PM2.5・花粉症に負けないインナーバルコニー
長持ちする家 研究家 瀬崎です。
今回は、インナーバルコニーについて
屋根のかかったバルコニーの事を『インナーバルコニー』という方もいるようですが、
ここでお話するインナーバルコニーは、完全に室内、
素足のまま、他の部屋と同様に行き来できる空間として、イメージして下さい。
メンテナンスの問題や、老後の動線を考えて、私はバルコニ-否定派なのですが、その私の意見を後押しするように、あいつが奥様方を怖がらせています。
あいつとは・・・・そう、PM2.5です。
布団に付着すると、綿の奥にまで浸透するとか・・・
うかつに外に洗濯物を干せない世の中になってきましたね。
世間の奥様方の関心が、室内干しに高まるのは、時代の流れでしょう。
そこで、今回は、効果的に室内干しを行なうために、
インナーバルコニーについて、考えてみたいと思います。
日本建築学会が、平成22年に 「室内干しした洗濯物の乾燥時間と、温湿度」について、
面白い実験を行っていますので、それを元にお話しをすすめます。
この実験では、インナーバルコニーを2mx3m 天井高2.5mとしています。
直接外壁に面した給気口と、室内側に面した給気口の2つを設置し、取り入れる空気の質によって、洗濯物の乾燥にどのように影響がでるかを測ろうとしています。
縦軸が重量。
吊るした時の初めの重量が3.5キロです。
6つの方法で、乾かした場合の乾燥スピードの比較を行っています。
①閉め切って干した
②外の空気を取りいれて干した
③他の部屋の空気を取りいれて干した
④他の部屋の空気を取りいれながら、扇風機をあてた。
⑤電気ファンヒーターで暖めた
⑥除湿機を作動させた
グラフを見ると、④と⑥の効果が高い事と、②の効果が低いのが目につきます。
次が、相対湿度(ある温度での空気の中の湿度の割合)の比較↓
この結果でも、④、⑥の効果が高く、②の効果が低いことがわかります。
②が低い理由は、取りいれる空気の湿度が高い事が予想されます。
つまり、安易に窓を開けて風通しを良くするという方法は、梅雨時期などは、完全に逆効果であって、PM2.5や、花粉等のリスクばかり、高めていたという事になります。
この実験結果を持って、日本建築学会では、除湿機能付のエアコンや、扇風機を当てることが、一番効果が高いと結論づけているのですが、 もう一歩踏み込んでみたいと思います。
除湿する事が非常に効果的だと言う事はわかっていますので、建築材料の中で、調湿機能、最強と言っていいLIXILのエコカラットプラスを、 施工してみてはどうでしょう?
実験と同じ3帖くらいのインナーバルコニーでしたら、2㎡くらい施工すれば、十分効果を発揮します。
さらに、洗濯物の中の水分は、重力で下へ下へ移動しますので、下から風を当てるのが効果的です。
そう考えると、扇風機よりは、サーキュレーターを設置する方が、より早く乾かす事が可能です。
この組み合わせで、エアコンや除湿機を動かすよりも、電気代も削減できます!
それでも、外にバルコニーが欲しいという方は、この記事も参考に↓