ハイドロテクトタイルを徹底解剖!意外と多いデメリット、価格、寿命や耐震性など

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これから新築を計画している人で、一条工務店さんを選択肢のひとつにしている場合に「ハイドロテクトタイル」という外壁を知ることになるでしょう。

「汚れに強く、メンテナンスフリー」「何年も外観を綺麗に保てる」

ハイドロテクトタイルにはこうした魅力があります。

かと言って「掃除がラクならハイドロテクトタイルにしよう!」と、安易に決めてもいいのでしょうか。

もちろんメンテナンスフリーは大きなメリットですが、その裏にあるデメリットについても十分理解した上で、あなたの設計プランに合う外壁や工務店を選んでみてください。

ハイドロテクトタイル以外の、メンテナンスフリーの外壁についても少しご紹介いたしますので参考にしてください。

ハイドロテクトタイルとはどういうものか?

ハイドロテクトタイルの壁を採用している家。 転載:一条工務店HP

「ハイドロテクト」はTOTOが開発した環境浄化技術で、簡単に言うと「汚れにくい・汚れが簡単に落ちる」といった性能があります。

具体的には、光触媒(ひかりしょくばい)を利用することで、汚れの付着を防いだり、汚れを分解したり(セルフクリーニング)、雨水で汚れを洗い流してくれます。

その光触媒を使用したタイルが、ハイドロテクトタイルです。

光触媒とは

光触媒とはコーティング剤のひとつで、光触媒を塗った場所に太陽光や蛍光灯などの光が当たることで、コーティング面に酸化還元反応がおき、汚れの付着を防いだり空気を浄化してくれます。

なお、ハイドロタクトタイルを採用しているのは、一条工務店や住友不動産が有名です。

同じく光触媒を使用した、パナソニックホームズの「キラテック」というのもあります。

性能から見るハイドロテクトタイルのメリット

ハイドロテクトタイルを外壁に採用するにあたり、大きなメリットは「汚れない」「掃除しなくていい」に尽きると思います。

先ほども説明しましたが、ハイドロテクトタイルには光触媒によるセルフクリーニングの性能があります。

太陽の光や雨水などの自然の力で外壁を汚れから守ってくれたり、掃除してくれるんですから、こんなにエコで楽チンなことはないですよね。

しかし、厳しく言うならば、メリットはセルフクリーニングぐらいでしょうか。

意外とデメリットも多いので、次に解説するデメリットを理解した上で、掃除しなくてもよいというメリットが上回るようであれば、ハイドロテクトタイルの採用を検討してみるのも良いかもしれません。

外壁にハイドロテクトタイルを採用するデメリット

ハイドロテクトタイルを採用するデメリットは、意外にも多いです。

  • 割れや欠けが起こる
  • カラーバリエーションが少ない
  • 費用がかかる
  • 子供の代でメンテナンスが必要になる可能性(60年後)
  • シーリングのメンテナンスが必要(30年後)
  • 保証期間はたったの2年
  • 糞害や油汚れには弱い

それぞれどういうことか解説していきます。

割れや欠けが起こる

ハイドロテクトタイルは、陶器でできているため、外部からの強い衝撃や圧力で欠けてしまうことがあります。

例えば台風や強風などで小石が勢いよく壁にぶつかったら、欠けの原因にもなり得るでしょう。

また、子供が自転車をかべに向かって倒してしまったりと、不測事態で壁を傷つけてしまうことも。

欠けた部分については、光触媒のコーティングが剥がれてしまうため、汚れの付着は避けられません。

カラーバリエーションが少ない

例えば一条工務店のハイドロテクトタイル。色は5色で、組み合わせは2色までと決まっています。

  • ホワイト
  • ピンク
  • オレンジ
  • ブラウン
  • ブラック

の5色です。

外壁のデザインにこだわりたい、世界にたったひとつだけの家を建てたい、というにとっては、少々オリジナル性に不満が出るかもしれません。

わかる人が見れば、「一条工務店で建てたんだな」と思われてしまう可能性も否定はできません(それが良い悪いという意味ではなく)。

費用がかかる

一条工務店のハイドロテクトタイルを依頼すると、i-smartは坪単価13,000円、i-cubeは坪単価16,000円かかります。

掃除をしないメリットが、コストパフォーマンス的に良いとするのであれば、問題はないでしょう。

シーリングのメンテナンスが必要(30年後)

タイルとタイルの間の隙間(ライン)をシーリングというのですが、シーリングは光触媒加工されていないため、劣化していきます

30年ほど経つと、メンテナンスした方が良いな…となるでしょう。

汚れた画像までは用意できなかったので、気になる人は、一条工務店さんへ問い合わせしてみるといいかもしれません。

保証期間は2年

一条工務店では、ハイドロテクトタイルの保証期間は2年としているようです。

一般的には、外壁の保証期間は1年〜10年の間で設定されることが多く、例えばサイディングだと5年の保証期間があったりします。

これも業者やメーカーによって異なるので、一概には言えませんが、2年という保証期間に不安がある人はもう一度考え直してみるのもよいかもしれません。

サイディングについては「木製外壁とサイディングどっちかメンテナンスが大変・デメリットは?」の記事も参考にしてください。

糞害や油汚れには弱い

「セルフクリーニング」とは言っても、実は鳥のフンや換気扇からの油汚れなどには弱いです。

また、蜘蛛の巣なども普通に張ります。

ハイドロテクトタイルは埃や塵などの汚れには強いですが、すべての汚れに強いわけではないことを理解しておく必要があるでしょう。

ハイドロテクトタイルの価格は?

