耐震・耐久性の高いデザイナーズ住宅を建てる際の”落とし穴”とは?

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クオホームの本田です。

yahoo!知恵袋で「個性的なデザイン住宅を建てた場合に、家の耐久性や寿命は確保されるのか?」
という質問を見かけました。

どこまで個性的なデザインを望むかにもよりますが、おおむね問題ないという前提でお話ししていきます。

しかし、考えなければならないことはいくつかあります。

今回は、耐震・耐久性の高いデザイナーズ住宅を建てる際に考えるべきことや、注意しなければならない落とし穴についてお話ししていきます。

デザインにこだわりすぎて、10年後に後悔しないよう、参考にしてください。

30年40年住むのにデザイナーズ住宅の耐震は大丈夫?

おしゃれな家に住みたい。でも30年、40年住むとして、耐震性は大丈夫なのか?という不安を抱く人もいるかもしれません。

結論、大丈夫です

大丈夫というのは、あくまでも耐震性の強い家を建てる前提でその上で、できる範囲でデザインにこだわって設計していくという流れで建てる場合です。

ただし自分好みのデザインにしたいからと、どんなデザイン、工法でも建てられるかというと、そうではありません。

少なからず、耐震性や耐久性を最低限保ちつつ、性能を落とさないようにおしゃれに設計する必要があります。

では、デザイナーズ住宅において耐震性や耐久性を高めるのには何を意識すれば良いか

次項で解説していきます。

デザイナーズ住宅の耐震・耐久性を高めるのに必要なこと

そもそもデザイナーズ住宅(デザイン住宅)とは、一人ひとりの要望に合わせて居住空間を作っていく家のことで、外構やインテリアなども考えて設計されます。

施主(オーナー)さんの理想、イメージをできるだけ取り入れ、世界でたったひとつのオリジナルの住宅を作ります。

しかしデザインにばかりこだわりすぎてしまうと、地震や台風、水害などの災害にあったときに、家が壊れてしまうのではないか?と不安になる人もいるでしょう。

そこで抑えるべきポイントとしては

  • 耐震等級の高い家を建てる
  • 場合によっては免震・制震の検討

などが挙げられます。

「耐震等級」「免震・制震」など難しい言葉が出てきてわからない人もいると思いますので、それぞれ解説していきます。

耐震等級の高い家を建てる

日本の建築法では、住宅の耐震性能がどれくらいあるのかを明確に示すものとして「耐震等級」という基準が設けられています。

耐震等級は1〜3まであり、耐震等級3が最も耐震性能が高いです。

等級によってどう違うかは以下のとおり。

  • 耐震等級1・・・現行の建築基準法で最低限保証されるべき耐久・耐震性能を持つ。震度5強の地震で大きな損壊はないが、震度6強以上だと修繕が必要になるケースが多い。
  • 耐震等級2・・・耐久性は耐震等級1の1.25倍。震度6強以上の地震でも全壊することは多くなく、多少の修繕で済むケースが多い。
  • 耐震等級3・・・耐久性は耐震等級1の1.5倍。震度6強以上の地震でも全壊することはほぼなく、少しの修繕または無傷のケースもある。

上記を見る限り「耐震等級3の家を建てるのが最も耐久性に優れている」というのはご理解いただけるかと思います。

長持ちするデザイナーズ住宅を建てるために、まずは耐震等級3を目指すというところを念頭において続きをお読みください。
(あくまでも目標であって、耐震等級3でなくてはいけないというわけではありません)。

免震・制震の検討

耐震とは別に「免震」「制震」といった、地震対策があります。

  • 耐震・・・揺れに耐える
  • 制震・・・揺れを吸収する
  • 免震・・・揺れを直接受けない

といった違いがあります。

実際に一軒家を建てる際に、よっぽどのことがない限りは、制震や免震は検討せずに耐震等級を上げるという選択肢を取る人のほうが多いかと思います。

理由はコストがかかりすぎるのと、それなら耐震等級3で建てれば十分耐久性は確保されるからです。

「揺れること自体がイヤなので、耐えるのではなく揺れない家がいい」という人に関しては、制震や免震を検討するのも良いかもしれません。

制震や免震については「地震に強い家を建てたい|耐震住宅にはデメリットもあるって本当?」の記事でも解説しています。

耐震・耐久性が高くなる仕組みや耐力壁について

では具体的に耐震性・耐久性を高くするべく、耐震等級を上げるにはどうしたらいいのかというと

基本的には「耐力壁」と呼ばれる、耐久性を高める壁を増やしていきます。

ざっくりですが、耐力壁を増やせば増やすほど耐震性が増し、耐震等級があがっていきます

では壁をいっぱい増やすとどうなるか?

