が建てられる予算があるのにもかかわらず、太陽光パネルを多く載せるために、わざわざ性能を落とした家を建てる方がいますが、 本当にもったいない話です。
まず、強調しておきたいのが、
太陽光パネルをいくら載せたとしても、家の快適性はまったく変わらない
と言う事です。
太陽光パネルは、家の設備というよりは、株や、不動産などの投資物件と同等のものだと考えて下さい。
当然、投資ですからリスクもあります。
①地震等で、故障する。
②耐震性が下がる。
③デザインが悪くなる。
④隣地に建物が建ち、発電効率が下がる。
⑤買取価格が下がる、買取自体がなくなる可能性がある。
買取自体がなくなると、自分の家で使う以上の電気を発電しても、捨てるだけになりますので、売電目的で多量のパネルを載せる事は、そういうリスクがあることも知っておくべきです。
一方、太陽光に費やす150万円を、サッシの性能や、断熱材の厚みを増やす事に使って
家の性能を高めると、
①光熱費が少なくてすむ。
②病気にかかりにくくなる。
③部屋毎の温度差、部屋の上下温度差が少なく、不快感がない
等、多くのメリットがあります。
また、光熱費に関しては、今後、電気代が、大幅に上がっていく事が予想されるため、
将来的にもっと大きなメリットを生むことになります。
太陽光パネルと違って、リスクはありません。
投資したぶん、確実にいい事があります。
それでも、予算が余る様なら、その時こそ、太陽光パネルを検討するべきだと思います。
株は、余剰金で行うのが、鉄則のように、
太陽光も同じように考えるべきです。
ちなみに、太陽光パネルは、後から載せても、金額は、ほとんどかわりません。
所持金ゼロ円でも太陽光ローンは組めますので、後から載せられるような屋根にしておけば、いつでも載せることができます。
待っていれば、パネルの性能が上がり発電効率もどんどんよくなるし、価格も下がってきます。
待つだけでなく、リスクを少なくするような動きが起こらないか常にチェックしておく事も大事です。
・10年ではなく、20年買取保証してくれる。
・地震で故障した場合、無料で直してくれる。
・発電量を保証して、それを下回った場合、本来得られたはずの売電分を担保してくれる。
上記のような、保証をつける業者が現れれば、検討する価値は十分にあります。
正しい知識を身につけ、準備していれば、間違った選択をすることが少なくなります。
反対に、知識に乏しく、準備が不十分だと、大きなリスクを抱えてしまいます。
顕著な例が、
多量の太陽光パネルを載せている古い日本家屋です。
ほとんどの所有者は、安定した資金が、年金にプラスして毎月振り込まれるという営業トークで、太陽光パネルを購入することを決断されています。
残念ながら、彼らは売電価格の事しか見えていません。
古い日本家屋の耐震性能と断熱性能が、驚く程低い事を忘れてしまっています。
・重い瓦
・鉄筋の入っていない基礎
・窓だらけで、耐力壁のない壁面
・接合部に金物が使用されていない
ただでさえ地震に弱い要素がたくさんあるのに、太陽光パネルを載せる事により、
さらに、地震に弱くなります。
耐震改修では、屋根の重量を下げる事が非常に有効なのですが、まさに、逆の行動です。
こうなると、小さな地震でも揺れは激しく、太陽光パネルの故障率も高くなります。
断熱性能も見てみましょう。
・部屋ごとの温度差によるヒートショック
・低すぎる断熱性能のため、光熱費が非常に高い
・壁内結露の被害で、構造材の耐久性が低下
・病気にかかりやすい
断熱性能が低い事により、多くのリスクを抱えています。
地震のように、突発的に起こるものではなく、日常的なリスクなのが、さらに問題を大きくしています。
ヒートショックによる死亡率は、交通事故の2倍以上だという事を知ってください。
しかし、しっかり断熱改修できれば、もとが非常に悪いだけに、太陽光パネルが売電して稼ぎ出すお金よりも、多くの電気代を節約できる可能性があります。
しかも、それだけではなく、健康面でのメリットも計り知れません。
家の断熱性能というのは、本当に、大変重要なポイントなのです。
リフォームでは、耐震性能・断熱性能を高めて、リスクを小さくすることを最優先しなければなりません。
それなりに費用もかかりますが、必ず、それ以上のメリットがあります。
太陽光を考えるのはそれからで充分です。