誰もが知りたい断熱材 ここだけの話。 カネライトフォーム編
長持ちする家 研究家 瀬崎です。
断熱材 ここだけの話 カネライトフォーム編
今回はカネライトフォームについてお話します。
カネライトは断熱材の分類で言うと、発泡プラスチック系になり、その中でさらに細分化すると、
押し出し法ポリスチレンフォームに属します。
難しく感じますが、見た目は発砲スチロールで、薄いピンク色をしています。
1種2種3種と、性能で3グレードに分かれていて、3種が最高等級になります。
熱の伝えやすさの値、熱伝導率で言うと、3種は、0.028とかなり高性能です。
兵庫県(Ⅳ地域)で、次世代省エネレベル(長期優良住宅や、エコポイントをもらうのに必要な断熱性能)を、壁の断熱材の確保しようと思えば、わずか65㎜の厚みでクリアできます。
参考までに、高性能グラスウール16Kですと、90㎜必要になります。
長持ち基準からいいますと、経年変化(時間の経過と共に劣化する性能)も少なく、優れた断熱材と言えます。
気密性の点から言えば、施工する場所によりますが、少々難ありです。
施工する場所というのは、例えば、壁面に使用する場合です。
柱の外側に施工する外断熱工法でしたら、隙間なく施工することも容易ですので、大変すばらしい断熱材だと思います。
しかし、柱の間に施工する充填断熱工法で使用する場合は、何点か注意すべき点があります。
まず、可能な限り工場で断熱材をカットすることが必要です。
断熱材は、柱と柱の間にきついくらい隙間なく挟み込むのが理想です。
現場で大工さんがカットしているようでは、気密性はまったく期待できません。
工場でのカットを前提にすると、特殊な柱ピッチは、工場でカット対応できません。間取りの提案段階で避ける必要があります。つまり、プランの自由度が下がります。
また、たすき掛けのすじかいが外周にくるような場合↓
この場合は、筋違いに合わせて、斜めにカネライトフォームをカットするわけにはいきませんので、施工自体不可能です。
設計段階で、すじかいをなるべく使わずに、外周に構造用合板を使用することで代用し、耐力を確保しなければなりません。
これらの点を考えると、
カネライトフォームの壁面使用は、外断熱工法に限定した方が良い
かと思います。(外断熱工法の是非については、別の機会に・・・)
では、天井や、床下に使用する断熱材としては、どうか??
工場でカットしてくることが前提ですが、床下には大変適している断熱材と言えます。
まず、断熱性能が高い。その上、湿気にも強いという特徴もあります。
ただ、シロアリに弱いという欠点がありますので、シロアリ対策を平行して行う必要はあります。
次に天井への使用ですが、こちらは、それほどおすすめできません。
熱に弱いという欠点があります。
炎天下の屋根裏の暑さは想像を絶する温度です。うまく小屋裏の換気経路が確保できている設計ならいいのですが、もし、うまく換気機能が働かないようですと、変形するリスクがあります。
同じ、発砲プラスチック系でも、ネオマフォームのように、熱に強いタイプを選ぶほうが無難でしょう。
しかし、ネオマフォームは高い・・・
コストパフォーマンスがもうひとつですので、長持ち基準からは、あまりおすすめしてません。
私の個人的な意見ですが、
カネライトフォームは使うなら断然、床下。
外断熱工法を採用した場合に限っては、壁面も可
というところですね。
関連記事
誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 グラスウール編
誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 カネライトフォーム編
誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 硬質ウレタンフォーム編
誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 ロックウール編
誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 セルローズファイバー編
誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 アイシネン編
クオホーム 価値ある品質を追求する家づくり
大手ハウスメーカーでは高すぎる。でも「ただ安いだけの家」では不安。
そのどちらでもない「本当に安くて長持ちする家」をご存知ですか?
www.quohome.com
Comment
[…] 関連資料 誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 グラスウール編 誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 カネライトフォーム編 誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 硬質ウレタンフォーム編 […]
[…] 関連記事 誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 グラスウール編 誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 カネライトフォーム編 誰もが知りたい断熱材 ここだけの話 硬質ウレタンフォーム編 […]