思い通りの間取りにならない可能性も一部出てきます

極論、30畳のリビングを柱もなにもなくし、四方に大きな窓がたくさんある設計にしたとしましょう。

まず耐震等級1の条件さえもクリアできないと思います。つまり、建築許可がおりず、建てられません。

耐震性・耐久性を高めるには、垂直方向・水平方向ともに、大きな揺れや力に耐えられる程度の壁を作らなければなりません。

最低限必要な箇所に、家を支えるための柱や、揺れに対する耐力壁を設けることで大きな地震からあなたや家族を守ってくれます。

地震大国の日本に住む以上は、法律上からも最低限の耐震性能の確保は避けられません

耐力壁のほか、具体的な耐震等級の決まる基準は以下の記事でも解説しています。

では次に、デザイナーズ住宅を建てる上で”意外な落とし穴”となる注意点を見ていきましょう。

【落とし穴】デザイナーズ住宅を建てる上で気をつけなければいけないこと

現行法ではどんなに個性的な家を建てようと思っても、耐震等級1の性能はクリアしている必要があるということがおわかり頂けたかと思います。

逆に言えば、最低限の耐震性を確保していれば、好みのデザインの家が建ちます

しかし、意外な落とし穴もあるので、要注意。

「ビルトインガレージ」は耐震性に悪影響を与える可能性

居住空間の一部(一階部分)を車庫にするのがビルトインガレージ。

都心の狭小住宅だとよく見かける「一階部分がガレージの3階建て住宅」なんかが該当します。

また、狭小住宅でなくても、車が好きな人やガレージにこだわりたい人、車をガレージで守りたい人など、ビルトインガレージを希望される人も少なくありません。

正直、耐震性は落ちます

一個前の項目で例をあげた「30畳のリビングに〜」と同じ理由になりますが
車が余裕をもって車庫入れできるスペースを確保しなければならないため、柱を真ん中に立てて補強することは不可能です。

よって、それ以外の部分で耐震性能を高めるしかない(耐力壁)+車庫のスペースをできるだけ狭くして耐久性を高める必要が出てきます。

どうしてもビルトインガレージを希望される場合には、耐震性能がどれほど確保できるかの確認はしたほうが良いでしょう。

生活の導線も考えるべき

デザインに捉われすぎて、生活導線がしっかり考えられていないケース。

例えば、家事をほとんどしない旦那さんが主導権を握って間取りを考えてしまうと、いざ住んだあとになって苦労するのは奥さん

  • 「洗濯物を干すのに、毎回リビングを通って庭やベランダまで行かなければいけない」
  • 「ロボット掃除機を使っているが、部屋ごとに動かさないといけない間取りになっている」
  • 「欲しい場所に窓がない(不要な場所に窓がある)」

など、実際に住んでみないと実感できない部分も多くあるでしょう。

「細部までデザインにこだわって、耐震等級も3あるから最高の家が建った!」ではありません。

生活導線が悪ければ30年住み続けるのは大変です。

極論、デザインは流行りや飽きがありますが、生活導線はずっと変わりません。特に歳をとった時に実感するでしょう。

間取りを考える際は、しっかりと家事をメインで行う人の意見を尊重するのをおすすめします。

”まっ白”は汚れが目立つ

モノトーンでまとめるとカッコいいのはわかります。ただ、床や壁を真っ白にしてしまうと、汚れは目立ちます。

室内だけでなく、外構も同じで、真っ白な壁、床、オブジェなど。とくに、外は常に汚れが舞っている状態ですから、真っ白なものは汚れが目立ちやすいです。

これが10年20年経つと、そのうち掃除も面倒になり、どんどんん黒ずんでいき、ただただ汚い状態に。。。

モノトーンが好きでも、汚れが目立ちそうな場所に関しては、薄いグレー、オフホワイトなどの「白に近い色」を採用すると良いかもしれません。

断熱性能にも注目

デザインにこだわりすぎて、窓の位置や数が悪く、断熱性能が悪い家になってしまうと快適な暮らしができません。

年に数回しか滞在しない別荘ならまだいいかもしれませんが、生活拠点となる家であれば「夏は涼しく、冬は暖かい家」を目指していただきたいです。

パッシブ設計とも言われますが、「気密断熱性能」「日射遮へい」「自然風の利用」「昼光の利用」「日射熱を利用して家を保温する」などの、自然のエネルギーをできるだけ活用して、家の温度や空気を良好に保つことも非常に大切です。

