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屋根形状の違いによって、どんなメリットとデメリットがあるの?

2018.08.31.Fri

長持ちする家 研究家 瀬崎です。

最近は異常気象なのか、自然災害が多いですね。

今回は、自然災害に対しての被害の大きさとも絡んでくる屋根形状について解説していきます。

 

寄棟のメリットとデメリット

寄棟
まずは「寄棟(よせむね)」から。
寄棟とは4方向に広がっている形状の屋根で、大棟を中心に傾斜した隅棟が繋がり、その間を屋根が覆う形のことを言います。
寄棟は方形屋根に似ている屋根なので、一見すると混同されるケースがあります。

 

参考までに方形屋根とは、こんな屋根↓
方形
三角形4枚で、屋根が完成し、屋根の頂点は点で交わります。
一般の住宅で方形屋根にすることは滅多にないですね。
寄棟に話を戻します。
寄棟のメリットとしては安定感のある外観が作り出せたり、見る人に安心感を与えられる点にあります。
日本では古くから親しまれている伝統的な作りの屋根ですから、見る楽しみが得られるのも頷けるでしょう。
年配の方は寄棟を好む方が多いです。

 

また、大棟によって家を覆っている安定感が高いので、丈夫な家という印象が強く抱けるのもメリットです。
構造上のメリットは、強風などの風に強く飛ばされにくく、災害に対する耐久性が高いことです。

 

4つに分割された屋根が建物を覆いつつ、風を上手く受け流すことができるので、強風に対しても耐えられるというわけです。
台風21号は強風による被害が大きかったので、寄棟が見直されるかもしれませんね。

 

全ての面に軒樋はつきますので、建物周囲が濡れにくいという点もメリットです。
雨が溜まる心配はありませんし、雪にも重量を分散して耐えられますから、頭上に揺るぎない安心感が得られます。

 

散々褒めたので、デメリットも言っておきます。
分割して構成する屋根の都合上、他のタイプよりもコストが上昇してしまうのがデメリットです。

 

しかも、斜めに設置する部材の割合が多いですから、コストアップが避けられないのも納得のポイントです。
構造がやや複雑で工期が長くなってしまう、これも寄棟に関するデメリットの1つでしょう。

 

太陽光発電を設置する観点では、寄棟は無駄なくパネルを配置するのが難しいので、効率的な発電が期待できないというデメリットがあります。
全面を隙間なく覆うことができたとしても、4方向に傾斜した屋根が分割されてしまいますから、太陽光を余すことなく受け取るのは困難です。
寄棟を採用する時点で、太陽光の選択肢はないですね。

 

他にも、屋根裏のスペースが限られてしまい、無駄なく活用するのが難しくなるデメリットが加わります。
あなたが想像しているよりもはるかに狭くなりますので、その点に注意して採用を検討することが大切です。

 

また、屋根断熱工法の際に通気を確保しずらいという点もマイナス要素です。
壁、屋根共に空気の流れを作る事が結露防止に重要なのですが、寄棟の場合、隅木が邪魔で空気の流れを遮断してしまうんです。

屋根断熱に寄棟をする場合は、通気層を確保するために、ひと手間もふた手間もかけないといけないので、この組合せはあまりおすすめしません。

気づけば、デメリットの方が増えてしまいましたね(笑)

切妻のメリットとデメリット

切妻

切妻(きりづま)とは屋根が2分割になっている構造を指し、面で表すと2面で建物を覆う作りのことなので、いかにも住まいといった外観が特徴となります。
住宅は基本的に箱状で作られますが、これに切妻屋根を付けると、シンプルで住宅らしい家が実現するわけです。

 

切妻は屋根の勾配設定に自由度があるので、緩やかな傾斜で落ち着きを表現したり、急勾配で屋根裏のスペースを確保することもできます。
勿論これらはメリットの間違いないですが、勾配は見た目と機能性の両方に影響があるので、建築家と綿密に話し合いつつ角度を決める必要があります。

 

この角度によって、外観は全然変わってきますので、こだわってみて下さい。

 

屋根が2分割でシンプルという構造は、コストを抑えて経済性が高められるメリットも発揮します。
シンプルな見た目は魅力的ですが、魅力は見た目に限らず屋根が2枚だけで済むこと、棟や雨樋の長さが抑えられるなどのメリットにも繋がります。

 

施工に掛る人件費も抑えられますから、非常にコストパフォーマンスに優れています。
節約しつつ魅力的な家を実現したい場合に、この切妻は狙い目となるでしょう。

 