一条工務店のハイドロテクトタイルは、坪単価13,000円ほど。

例えば延べ床面積30坪、外壁面積66坪(概算)で考えると、約86万円かかる計算になります。

また、グレードやシリーズによっても価格が変わってくるため、外壁にハイドロテクトタイルの採用を検討されている場合は、しっかり見積もりを出してもらうのをおすすめします。

ハイドロテクトタイルの耐震性について

画像は一条工務店HPより。

一条工務店は、実物大の建物で耐震性の実験をおこなっています。

基本的には大きな地震がきてもはがれない実験結果が出ていますが、外壁は職人の手作業で貼るため、施工クオリティによっては数年後に剥がれてしまう事例もあるというのが実際のところです。

また、人の手で作業するため、タイルの繋ぎ目がずれることもあります。

手作業のクオリティ保証はなかなか難しいでしょうから、ある程度の剥がれやズレは目をつむるしかないと思います。

標準タイルとハイドロテクトタイルの違い|寿命や価格、性能など

ざっくり言ってしまえば、ハイドロテクトタイルは標準タイルに光触媒の性能が加わっただけです。

寿命は標準タイルと同じです。

で、価格は高くなります(坪13,000円〜)

ただ、光触媒によるセルフクリーニング性能が圧倒的に優秀であることは、間違いないと思います。

メンテナンス不要でずっと壁が綺麗だなんて、それはもう、ラクですよね。

外壁の美しさを手間かけずに維持し続けたいならハイドロテクトタイルはあり

ハイドロテクトタイルについて、意外とデメリットが多い点について話してきましたが、それでもやはり、太陽光と雨水でのセルフクリーニングという性能については、優秀であるとしか言えません。

新築を建てよう、または建て替えようと思った場合には、間取りや費用ももちろんですが、メリットデメリットの取捨選択はかなり大事になってくるかと思います。

今回で言えば、独自性のある外観を目指したいならハイドロテクトタイルは不向きでしょう。それよりもメンテナス重視で外観をラクに手入れしたいという人は、ハイドロテクトタイルはもってこいだと思います。

あなたの理想とする家づくりに、ハイドロテクトタイルを採用しても良いかどうか?改めて検討してみてください。

ハイドロテクトタイル以外のメンテナンスフリーの外壁材もある

ガルバリウムの施工事例です。

汚れにくく、メンテナンスフリーで推奨できる外壁に「焼杉外壁」「ガルバリウム」「サイディング系」があります。

それぞれ、記事にしていますので、よかったら参考にしてください。

【天龍焼杉】焼杉板は長持ちする?外壁材としての耐久性、デメリットは?

コーキングレス外壁『ガーディナル』に新仕様が登場

木製外壁とサイディングどっちかメンテナンスが大変・デメリットは?

動画もあります。

メンテナンスフリーの外壁で悩んでいるなら「そとん壁」の選択肢も!おしゃれで耐久性にも優れています

残念ながら弊社クオホームでは、ハイドロテクトタイルは採用しておりません。

「そとん壁」を採用いただくことで、和モダンな塗り壁を実現し、世界にひとつだけのオリジナルな外観を作り上げることができます。

そとん壁も、同じくメンテナンスフリーが売りで、カラーバリエーションは10色、7種の仕上げパターン

色の劣化やひび割れもしにくく、断熱効果も得られます。

詳しくは「白洲そとん壁に欠点はある?メリット・デメリット、色・仕上げ、費用など」の記事をお読みください。

外壁は家の外観、印象を大きく左右します。

どんな家を建てたいか?をイメージし、あなたに最適な外壁を選んでくださいね。

結局、外壁は何が正解か?

焼杉外壁の施工事例です。

「ハイドロテクトタイルにすればメンテナンスフリーで掃除がラク」という言葉を聞いて、じゃあハイドロテクトタイルにしようと決めるのはちょっと待ってくださいということでして。

メンテナンスフリーな外壁はほかにもありますし、それぞれメリットデメリットがあります。

また、デザインの好みも人によって違うでしょうから、その辺もしっかり考えた上で、どの外壁を採用するのか?考えていただけたらいいんじゃないかなと思います。

例えば、自然な木のぬくもりを感じたい外観にしたい場合は、上記画像の焼杉外壁はおすすめですし、和モダンな塗り壁感を出したいのであれば、そとん壁がおすすめです。

ガルバリウムだと、かっこいいイメージを与えてくれます。ガレージとの相性も良いです。

外壁は、住宅の印象を大きく左右する部分になりますので、よくご検討されてから決めていただくのが良いかなと思います。

姫路エリアで外壁についてお困りの場合は、弊社クオホームまでご相談ください。

お問い合わせはココをタップ
※「info@quohome.com」からご返答させて
頂きますので、ドメイン解除又は受信出来る様に
設定の確認お願いします。

 

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