パッシブ設計については

【新築】パッシブデザイン注文住宅の特徴やメリットデメリットなど」の記事で詳しく解説していますので、よかったら参考にしてください。

パッシブ設計を無視すれば、思い通りのデザインの家が建つかもしれませんが、その分、夏は暑く冬は寒いといった、暮らしにくい家になってしまう可能性も。

30年快適に住めるために、好みのデザインはすこし妥協せざるを得ないシーンも出てくるかもしれません。

コストがかかる

どんな個性的なデザインにするかにもよりますが、内容次第ではコストが大幅にかかってしまうことがあります。

例えば中庭を作る場合には、費用が通常より500万円〜1,000万円以上かかってしまうケースも。(坪数にもよります)

また、吹き抜けやスキップフロアなどの室内空間のデザインにも費用が上乗せされていきます。

さらにそこに、断熱性能の良い家にしたい、全館空調にしたいなどの要望が入るとどんどん見積もりが上がっていくため、ある程度の予算内で収まるプランにしないと後々大変なことに。

正直その辺は設計事務所や工務店さんと打ち合わせを重ねていくときに、コストがあがることについてもお話しがあると思いますので「気づかないうちに値段があがっていた!」ということにはならないでしょうけども。

見積もりも、オプションを変えるたびに出してくれる工務店さんも多いと思います。

デザイナー住宅でおしゃれな家を建てようとする場合には、ある程度のコストアップは覚悟しておいたほうが良いかもしれません。

【対談動画】設計とデザインは両立できるのか?

いいデザインとは?」

心地良い空間とは?」

性能とは違い、数字で表せないデザイン性や心地よさについて対談しました。

あなたにとって落ち着ける場所、空間を想像しながら見ていただけるとイメージが湧きやすいかなと思います。

(1時間以上あって非常に長いので、時間ある時にでも見て(聴いて)もらえたらと)。

予算と相談しながらデザインと耐震性能のバランスを取るのが大切

結論、耐震・耐久性の高いデザイナー住宅は建てられます。ただ、100%要望を叶えられるかどうかは、施主さんの求めるデザインによるといったところです。

また、個性的なデザインで建てるにしても、生活導線や断熱性能を無視してしまうと、結局住みにくい家になりかねません。

デザインは一時的な好みであって、もしかしたら10年後には全く違うデザインの趣味になっている可能性だってあります。

重きをおく優先順位のおすすめとしては

予算>耐震性能(命や災害時の修繕費)>断熱性能(暮らしやすさ)>生活導線(家事のしやすさ)>デザイン

といった感じになるのではないでしょうか。

デザインが最後尾になりましたが、安心してください。

とんでもない奇抜な構造の家を作りたいとかでない限りは、耐久性が高くデザイン性のあるおしゃれな家は建ちます

ハウスメーカー、設計事務所、デザイン事務所も、あなたの予算内で実現できる最大限の提案をしてくれるはずです。

あらゆる無茶な要望をできるだけ取り入れつつ快適な家に仕上げるのが、我々の役目です(笑)。

 

兵庫・姫路でデザイナーズ住宅を建てたい!

弊社クオホームは、兵庫・姫路エリアでデザイナー住宅を建てたいと思っている方に、より良いプランをご提案いたします。

弊社クオホームの施工事例

 

どのような家が建つかは、施工事例を見ていただければと思いますが、

施主様のご要望を取り入れつつ、弊社のコンセプトである「長持ちする家」を意識し、30年40年と長く快適に住める家を一緒に考えていきます。

姫路エリアで、耐震性能の高いデザイン住宅を建てたいな・・・

そう思われている方は、ぜひ一度お問合せか、来場予約などを検討していただけたら幸いです。

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