材料費も人件費も節約できる、それが古くから愛されている切妻の良さで、改めて評価されることにもなっています。
箱状の建物に三角の屋根の作りは、風通しや換気の点でも合理的ですから、実際に住む人にとって快適な暮らしが実現します。

 

屋根の側面にできる三角の部分に窓を設けると、効率の良い換気口として使うことが可能です。
冬は暖められた空気が上昇して屋根に溜まりますが、切妻なら自然と空気の循環が生まれるので、頭上と足元の温度差が小さく抑えられます。

 

このようにメリットが豊富な切妻には、太陽光発電パネルの設置のしやすさや、雪が大量に降る土地でも安心というメリットが追加されます。

 

反対に、太陽光発電の効率が高まる利点の裏には、日当たりが良すぎて夏場は暑くなってしまうといったデメリットがあることを意味します。
太陽光と共に雨風も当たりやすくなるので、壁が劣化しやすく将来的なコストに伸し掛かるのがデメリットです。

 

日当たりが良いのは住宅の魅力ですが、過剰な差し込みは室内の快適性を妨げるので直射日光対策を行うことが必要になってきます。

 

冬の日差しだけ室内に取り込んで、夏の日差しは徹底的に遮る。
そのために軒の出を何㎝にするか?
このような細かい設計を行うことで、切妻のデメリットは解消できます。

片流れのメリットとデメリット

片流れ
片流れとは1面だけで構成している屋根のことで、特徴的な外観と魅力的なメリットを併せ持ちます。
大きな屋根が斜めに家を覆いますから、作りやすくコストも抑えられる点がまずメリットに挙げられます。

 

屋根と天井の隙間に位置する部分が小さくできるので、そのメリットがコスト節約効果となって表れるでしょう。
片流れは角度や向きを決める自由度が高いですから、太陽光を受け止めるのにベストな設定が行えます。

 

これを言い換えると、太陽光発電を無駄なく活用できるパネルの設置に適した屋根、というように表現できます。
デザイン的には非常にシンプルですが、機能面が合理的な上に地味な印象もあまりないので、比較的人気のある形となっています。

 

見るからに雨や雪が流れ落ちそうな形ですし、重みで潰れるような不安感も感じさせませんから、雪の降る地域や環境を選ばず採用できるのがメリットです。

 

一方では、雨漏りが発生しやすくリスクが高いという、片流れならではの見逃せないデメリットも存在します。
雨漏りのリスクが高い理由は詳しくは分かっていませんが、少なくとも新築で発生する雨漏りの内、約80%は片流れで発生しているのが事実です。

 

考えられるのは屋根の上部に位置する部分と、壁の間にある隙間から雨風が入り込むメカニズムです。
屋根の側面には破風板が取り付けられていますし、雨が伝わりにくくなっているので、普通に考えると雨漏りは起こらないと思いがちです。

 

ところが、実際には風を受けて舞った雨が入り込んだり、側面を伝って入り込む雨水も少なからずあります。
破風板の上にある隙間と、屋根と壁の間に生じる隙間が雨漏りのリスクを高めているので、これらを避けるのが難しいのが片流れのデメリットとなります。

 

特に雨漏れが多いのが、軒の出がない片流れです。
通気部材の選定等も重要になってきます。

 

もう1つのデメリットは、屋根の温度差によって生じる結露です。

 

屋根の結露は雨漏りとよく間違えられます。
雨漏りじゃないので、いくら雨漏り対策だとしてコーキングを打ち直したりしても無駄です。

 

何度やっても雨漏りが止まらない場合は、結露を疑ってみることも必要かもしれません。
屋根の結露は、片流れの住宅にも発生することが知られます。

 

結露そのものは温度差が原因ですが、屋根に生じる結露には換気(通気)不足も深く関係しています。

*関連記事↓
片流れの家の通気は大丈夫?

いずれのデメリットにも対策方法はありますし、片流れとはどういった屋根かを理解して採用するケースも増えているので、メリットを引き出す活用は十分に可能です。

まとめ

寄棟、切妻、片流れ
どの屋根にも一長一短の特徴があります。

大事なのは、それぞれの屋根の特徴を設計者が理解しているかどうかです。
「寄棟の屋根がカッコいいから寄棟にして下さい。」

そうした依頼主のご要望に対して、デメリットをしっかり説明した上で、採用するかどうかを判断してくれる建築会社をパートナーとして選ぶことが重要です。

 

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